面談者たち
放っておけない、そこがスタート地点のえこーです。
始める以上は途中でやめられない、その覚悟を持って始めました。
えこーには様々な相談者が面談に来ます。
次に来る予定の面談者は、かれこれ3年近く面談に来ています。
毎日何度も同じ文面のメールが来る、1週間に2・3度コピーの
同じ手紙が来ますし、そのことをやめるように言っても直りません。
何らかの障害があることは関係している支援機関の人たちも
分かっているのですが、本人が成人している以上は
親も医師の診察を受けることを強制はできませんし、
こちらも親に相談もできません。
親が子どものことをどう考えているのか、
家でどんな会話をしているのかも霧の中です。
家族構成はわかっていますが、家族との関係は情報がありません。
面談者の行動についても半分程度も把握ができておらず、
アドバイスをしたいと思っても実情が分からない以上、
的確なアドバイスも行えません。
3年近くたってもこの程度の情報しかないのは、
相談者が話さないからで、こちらが質問をしないと口を開きません。
もともとひきこもりでも不登校でもなく、問題行動が
あるわけでもないので、えこーで相談を受けなくてもいいのですが、
行くところが場違いな集まりばかりで、他に行くところがなく、
えこーに来るのを楽しみにしているようなのでこれだけの
月日が経過しました。
この面談者については、行政を含む支援者の会議に
出席することもありますが、
えこーが一番多くの情報を持っている状態で、
それなりに話を聞きだしているのかと・・・・・。
本人は何に困っているのかが分らないのかも知れない、
えこーのスタッフ会議の結論ですが、居場所として
月に一度利用するのもえこーとしては拒んでいませんし、
本人が次の面談日は大丈夫、と何度もメールを送ってきます。
本来は、えこーでなくもっと違う相談窓口に行くべきなのでしょうが・・・・・。
次の面談では何を聞こうか、聞いても的確なことは
返ってこないだろう、そんなスタッフのやり取りもありますが、
こちらが黙っていては面談者も自分から口を開きませんので
お通夜になってしまいます。
核心に触れる話になると本当に居眠りが始まります。
スタッフ会議でも、「これを聞いてもいいかな」、
「聞いてもいいけど居眠りが始まるか、黙ってこちらを
見ているだけと違うかな」
そんな会話が何度もあります。
困っていることが分からない、本人は困っていると思っていない、
この人もえこーに来る相談者の一人です。
来る人は歓迎する、そこで寄り添えることを考える、
えこーが切ってしまえばこの面談者は誰にもどこにも
口を開かないのではないか、そんなことが気になります。