山に躓かずして垤に躓く

いとう茂

2021年05月14日 15:30

山に躓(つまず)かずして垤(てつ)に躓く、
大きな事業や仕事は注意するので失敗は少ないが、普段の小さな
事になると、つい油断して失敗しがちだという意味ですが、
垤はあまり見ない漢字ですが蟻塚のことです。
人は山につまずかず 路傍の石につまずく。
こちらのほうが分かりやすいかもしれませんし、普段頭の中で浮かんでくる
ことわざもこちらの方です。
思い当たることがありましたので、このことわざが浮かんだ次第です。

な~んだ、そんなことか、と思う方もあるかも知れませんが、自分では
何かの警鐘だととらえています。
先月の末に同年代の男性と一緒に歩く機会がありました。
歩くといってもウォーキングや散歩と違い建物の中です。
4階にいたのですが1階の事務所に用事があり、二人で階段を下りて
1階まで行きました。
何でもない風景ですが、同年代の男性は手すりを持って階段を
下りています。
私はと言うと階段の中央を下りていました、その時に「同い年なのに
慎重なのか足腰が弱っているのか」そんなことを思っていました。
これが伏線です。

自分でも最近歩く時につま先が上がっていないなぁ、とは感じていました。
それでも意識せずに同じ歩き方をしていました。
それが昨日、床の小さな起伏につま先が引っかかり転ぶまではいかなかった
のですが、前のめりになってしまいました。
同い年の男性のことを言っている場合ではないわ、自分も大差ないやん。
実際につまずくことの例ですが、床の起伏ではなく日常の判断で
つまずいていたのに気がついていないことはなかったか。
昨日のつまずきがさらなる伏線になりましたが、喉元過ぎれば・・・・・。

相変わらず手すりに頼らず階段の中央を下りている自分の姿があります。
自分の姿は自分では見えません、ここは一度遠くに自分を置いて望遠で
改めて自分の日常を振り返る必要がありそうです。