人の見る目②
ひきこもり、不登校、問題行動等の相談窓口の
「えこー」を開設してから6月で3年になります。
ボランティアの相談窓口は3年前も今もえこーだけではないかと
思いますが、友人、知人を含めた周囲の人がえこーの活動を
している私を見て様々なことを言ってくれます。
時にはムッとする言葉もありますが、それも「これは励ましの言葉」
素直でない人だからこんな言い方しかできないんだ。
と、プラス思考でやってきました。
知人との会話の続きです、前回は知人が病院に行けばと話した
所まででした。
「病院に行けば診断で障害があるかどうかがわかるんやけど、これが
結構難しいことなんや。
親は自分の子どもに障害があるとは考えたくないし、世間体もあるから
なかなかその方向に行かないよ。
たとえ親が病院と思っても子どもが成人していれば、本人の意思が優先
やからね、本人も自分に障害があるとは考えていないことが多いし、
それに家から出られない子どもがいきなり病院に行くとは
考えられないよ、家で暴れてどうしようもなくて警察が介入したとか
やったら強制的に病院に行くこともあるけど、外に出ない、話さない、
昼夜逆転していてパソコンやスマホでゲームばっかりやってる、
風呂に半年も入らない、着替えもせず夏も冬も同じ服を着てる
それでは強制的に病院に連れていけないしね」
「着替えをせんかったり風呂に入らなかったら臭いやろ」
「臭いんやろうけど案外本人は臭いという感覚はないみたいで、
周囲の人が臭い、臭いって感じみたいやで。
2年とか3年風呂に入っていないという話は聞くことがあるし、
3か月くらいはよくあるわ」
「そんなに風呂に入らへんかったら体や頭がかゆくならへんのかな」
「そのあたりは本人がどう感じてるかやけど、散髪もほとんど行かない
ことが多いし、自分で切る人もいるけど、まだそれはいいほうやと思うよ。」
「食事はどうしてるの、自分で作るのか」
「家族が作る場合がほとんどやけど、一緒に食べるケースは少ないかな、
部屋の前まで運ぶ人もいれば、台所に置いておく人もいるし、まちまちやな」
「冬やったら暖かいものが多くなるやろうけど冷めてしまうやんか」
「冷めることもあるやろうし、麺類やったら伸びてしまうこともあるやろな、
家族が台所にいると食事をしない人が多いかな、家族は気を使って
自分の部屋に入ったり、外出したりしてる場合が多いかな」
「そんなことしてて社会に戻れるのか、親もだんだん年いくし、いつまでも
子どもの世話ができひんやろ」
「親にしてみれば、それが大きな問題やな、貯えがいっぱいあれば
その心配も少なくなるけど、そんな家庭は少ないしね。
ただな、本人もこのままではアカンと思ってる場合が多いのと、何とか
しようと考えてることも事実なんや。
寒い冬の朝に布団から出にくい感覚に近いかも知れんな、いっぱい
迷惑をかけていることも分かってる人も多いようやけど、自分で自分を
コントロールできないんやろな、何とかしょうと決心して動き出すまでに
1年半かかったっていう人もいるしね」
「それでも動き出したんやな、よかったやんか」
「そうやな、ただ一般の人が思うような動きはできないけどね、それでも
ひきこもりから少しずつ抜けようとしてるよ。でもなぁ、何か大きな
衝撃があると、すぐに戻ってしまう場合が多いんやわ、そうならないための
支援は民間では限界があるし、かといって行政にしても対費用効果を
考えるから先の見通しが立ちにくい長期の支援は難しいと思うよ」
まだまだ話は続きました、ひきこもり、不登校への理解は私を含めて
不十分であることを話をしていて痛感しました。