2015年07月08日

明日の大津を考える会②

明日の大津を考える会からパネルディスカッションの
ための問題提起をアップします。
テープ起こしに時間がかかりますので2回に分けての
アップになります。

私、銀行の頭取に就任しましたのがちょうど10年前で
ございまして、そういう意味では私はよそ者でございますが、
大変,大津が好きになりまして、今回大津のためになるので
あれば、是非お話をさせていただきたいということで
この場に立っているということでございます。

ただ、私、経済人といいますか金融関係者でございまして、
大津市全般に精通しているわけでは当然ございませんので、
今日の話は経済、産業政策、に限らせていただいて
お話をさせていただきたいと思いますし、若干、
大津の市民の方にとっては、辛口、耳障りな点があるかも
知れませんが、大津のためだということで、どうか
お許しをいただいて、聞いていただければと思います。

ハワイはどうして世界一のリゾート地になったかという
ところから話を進めたいと思います。
ご承知のように70年前は、ハワイ、ホノルルというところは
軍港であり軍事基地という位置だったわけでありますけれども、
1959年、昭和34年にアメリカの50番目の州になるということで、
軍港ではダメだということで観光地にしょう、リゾート地にしょう、
ということで、ホノルル市民が中心になり、根本的に
町を変えていった、だからハワイの町ができてまだ50数年
しかたってないということです。

ホノルル市民は何をしたかということですが、
まず、自然が必要だということで、ワイキキに白い砂を持ってきました、
火山岩が中心の黒い砂浜が、白くなった。
それから音楽が好きだということで、先住民の歌をベースに
ハリウッドでハワイアンミュージックを作って全世界に流した。
現地の人があのスチールギターを昔から弾いていたわけが
ないわけでありまして、完全な後付ということであります。

映画、テレビでも宣伝してもらいたいということで、プレスリーの
ブルーハワイ、日曜日だったと思いますがハワイアンアイという
テレビ番組、こうした舞台、集中的に舞台として提供したわけです。
それからファッションも必要だということです。
アロハシャツ、あれは日本の浴衣がもとになったといわれておりまして、
商標登録されています、アロハシャツを勝手に使ってはいけない
これも後付であるというのがお分かりいただけると思います。

それから歴史、物語にしても、先住民は文字を持ってないわけですから、
カメハメハ大王、ホノルルに行ったら観光スポットということで、
行く人が多いのですけれども、あれも完全な後付ということです。
それからSPAというの、私の造語なんですけれど、
観光地、リゾート地ではワクワクドキドキすることが必要だと、
スポーツ・ペット・アダルト、健康なナイトライフが必要ということで
場所を作ろうと、つまりすべて仕掛け、後付です。

箱物は一つもありません、ソフトからということです。
それともう一つ、ハワイ、ホノルルの市民だけでなく外部の力を
使った、メディアを非常に使った、というのが今のハワイの
原点ではないかと思っています。

翻って、この50年間大津はどのような戦略でやってきたのか、
ということを考えていく必要があると思います。
で、本題でございます、大津市の現状と課題であります、
私は大津は典型的なベッドタウンであると思っています。

昼夜間人口比、92,09%です、夜間の人口分の昼間の人口、
ということで92%ということなのですが、これは全国47県庁所在地
で最低であります、比率なんですが昼間の人口が全国で
一番少ないのが大津市です。
そんなことはないと、ベッドタウンではなく大津は産業都市だと
言われるかもしれませんが、製造業事業所数、会社数です、
人口1000人当たりの数値が草津市の半分です、小売業の
商品販売額においても人口1000人当たり草津市の半分。
これでは産業都市とはいえないと思います。

ではベッドタウンとして外部からどのような評価を受けているか、
地価というのは、その土地の魅力度を表しています。
日本で一番高いのは銀座5丁目だといわれています、
あそこは、日本で一番魅力があるから土地の値段が高い、
大津は平米あたり235000円ということで草津よりも安いわけですし、
奈良は52万円です、大津は半分以下ですね、和歌山は36万円です。
三分の二以下というのが現状です。

私は福井の出身ですが、福井市は265000円、どう考えても
大津が福井よりも地価が安いというのは私は合点がいかない。
しかし、現実はこうなっているということです。
235000円で東海道沿線で探しましたら加古川市、もう姫路に
近いところと同じということ、これが土地の魅力度、地価というもの。

ベッドタウンということであれば住みよさということが重要になってきますが、
東洋経済の住みよさランキングでは大津は285位、草津が17位で
関西で1番なんですけれど、大津は全国で285位ということです。
それから、これが私は一番問題だと思うのですが、20歳から24歳の昨年の
転出者が15歳から19歳の転入者650人、これは大学がありますから
転入者があるわけです。
しかし、税金を払う年になって大津市に還元してもらおうと思ったときに、
それら20歳から24歳なんですけれど、実に2014人が離れていっている。
これは働く場所がない、魅力のある会社がない、少ないということから、
私は大津を離れているのではないかと思います。

保育園であるとか学校とか色々、投資をしても、
さぁ返してもらおうかと思うときには大津を離れるということが多い。
投資をすれどリターン少なしだと思います。
ベッドタウン全国最下位と言うのは、寝るだけの人がたくさんいると
言うことで、家族もふくめると30数万人のうち10万人近くは
寝るだけの人になっているのではないかと思います。

そうなると、当然大津への帰属意識も薄くなるし、5年先10年先の
大津を真剣に考えようというのもなかなか難しいと思います。
このままで行けば大津市はジリ貧になるのではないかと
早く手を打たねばならないのではないかと考えています。
それが京都市大津区、それが良いんじゃないかと、
そんな議論をすることになって大変寂しいことではないかということです。







Posted by いとう茂 at 12:34│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。