朝の風景③
緑のお爺さんも5年目に入り、早起きも習慣になり、
それほど苦にならなくなりました。
毎朝ほぼ同じ時間に家を出ますので、駅に向かう人、
駅から歩いてくる人は、それほど顔ぶれが変わりませんし、
自転車通学の高校生もほぼ同じです。
人だけでなく自動車も時間がずれることはあっても、毎日
通っていきます。
4つ辻の交差点ですので、この車は直進、これは左折、
そうしたことも頭に入っています。
メインは小中学生の見守りと通行の安全ですので、騒ぎながら
通る子、マイペースで通学する子、待ち合わせて行く子、
そして、いつも遅れていく子、当然気になるのは遅れて行く子で、
もう一人の緑のお爺さんと、今日は来ませんね、今日は早いね、
そんな会話をしながら待ったり、見送ったり。
それと、止まってや、早く渡ろう、大きな声を出していますが、
聞いていない子ども、子どもの方を見て止めていないと、車が
そこまで来ているのに前だけ見て渡ろうとします。
グループで登校している子どもの中の一人か二人ですが、
耳には届いていても脳からの指令が出ないのか、急ブレーキで
止まる車もあり、子ども以上にこちらがヒヤリとする瞬間が、
2か月に一度くらいはあります。
子どもは話に夢中だから仕方がない、その分だけこちらが注意を
怠らずにいようと思いますが、大人の中にもそうした人がいます。
前から歩いてくる人の前に立って両手を横に広げていても、
知らん顔で渡ろうとします、道路交通法やほかの法律に照らしても
緑のお爺さんの権限は明記されていないと思います。
車を止める権利も通行している人を止める権利もないのだと
思いますが、どちらも安全に気持ちよく通ってほしいそんな思いで
毎朝立っています。
勝手にやっているというのが正しい理解かもしれません。
そんな毎日ですが、先週はずっと遅れて登校していたのか、
顔を見なかった子どもが、今週は異常に早く登校していました。
今朝も、7時20分に登校です、「早いな、何時に起きた」
「5時」「早起きしたんやな」「夕べ早く寝たから」「何時に寝たんや」
「7時」「えらい、早いなテレビは見なかったのか」「うん」「弟は」
「まだ寝てる、あんな、昨日な弟の大人の歯が折れてん」
「大人の歯?子どもの歯やろ」「違うで、大人の歯、前のここが折れてん」
そんな会話をしていました。
孫の年代ですので親近感もありますし、心配もあります。
月曜日からも元気に早い時間に通学しますように、そして、
前歯が折れた弟も一緒に通学しますように・・・・・。
緑のお爺さんのささやかな願いです。