2015年09月17日

第3回 明日の大津を考える会シンポジウム③

シンポジウムのパネルディスカッションの続きです。
呼びかけが大津商工会議所や経済同友会ということで
経済関係の人が中心になって大津のまちについて
語ることが多いのですが、個人的にはそこに住む住民、
そこというとエリア限定のようですが、大津駅周辺や
大津駅から2キロ、5キロ離れた地域の住民、さらには
年代も子どもから高齢者、もちろん男女を交えた中で
多くの意見が出されるようなシンポジウムなら、もっといいのに、
そんな気がしますし、大津駅のことを語るならまさに地域限定で、
半径500メートル圏内の住民の意見も取り入れるべきと考えます。

第1回目のシンポジウムで山田さんが基調講演で、よそ者、若者、
変わり者がまちづくりには必要だというお話がありましたが、
それは、あくまで地元の人が主導になってという前提があったと
記憶しています、地元住民の声があまり聞こえない中で、
こうすべき、ああすべきと論じていても、どこか足が地についていない
ように感じます。

コーディネーター
大津はいいこともあるが悪いこともあるという両極端で、真中がない
これでいいものがなくなったら、どんなまちになるのか、ということで、
危機感を持ってお話を聞いていただいたのではないかと思います。
次に、中西様にお話をお願いするわけですが、中西様は昨年11月に、
大津で全国大会を開催され、お客さんを多くお迎えされた、
そのあたりのご苦労話もお聞きしたいと思うのですが、実際今、
保育の教育者として、教育と福祉を両立した中で子育てをされている
環境の中に浸かって頂いているわけですけれども、子どもたちの将来を
支える地域のありかたを含めてお話を聞きたいと思います。

中西
私は大津市の方で保育所をやっています。
先ほど小林様の方から地域の特性を踏まえたまちづくり、というお話が
ありました、まさしく私もそのように思っています。
じゃ、その特性ってなんだろうというお話があったわけですが、
それは自然や環境から来るものであったり、歴史や文化財から
来るものであったり、そういったものが特性になるのはよくわかる話です。

私が申し上げたいのは、その地域に住んでいる方の考え方であるとか、
その地域に住んでいる方の特徴というのも、地域特性に入るのでは
ないかと思います。
私は京都の田舎で育ちました。
母親から人に迷惑をかけたらあかんぞと、約束はしっかり守りなさい。
そして、困っている人がいたら助けてあげなさい、そういう教えを受けました。
きっと今日おいでの方も、子育てついての親の教えをご経験なさった方も
いらっしゃるんだろうと思います。

そういう地域があるんですね、田舎だったからかもわかりません。
今、大津で三世帯同居が多かったりだとか、高齢化が進んで子どもが
少ない地域だとか、保育所をやっていますので、いろんな地域から
お子さんを預かっていますので、親御さんやおじいちゃん、おばあちゃんと
色々とお話をすると分かるのですが、人に迷惑をかけるなという
教えをいただいている方が中にはいらっしゃる、ところが私どもに通っている
子どもを見てますと、私どもは新興地に保育園を持っているのですが、
30代、40代のご家庭のお子さんが非常に多いのですが、そういった方々の
お話を聞いていると、先ほどのような、周りの人だとか、おじいちゃん、
おばあちゃん、地域の人のことを考えた教えではなくって、
あんたは体が大きいから、運動が好きだからゴルフをしなさい、
というように、子どもの特性を伸ばす教えというのが多いのではないかと思います。

お子さんが少ないのでお金をかけて、いろんな所にお連れになって、
いろんな体験をさせて、というようなお母さん、お父さんが非常に多い、
これも新興地の特性だと思います。
これは子育てに対する特性の違いなんでしょう、地域の違い。

たとえば、学校や学校教育というものに対する、特性があるように思います。
私がいい加減なことをしますと、そんな躾もできてないことが学校の
先生に分かったら恥ずかしい、私の母親は言いました。
また、学校や学校の担任の先生にはいつもお世話になっています、
と言って、頭を下げる親でした。
ほとんどの家庭のお父さん、お母さんはそのようにして学校に対する
思いがあったように思いますが、今は少し違うんじゃないかと思います。

あの先生はこんないい所があるけど、あの先生はこんなとこいや、
何と言いますか、教育や躾を外注する、語弊があったら申し訳ありません。
外注をするという考え方がお金を払ってるんだから、しっかり勉強を
教えるのは先生の仕事で、躾をするのも学校の仕事じゃないのか、
外注という考え方がずいぶん広まっているように思います。
これは、一概には言えませんが新興地の特性ではないかと思います。

周りの人たち、周りのお友達、困っている人たち、昔、地域のには口うるさい
おじさんやおばさんも多かって、私はやんちゃ坊主だったので、
いつもおじさんに怒られましたけれど心配をしてくれましたよね。
みんなが見守ってくれた、これは、その地域の特徴だろうと思うのですが、
やはり、周りの人のことを一所懸命考えて、あなたは困っている人がいたら、
親切にしてあげてねというような、考え方と誤解があったら申し訳ありませんが、
自己実現、自己中心的といった地域の特性があるのではないかと思います。

ところが、今はそうした地域の特性を踏まえた保育の仕組みであったり、
学校の仕組みであったりするかどうかと言ったら、どうも違うように思います。
みんなを理解して万遍に考えられた制度、だから何か問題が起こったら、
そこに絆創膏を貼る、何か問題が起きたらこっちの方にも絆創膏を貼る。
虐待があったら虐待をなくしましょう、いじめがあったらいじめをなくしていきましょう。
みたいな、そういったことが起きた時に対処する仕組みになりはしていないのだろうか、
という風に思います。

私は人の考え方、人の特徴というのは地域特性であると思いますので、
この大津は南北に長く、それぞれの地域にずいぶん違いがあるように
考え方に違いがある、人と人とのつながりに違いがあるだろうと思いますので、
そういったものを踏まえたまちづくりが、とても大事だと感じています。

コーディネーター
ありがとうございます。
今、切実な問題のように身にしみているのですけれど、地域特性と
金太郎飴のようにどこでも同じような絆創膏を貼っても、効き目がないということと、
あまり、身近なものにとらわれ過ぎていて、全体が見えていないというところに
考え方や生き方の地域特性もあるのではないかというお話でした。
それでは、先ほど基調講演をいただきました小林様から、以前、大津が
全国どこにでもある都市に陥ってもいいのか!というような持論をおっしゃってました。
そのあたりも含めまして小林様からもう一度お話をお願いします。

小林
私どもの会社はだいたい25の子会社で構成しています。
そのうち、多くは海外なのですが、5社くらいは買収で仲間に入ってこられた
ということです、会社の運営をグループとしてどうやっていくかという時に、
自主性を尊重するというのが我々のポリシーなんですけれど、
一方でガバナンスをどうしていくかという、相反する部分でもあるのですが、
両方いかにミックスしていくかということが、大変大事なんです。
なぜ、こんなことを申し上げるかというと、大津は合併、合併、合併で
きたわけですから、そのガバナンスをどうしてるかということを申し上げたいと
思うのですが、まず、商工会議所と商工会、これ昔のまま残っているんですね。
それから観光協会、これもそれぞれにあって横のつながりがない。
じゃ、大津全体で何かをどうしょうかということ、これはやはり弱い、
県の方ではビジターズビューローを作りになって、ある程度上部組織としての
横つなぎをされる、ということがあるのですが、何かにつけて、
先ほどから出ていますが、たくさんありすぎて、かえって目立たない、
何もないのと一緒という話がありましたが、共同して何かをやるってことですね、
そういうパワーを持ってもいいんじゃないかと、大津百町もいいんですけれど、
大津の商店街連盟、20くらいありますかね、これも市域が広いからと
いうことですかね。

何かにつけて連携の大切さ、まずは地域特性も生かしながら一方で
大津全体でどうしていこう、と言うところ、このあたりは行政の方が音頭を
とってやって頂かなければならないと思います、合併する、その後の
一つの責務という風に思っています。

コーディネーター
改めて基調講演の延長ではなく、ご意見を頂戴いたしまして、
何か合併、合併で行政のやり方だけで合併を行い、住んでる住民の皆さん、
またそれをうまく引き付けていくというか、引き付けていくためのガバナンスと
言いますか、そういうつながりとか、それには大変大きなリーダーシップがいる
んではないか、そういうリーダーシップを持つ人を育てていくんだ、また持っている
人がいるのか、と言うところを小林様から、手厳しいお話を大津に承っているのではないか
と思います。





Posted by いとう茂 at 12:43│Comments(0)
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