四国遍路⑮

いとう茂

2015年03月27日 14:28


今年も行けるか、予定は未定、霧の中。
行けることを夢見て四国遍路の回想文です。

みなみ旅館で朝食をとり、海部駅までブラブラ歩きます。
昨日の夕食では親子連れが一組いましたが、私が早かったので
朝は一人でした。
川を覗くとボラが群れで泳いでいます、このあたりは水泳場なのか、
他府県ナンバーの車があちこちに駐車しています。

甲浦駅で何人か降りましたがバスに乗るのは私だけでした。
待合室でしばらく座っているとバスがやってきました、
ここから24番最御崎寺まで歩けば1泊2日の行程です、
バスは太平洋を左に見て進みます、途中、見覚えのある
光景がいくつかあり、青年大師像で下車しました。

ここから御厨人窟(みくろど)まで歩きます、ここは空海が
若い頃修行をし悟りを開いた場所といわれています。
洞窟が二つあり片方で生活をしてもう片方で修行をしたと
言うことですが、真っ暗な洞窟は夏でもいくらか涼しく
線香の香りが残っています。

程なく24番の上り口です、南国を思わせる木の葉っぱが
一杯繁っています、かなり急なのぼりですが一度登っているので
様子は分かっています、経験しているということは貴重な
ことだと気付かせてくれます、これが一度だからそう思いますが、
10回とかになると慣れが出て失敗することもあるかもしれません。

威厳がある山門をくぐると広い境内にパラパラと人がいます。
本当は室戸の灯台にも行きたいのですが、歩いていると一歩たりとも
無駄な歩きはしたくない、そう思ってしまいます。
お参りを済ませ御朱印を頂き25番津照寺までは裏口から出ます。
ここは、車遍路の道で駐車場になっています。

九十九折の坂から見る太平洋は高度も高いせいもあり
遠くまで見渡せ、疲れも忘れるくらいです。
右に左に曲がり人や建物がだんだん大きくなります。
25番までは約1時間30分の歩行です、ここも道端の電柱に
遍路マークが貼ってあり地図よりマークを探しながら歩きます。

25番の手前に銀行がありました、実は太龍寺に上る途中で
汗をかきすぎて財布がドボドボになり1万円札が真っ黒になりました。
銀行で両替機に入れても識別しません、窓口に行き事なきを
得ましたが、使うに使えない1万円札が3枚。
銀行員は一目見ただけで真券かわかるようです。

もう100Mほどで到着します。