2015年07月09日

明日の大津を考える会③

前回に続き「明日の大津を考える会」の問題提起です。

ベッドタウン全国最下位と言うのは、寝るだけの人がたくさんいると
言うことで、家族もふくめると30数万人のうち10万人近くは
寝るだけの人になっているのではないかと思います。

そうなると、当然大津への帰属意識も薄くなるし、5年先10年先の
大津を真剣に考えようというのもなかなか難しいと思います。
このままで行けば大津市はジリ貧になるのではないかと
早く手を打たねばならないのではないかと考えています。
それが京都市大津区、それが良いんじゃないかと、
そんな議論をすることになって大変寂しいことではないかということです。

ではどうすればいいかといえば、居住性のアップと持続的な経済成長をする、
この二つを両立させる以外にないと思っています。
居住性のアップについては、ベッドタウンとして病院、学校とか
安心安全なまちづくりを進めていく。
それは当然ですが、どうしてもそれだけではなく、昼間に主婦を中心に、
産業政策的にはそこをターゲットにした産業を作っていくべきであると考えます。
主婦層をターゲットにした生活直結産業、美容、飲食、子育て支援等、
の産業をもっと大津で深堀りする必要があると考えています。

カリスマ美容師とか超有名シェフのお店であるとか、京都、大阪からも
昼間に人を呼んでくるくらいの店を作るべきではないかと考えます。
固有名詞で申し訳ありませんが、守山市にクラブハリエという
ケーキ屋があります、京都、大阪からどんどん来て予約が取れないという
ことで人が来ている、そういう知恵を出せば大津は十分に可能性があると考えます。

持続的成長、現役世代にとっては、業種が多岐にわたっている、
給料が高いということであれば、京都、大阪まで通勤をして勤務しなくても
大津で勤めようという気になるのではないかと思います。
夢のある若者、先ほど転出が多いと申し上げましたが、若者にとっても
魅力ある企業をどんどん作っていけば、大津で就職をしていくという
ことになるのではないかと思います。

従来の重厚長大型、大企業下請型、横並び没個性型とは
全く違う生産性の高い、つまり給料が高い、そういう企業の出番、
そういう時期に来ているのではないかと思います。

では具体的にはどうすればよいかということなのですが、
アメリカの事例なのですがリチャードフロリダという都市経済学者が
いまして、アメリカの306以上の都市を調査して、活力ある成長している都市に、
共通していることは何かということを実証的に調べて3つのTというのを
提唱しました。

大学が基礎になっていまして、その上にハイテク産業があるかどうか、
これはある程度想像がつくと思いますが、イノベーション指数で
特許取得能力が高いかどうか指数化して、まずT1というのを考えます。
T2というのがタレント、才能ということでありまして、弁護士、会計士、
経営者、技術者、科学者等の地元のリーダーといわれているような
人が集まっている。
もう一つ、トレランスということでありまして、寛容、多様性、開放性が
まちにないと元気が出てこないということであります。

それはボヘミアン指数、ボヘミアンとは芸術家とか変わり者のことを
いいますが、作家、デザイナー、俳優、ミュージシャン等が集まる
必要がある、それからゲイ、これはレズでもいいと思いますが、
ゲイがたくさんいるほどまちは活性化する、メルティングポット、
ポットの中にいろんな人が入ってくる、これが活性化する原因だと、
メルティングポット、変り者ですね、それから若者、22歳から29歳、
わくわくどきどきするにはナイトライフとか文化比率も非常に重要だと
いうことを実証的に証明をしまして、3つのTがそろったら、
まちは活性化するということを唱えて、いま世界から大きな注目を浴びている。

一番活力があると認定したのはドーリー市、人口35万人と隣町の
ダーラン市、人口19万人ということです。

これを踏まえまして大津に何を仕掛けるべきかということで、居住性アップと
持続的成長を両立させるためには、若者、よそ者、変り者が集う都市へ
変わるべきではないかと思います。
そのために、5つ条件がいる、1つ目はまちづくりの中核に若者、よそ者、変り者、
を据えるというコンセンサス、失敗する可能性もありますから覚悟がいる、
それから、2つ目は大学、大学関係者が主役となれる舞台づくり、
3つ目は守るべきものは守るが変えるべきものはすべて変えるという
チャレンジ精神、4つ目は多様性開放性を大いに受け入れるという風土、
もともと、帰化人を受け入れたわけですし、近江八幡でもヴォーリス先生を
明治に受け入れているわけですから、多様性、開放性を受け入れる風土は
もともと大津にあると思います。

5つ目は、失敗しても受け入れてもらえるセーフティーネットの構築が
重要ということであります。
キーワードはITだと、大津を産業的に活性化するのはITだということで、
環境、医療、農業、大学も専門家がたくさんいる、その部分にITを組み込む
のが新しい産業としてねらい目ではないかと思います。

なぜかと申しますと、生産性の高さ、給料の高さとIT投資の間には
密接な関係がある、相関関係が強いということです。
内閣府が発表していますが、現在の日本のIT投資の水準は、
アメリカの3分の1、ドイツの2分の1でまだまだ日本は投資をする
可能性が残されている、ITというのは割合初期投資が少ない、
知恵があればできる。

これは5%理論ということで、バケツに水を入れてそのままにしておくと
水は腐りますが、そのバケツの水が5%でも動いていれば腐りませんし、
大きな波になりうる可能性がある。
ということを私は信じていましてITで5%動かすということは
十分できると思っています。

もう一つ、先ほど都市間競争という問題が出ましたが、つい先日
朝日新聞に取り上げられて、私は滋賀大学の卒業生なのですが、
データサイエンス学部というのを再来年の4月に作ると発表しました。
ビッグデータを基にして、データアナリストを養成するものです。
大津のそばで、そういう新しい動きが出てきているわけですから、
ITについて早く手を打たないと、私は時間遅れになると思います。

このままではじり貧になる、みんなで力を合わせて新しいまちづくり、
若者、よそ者、変り者が入ってくるまちにしませんかという
のが私の問題提起です。


Posted by いとう茂 at 17:06│Comments(0)
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