落差

いとう茂

2016年07月10日 19:56


普段、日常生活で見ている顔と違う顔を見た時に人間の
魅力を感じることがあります。
いつもはヘラヘラしてか細い感じの人が、バスケットをしている時は、
大声でチームを引っ張っている、会議や仕事はテキパキ処理する人が
お酒が入ると子どもがえりして陽気に笑い出す。
どちらかが仮面をかぶった人だということではなく、陰と陽、明と暗、
こうした差は誰にでもあると思います。

禁酒をして8か月が過ぎましたが、酒席に出ることはあります、
酔いが回ると饒舌になる人だと知っていても、こちらも酔って
いましたから、それほど気にならなかったことが、こちらが素面だと
かなり気になることになっているのに気が付くことがあります。
素面の時と酔った時の落差を魅力的だと感じさせる人は
案外少ないように思います。
憂さ晴らしもあって飲んでいるからかどうかわかりませんが、
自分もこんなこともあったんだろうと思うと冷や汗と反省しか
ありません、多くの方にご迷惑をおかけしたのだろう、
許していただいた懐の深さに感謝です。

落差がある人に魅力を感じることがありますが、いつも同じ
切り口の人にも魅力を感じる人とそうでない人がいます。
好き嫌いという分け方ではなく、いつも同じ切り口の人には
安心感があります、気分屋はその日の顔つきを見たり
話す調子で気分がいいか悪いかを判断しなければならず、
こちらも疲れる部分があります。

切り口が同じで安心感、それは褒め言葉で温厚であるということと
私になかでは同義語です。
落差があって魅力的な人に憧れたりしますが、いつも同じ切り口で
接してくれる人にも魅力を感じます。
どちらのタイプがいいかは個人差があるでしょうが、一見退屈そうな
切り口が同じ人に惹かれます。
いつも穏やかで優しい笑みを浮かべて生きられたら、周囲の人も
安心するでしょうし、敵も少ないでしょう。

それができないから惹かれるのかもしれません。
誰かの言葉だと思いますが、正確には記憶していません、自分の
周りの人がすべて師だと思えば謙虚になれる。
そんな意味でした、同じ切り口が謙虚かどうかは別にして、
私などは謙虚ということをまずは心がけて、落差の魅力よりも
同じ切り口の安心感、そちらの道を選択するのが正解の
ように感じます、できるかどうかは別ですが、自己実現像の
「ホッとするおっちゃん」を目指すには・・・・・・・。