お盆休み

いとう茂

2016年08月17日 22:41


今年もお盆休みが終わり日常に戻りつつあります。
遠くまで出かけた人もあれば故郷の親元に帰省した
家族もあるでしょう。
この街で生まれてこの街で育った人間にとっては、
帰るべき故郷はありません。
このことが普段はありがたいのですが、年末年始や
お盆になると少しうらやましくなります。
ただ、友人のほとんどがこの街を離れていますので、
誰か基点となって残らないと、友人が帰る場所が
冷えてしまう気がします。

その役を自分が引き受けなくてもいいのですが、故郷に
帰ったらあいつがいると思ってもらえるだけでも、
嬉しい気持ちになります。

お盆はいつからお盆なのか、本来は7月なのでしょうが、
関西では8月になっています。
迎え火が13日ころで送り火が17日ころ、その間をお盆と
呼んでいるのだと思います。
5日くらいをお盆休みというのでしょうか、過ぎてしまえば
あっという間の5日ですが、始まるまでに今年の予定を
考えたり、故郷の親と連絡を取ったり、それなりに楽しい時間
だと思います。

世の中には帰るべき故郷のない人や故郷はあっても
様々な事情で帰省できない人も多くいます。
盆(ぼん)と正月が一緒に来たよう、という言葉があります。
うれしいことが重なること、と非常に忙しいことを意味していますが、
通常はうれしいことのたとえに使われます。
そのお盆や正月にどこにも行くところがない、待っている人がいない、
そんな人を思うときに、私はなんて贅沢な時間を過ごして
いるんだろう、そんな気持ちになります。

出かけて疲れて帰った人も多いでしょうが、それぞれのお盆が
どんな時間だったのか、世の中で忘れてはいけないことは
感謝と反省。