2015年09月18日

第3回 明日の大津を考える会シンポジウム④

第3回の「明日の大津を考える会シンポジウム」の最終回です。
ようやくテープ起こしも終わります、一度にアップできれば良いのですが
90分分のテープ起こしは大変で、もちろん私にとってですが・・・・・。
得意の人も大勢おいででしょうが、テープを起こしながら改めて
臨場感を味わっているために、余計遅くなります。

コーディネーター
鳥居様にお聞きしたいのですが、現在、大津百町に住まわれていて
株式会社百町物語で、まちづくり三方よしを実践されていますが、
前芝田社長のことを含めてご苦労が多いと思います。
ご要望なり思い入れの中で何かご意見があれば改めてお願いします。

鳥居
大津がこんなだったらどうかな、スケールが小さいのですが、
小さな発見が歩いて愉しい、健康と観光のまち大津というのを
切り口にしてもいいのかなと思います。
先ほど千日回峰行のお話がありましたが、たとえば修験道、修行の道を
あの衣装、衣装を貸して、あの修行僧の姿で歩いていただくようなことも
あってもいいのか、伊賀上野のお城に行きますと、外人さんがお父さんも
お母さんも、子どもも化繊の忍者の衣装を着て、上からかぶって暑いのに
大丈夫かと思うのに、走っているんですね、それを実に愉しそうに
していますから、比叡山をジャージの上下でなくて修験の衣装で歩いてもらう。

大津をあいけん都市、愛健都市としてもらって、住む人が私、もしくは私以上の
人が明るくて元気、大津に来た人がそれを見て、アー、いい所なんだね、
私も引っ越してきたいよ、とか、また来るよ、と思ってもらえるような
大津にできるといいのかなと、大津駅とか浜大津を健康ステーションに
していただいて、まちなか交流館とか構成的なお店を歩いていただく
途中、途中をプラットホームのような仕掛けにして、健康を兼ねて歩いていただく、
駅を降りていただくと1万歩コースがこのコース、2万歩コースも健脚コースもあります。
船に乗って雄琴まで行って戻ってください、健脚コースは三井寺の中の修験の
コースを歩いてもらうとか、湖上コースと組み合わせたり、連泊して歩いてもらう、
しかもそこに学ぶ、温泉とセットするとか、そういうこともありかと思います。

2回目のシンポジウムで針谷さんが、観光こそ地域経済活性化の切り札の産業
ですよ、とおっしゃったのですね、皆さんご存知の方もあるかとおもいますが、
ここへ座らせてもらうのに知識がなかったので調べました、飛騨の高山市、
高山は平成23年4月から、市の行政組織内に海外戦略室を作ったんですね、
なぜかと言ったら、外国人観光客を呼び込むため、27年から
ブランド海外戦略部戦略課に格上げして日本政府の観光局に1名、
香港、パリ日本貿易振興機構にそれぞれ1名を送りました。
それもなぜかと言うと、市町村合併による特例期間が平成27年で終わる、
交付税がどんどん減っていく、平成32年には高山市で50億減る、
50億の行政サービスを減らしてもいいのか、と高山市の人は考えたわけです。
それはできない、では、どこから稼ぐか、高山の外からお金を持ってきてもらおう、
外国の人に来てもらおう、と言うので海外戦略室を作られた。

ですから、先ほどから駅がたくさんあるという話がありました、観光協会も
たくさんあるのでしょう、商店街の振興組合もたくさんあります、
それから、それぞれの地域ですごいことをやっているグループもたくさんある、
誰が一点に集中させて、こっちの方向に進もうと、どこかやってるところありますか、
鳥居も知らん顔していたやろうと言われたら、困るのですが、どうもそのような
まとめるところがないような気がします。

ですから行政と言わずに、どこかに大津の50年先、100年先を方向付けするような、
戦略室をこのシンポジウムの延長線上で作ってくださって、あとで後悔しないような
舵取りをしていただけるといいのと違うかと思います。

コーディネーター
リーダーシップのお話で、責任の範囲とか責任の期間、そこだけを全うするだけで
本当にリーダーシップか、目先のことだけにとらわれずに、中・長期の視野も入れて、
今何をすべきかということも責任として持つのが、リーダーシップの目標ではないか、
と受け止めています。
それでは、次にご要望とかご意見をいただきたいのですが、先ほど女性目線で
お話をいただきましたが、もう少し深掘りをしていただいて、子育てとかワーキングウーマン、
もう一つはワーキングバランス、住んでいるところと働いている立地関係ですとか、
大津支店長という肩書をいただいていることについて大津というのを胸を張って
いえるような肩書きなのか、そのあたりについてもお考えがありましたらお願いします。

藤本
介護とか子育てを抱えている働く場所との立地関係のところとか、駅のところの問題
大津という地名についてということかと思いますけど、まず、立地関係というところから
いきますと、都市型の働き方ができるのが滋賀県、大津市であると思っています。
子どもさんも多いことから、ワーキングマザーにとって何が一番ネックになるかと
言いますと、働く時間なんですね、家を空ける、子どもを置いておく、保育園に
預けるという時に、当社ですと短期間勤務の制度も整えていますが、それでも
当社の女性社員が辞めていくのですね、なぜかと言いますと、家から支店までの
距離が長くて、短時間勤務をしても、通常の勤務と変わらないくらい時間を要する。
そうすると保育園が何時までに迎えに行かないと預けられない、そういったところが
ネックになるということがあります。

最近、保育園は増えてきていますが、その次に起きてくるのが小1の壁というのがありまして、
保育園から小学校に行った1年生の預け先、ワーキングマザーがよく言うのが、保育園の
時より小学校に行った方が、働けないんだということです。
企業人としては、お子さんが小学校に行ったら、もう手が離れるから、こうこれで働ける
だろうと言うんですけれど、意外とワーキングマザーの所の問題は深刻なんだということを
自分がそういう立場になって初めて知りました。
立地関係で言いますと、大阪、京都に働きに行くことはありなんですが、滋賀県の場合は
いろんな企業も来られていまして、働ける場は結構あると思っていました、私は前の部署で
やりたかってできなかったことですが、滋賀県では地方創生の思いがすごく高いというのが、
商工会議所や同友会、ロータリーに出て、すごく感じる所です。
ぜひ、オーナーの方に働き方を柔軟にしていただけると、ワーキングマザーとか、
日本は高齢社会ですが、介護を抱える方がこれから増えてきます、子育てよりも
介護の方が深刻で、これは男性の働き盛りの方も直撃するっていう問題があります。
こういうことを考えると、勤務時間を柔軟にする、そういったことができる会社にする、
実際に男性の社長が育児休暇を3回とっていて、そこは男性の退職率が
下がったという例もあります。

通販の会社ですけれど、昼休みをなくして6時間勤務で3時退社という会社もあります。
そこの会社も子育てと両立がしやすいということです。
そういう柔軟な対応ができる会社が増えてくると、働き方が変わってくる
と思います。
海外では北欧なんかですごくやっていますが、派遣社員でありながら
管理職になることができたりとか、日本では難しいことも、先例などを
作っている所もありますので、ぜひ、都市型の子どもが多い大津だからできる
施策ができるならば、横浜では待機児童0を目指して保育園を作るということが
話題になっていますが、これに匹敵する姿勢を大津が作れるのではないかと
思いますし、そういうことができると大阪や京都に住んでいる人が
滋賀県に住もうとすると消費も増えますし経済も発展します。
それで、まちも活性化しますし、施設も増えていいのではと考えます。

大津支店長という肩書については、大津には何があるのですかということは
東京でもずいぶん言われました、大津には誇れるものは琵琶湖がありまして、
アーそういえば、琵琶湖があるところなんですね、と、言ってつながることが
ありますので、もっとPRすべきだと思います。

コーディネーター
子育て世代の問題ではなくて、小学校に入られた子どもさんを持つ
ワーキングファミリーというのですか、それから実際に子どもが育っていく
まちづくり、一つ一つの問題は解決されていくわけですが、まとまって
それをまちづくりとして本当に機能するもの・・・・・。
藤本様のお話の内容は中西様にも通じることですので、子育て環境とか、
地元で育った子どもたちが地元で勤められる、近い所で仕事ができる、
教育現場の現状と現実にここで行われている施策とかでお困りのこと
ご要望がありましたらお願いします。

中西
ここにお見え頂いている方はほとんどご存知だろうと思いますが、
滋賀県の人口も昨年の10月から減少してきた、という話が出ています。
これは人口問題研究所が国勢調査の数字を基にしての推測でもありますが、
大津市というのは2005年を起点にして、2040年までの人口推計を出されて
いるのですが、0歳から19歳までの人口が2005年に比べて3割ぐらい
落ちてしまいます。
20歳から39歳までの人口も3割ほど落ちます、どんどん若い世代が
少なくなって、子どもを増やす方がどんどん減っていく、逆に75歳以上の
人口は2005年に対して2040年には160%くらいになる。
といわれています。

これは大津市の人口です、急激な高齢化になるということが予測されます。
それがわかっているので2015年を含めて、いまこそまちづくりというものを
将来にわたって見通す中で、先ほど戦略室という言葉が出ていましたけれど、
戦略を立てないといけない時になっていると思います。

高齢化になっていいこともあるでしょうけれど、気になることもあるわけですから、
そこをしっかり分析したうえでやらないといけない、さらには、それぞれの地域の
特性を踏まえたまちづくりを考えないといけない。
戦略室の中で、人と人との関係をよくする仕組みが絶対必要になってくると
思います、自然環境に恵まれ、文化財や伝統にも恵まれいいところがいっぱいある
かもわかりませんけれど、滋賀ならではの人と人との関係をよくする仕組みが
必要なのだろうと思います。
今、滋賀の縁創造実践センターと言うのが県の方でやられてますが、
この考え方と言うのは、妊娠のときにですね、おめでとうと言って、
赤ちゃんが生まれることをみんなで祝福をして、さらに看取られるときには、
ありがとうとみんなから言われる、そんな生涯を送れるような仕組みを
考えられている、まさしく大津の中でもそんな仕組みが必要なのではと思います。
新興地において、人と人との関係をよくする仕組み、高齢の方が多く、
幼い人が少ない地域で人と人との関係をよくする、のが大切なのだと思います。

これは難しいことですが、もう一つ言わせてもらうと地域と言うもののとらえかたも、
それぞれ10人いらっしゃったら10人とも違います。
私は保育園をやらしていただいていますので、保育教育と言うものに
ついて申し上げると、あの保育園はこんなことをがんばっている保育園だとか、
あの幼稚園はこんなところに全力投球している幼稚園だとか、そういった、
それぞれが選べる形のもので、特徴を明らかにした、保育園、幼稚園、
学校づくりが必要であり、それをそれぞれが選択をする。
そういう形のものを大津市は是非やってもらいたいと思います。

コーディネーター
4つ、5つお話がありましたが、もうまとめ切れません、
今、たくさん保育園を作っているが、あと10年もすればそこにお年寄りが
住むようになるかもしれない、そういうことも考えておかないといけない。
子ども仕様の保育園を作るより、10年後にはお年寄りがお使いされるように
直すようなことも考えて作っておかないといけない、そのあたりだけお願いします。

中西
大津市は今年から待機児童がゼロになったと発表されました。
待機児童ゼロは大津市の喫緊の課題でもありましたので、素晴らしいことでもあるかも
知れませんが、現状69の公立と民間の保育園があります。
そのうち三分の一、21くらいの保育園で定員が割れています。
いい、悪いは別の話として実態がそういう話です。
待機児童を減らすために保育園を立てたと言うことはいいことかも知れませんが、
実態はそういう実態になっています。

保育所というところは税金をいただいて運営されているところですので、
今後お子さんが、出生率がずいぶん上がれば別なんでしょうが、
昨年は100万人、ピークは270万人全国で子どもが生まれていましたが、
昨年は100万人ちょっとになりましたよね。
どんどんとそれが落ちていく、合計特殊出生率もがんばったところで、
滋賀県でも2020年くらいに1,8くらいを目指そうと言っておりますが、
なかなか、子どもの数は増えていかない、子どもが減っていく中で
これだけの供給が出てくると言うことは、選択はできるんだろうけど、
別の問題があるんだろうと思います。

逆に言うと、言葉は適切ではありませんが、子どもの奪い合い、
さらには保育士の人材不足による保育士の流動化というのも大きな問題に
なろうかと思いますので、やはり5年。10年、20年、先を見据えた戦略と
言うものが今こそ、まちづくりの大きなポイントにはなっていくんだろうとは
思っています。

コーディネーター
ありがとうございました、それが大津が持っている地域の特性であり、
地理的な特性でもあるというところに結びついていくんだろうと思います。
それでは、小林社長のほうに教育と経済の共生と自立ということで
何かご意見、ご要望、ご苦労がございましたらお願いします。

小林
その前に先ほどの合併の後遺症ではありませんが、私の住んでいる
町内会では、学区が二つに分かれています。
したがって自治連合会には、どっちに入ろうかと議論をしています。
そういうことが、それこそ簡単にできることがやれてないとね、
それも紹介しておきます。

外人が来た時に、やはり泊まるところ食べるところ、ないわけではないのですが、
このこともありきたりですね。
私は湖西に住んでいますから、産業振興ということで申し上げたいのですけれど、
以前、千石台に住んでいる時に、裏に堀場製作所の社長さんがお住まいでした。
今度坂本に堀場さんの工場、600人くらい社員が来られる、通勤どうしょうか
みたいなことおっしゃっていましたが、そういうところができる、研究開発型
企業ですね、我々もそういう会社なんですけれど、結構湖西と言うのは
そういう方とか芸術家とか大学の先生とか、やはり自然環境がこうだから
集まりやすいんですよね。

したがってこれからの産業振興は、必ずしも土地が広くあってショッピングセンターが
できると言うことだけではなしに、ソフト型の企業とかもっともっと産業施策として、
誘致をされたら、そういった方が集まってこられるとおしゃれなレストランが
できたりとか、もちろん良好な住宅ができると、それが一つのまちの誇りに
なっているとか、何から手をつけていいのか分かりませんけど、そういうこと、
一つではなかなかできないと思いますが、風が吹けば桶屋が儲かる式の
そういう流れを作っていく必要があるかなと思います。

コーディネーター
そろそろ時間が近づいているんですけれど、ただ今4名のパネリストの方から、
色々、お話をいただき、その前には基調講演もいただきまして、課題が
出てきています。
多くの課題で短時間にまとめる能力がないのですが、今一番必要なのは、
先を見越したリーダーシップがあるリーダーがいるか、現状を理解して
いただく仲間が一人でも多くいるか、大津の特性、地域の特性、地理的特性を
生かしてまちづくりをしていくために、まず今何をしなければならないか、
と言うところの問題提起だったと思います。
時間が来ましたので閉会のあいさつを発起人代表の河本がごあいさつ
申し上げます。

河本
私は打ち合わせの時から入っていますが、どうなるかとハラハラしながら、
本番を楽しみにしているわけですが、問題点は問題点として皆さんに考えて
もらうわけですが、よくよく考えますと、この問題点の解決を誰がするのか
と言う話になりますが、リーダーシップと言う話が出ました。
過去において、どうも行政に期待しすぎる、頼りすぎている面があるのではないか、
これは、日本の歴史の中で、官尊民卑があるように官がすべてをやってくれる、
そういう考え方が根底にあったから、特に田舎ほどそれが残っていますから。
まちづくりの話も色々あったように聞いていますが、どうもうまくいったためしがない、
これは官に頼っていたからであります。

行政はやってくれることに限界があります。
まちづくりに向かっていい話を、どうして作っていくか、民の力でやっていかないと
いけないと思います。
身銭を切ってでもやってみようという意気が必要だと思います。
大津が遅れを取っているわけですから遅れを取り戻さないと疲弊してしまいます
から、民のパワーでやって生きたいと言うのが私の思いです。
今日はありがとうございました。










Posted by いとう茂 at 12:51│Comments(0)
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