こどもたちの”今”を知る公開講座

いとう茂

2019年11月17日 20:49


昨日は県庁で、「こどもたちの”今”を知る公開講座」の
3回目が開催されました。
チャイルドラインの電話の受け手を養成する講座で、2年程前にも
開催され、その時も参加しました。
講座の内容は違っていますし、主催のカズンの代表の女性とは
2004年から3年ほど、おおつ男性会議から近江八幡市の
滋賀県立男女共同参画センターのGネットフェスタの実行委員として
出向している時に、名刺交換して以来のおつきあいです。
NPO法人のカズンも大津市を中心に活動されており、
居場所のない子どもや幼児から子どもの健やかな成長を
支援する活動を続けられており、えこ~の姉御格の存在です。

一般社団法人の立ち上げについてもうかがって、NPO法人に
ついて意見を求めました、「まずは、一般社団法人からやってみては」
その言葉が背中を押してくれました。
午前中は近江八幡市を中心に外国人の子どもたちの支援をしている
女性の話でした。
英語なら一つの言い方で理解しやすいが、日本語だと足し算の問題でも
5-3=は「いくつですか」「あわせていくつですか」「みんなでいくつですか」
と非常にわかりづらい、そんな話もあり、慣れているものならそんなことか、
それで終わりますが、外国人の子どもたちには日本語の意味が分からない、
そのことも理解しました。
滋賀県で日本語の指導が必要な子どもは、小中学校合わせて1400名ほど
いますが、日本国籍を持っているのは1割足らずで、日本で生活していくうえで
勉強よりも、日常生活が言葉の壁でうまく遅れない子どもが多くいることを
知りました。
二人一組で言葉を発しないでのゲームもありました。
一人が医者でもう一人が患者役になります、患者には設問が配られ医者は
状況を知りません、「昨日13時にお昼ご飯を食べた後に、激しい下痢に
襲われ、さらに嘔吐を繰り返しています。今朝起きたときは38度の熱もあり、
体全体にだるい感じがしました。最近は大きなケガや病気をしたことがなく、
病院に来るのは交通事故で骨折をした小学生2年以来です」
これを制限時間5分で身振りだけで伝えます。
簡単にコミュニケーションと言うけれど、実際には言葉が通じなければ
ほとんど伝わらないことと、国際社会の中で多くの日本人は
国際社会の意味をどのように理解しているのか・・・・・も考えさせられました。

午後からは神戸少年鑑別所の心理技官から講演をいただきました。
その中で、関心を持ったのがメンタライジング、初めて聞く言葉でした。
簡単な定義は、心で心を思うこと、自己と他者の精神状態に注意を
向けること、誤解を理解すること、自分自身をその外側から眺めること。
きわめて抽象的です、家に帰ってネットで調べると「 他者lこ心的状態を
認めたり、その状態を推論したりすることをメンタライジングという。
メンタライジングは、人が円滑な社会的生活を営む上で重要な能力となる。
メンタライジングの萌芽は、乳児期初期の社会的知覚だと考えられる。
すなわち、ヒトの持つ特有な刺激に対する選好に始まり、母子関係に
代表される二項関係、さらに第三者もしくは対象物を含む三項関係の成立、
そして他者の誤信念を理解する「心の理論」の成立へと続く。」
もっとわかりづらいのですが、非行に走る少年には、振り返り能力や
洞察、共感ができない、考え過ぎるなどの特徴があり、これらはメンタライジング
能力の機能不全が原因だと考えられ、機能が十分働いている人は
周囲に安全、安心を与えられるということでした。
全体像はぼんやりですが・・・・・なんか面白そう、もうちょっと独学です。

ひきこもりから生活困窮、不登校、摂食障害・・・・・様々な研修に参加して
知識の吸収に努めていますが、これが知識レベルで終わらないよう、
実際の相談で生かせる域に昇華させたいと思います。