新しいご縁
新しいご縁と言っても、実際にお会いしたわけではありません。
石川洋さんの本の中での話です、かとうみちこさんという方で、
子どもの頃は大変活発な少女だったそうです。
それが、思春期になりダイエットが原因で薬中毒になり、
その後過食症さらに拒食症、その結果、16歳の時
「無腐性壊死」という難病になられました。
この病気は細胞が死んでしまい、骨が腐るという病気で、
20歳の時には、体重22キロ、血圧も上が60、下が30という
危険な状態になりますが、輸血とステロイドによって、
一命を取りとめます。
こんな状態ですので、生きる気力なく、こんな体になったことを
呪い、周囲を責め、毎日が地獄だったということです。
28歳の時に、「東京情勢判断学会」主催の会合に出かけたことが
人生の転機になります。
ここで、彼女は会の代表の城野宏さんという方を紹介されます。
城野さんは、彼女に近づき、「目は見えるの?」 「あ!はい見えます」
「耳は聞こえるの?」 「き、聞こえます」
「言葉はちゃんとしゃべれるの?」 「はい」
「両手を閉じたり開いたりしてごらん」
彼女が手を閉じたり開いたりすると、「なーんだ、手もちゃんと
動くじゃないか。心配いらないよ、君の身体の90%は正常だよ!」
この言葉で彼女に大きな気づきが生まれます。
トイレに駆け込み、鏡に写る自分の姿を見つめました。
「あっ、本当だ!手も足も動くじゃない。目も見えるし、耳も聞こえる。
言葉だってちゃんとしゃべれる。そうなんだ、私の身体は90%も
正常なんだ」
「病んでいる10%を見て悲しむのではなく、正常な90%を見て
しっかりと生きていくんだよ」と、城野さんに教えてもらったのです。
その後、かとうさんは、司会業やナレーターの仕事をしながら
何事にも前向きに生きていくのですが、彼女のことがマスコミで
取り上げられ、司会業を続けながら学校関係や福祉関係、
講演、詩集や著書を通して、多くの人々に生きる勇気と感動を
与えています。
昭和24年生まれという事ですから、今年古希を迎えられ、
現在はどうしておられるのか分かりませんが、野に遺賢あり、
そんな感じを受けました。
彼女の詩集に収められている詩です。
「しあわせのかくしあじ」
からいお塩は
おいしい おしるこのかくしあじ
からい くるしみ かなしみ
そして わかれ
みいんな しあわせのかくしあじ
ひとふり ふたふり
ほら!
しあわせが とっても
おいしくなったでしょ・・・・・・