久しぶりの警備員さん
この前、久しぶりに知り合いの会社にえこーの冊子を持っていきました。
それなりの規模の会社の社長ですから、
いつでも時間があるというわけではありません。
事前に電話を入れて受付に預けておくことで了解がとれていましたので、
受付にお願いして退散です。
玄関を出て駐車場の方に歩いて行くと、
警備員さんがこちらを見て笑みを浮かべていました。
これはちょっとお邪魔してもいいということか・・・・。
「ご無沙汰しています、伊藤です」
「ああ、伊藤さんお久しぶりです、お元気でしたか」
「まあ何とかやっています、お金にはならない事ばかりですが」
「相談窓口の仕事は大変でしょうね」
「始めた以上は途中でやめられませんし、何とかしてあげたいという気持ちでやってますわ」
「えらいですね、私は最近この職場をやめようか考えているんです」
いつも笑顔で接してくれていた警備員さんが真顔で話すので、
こちらも心配になって「仕事がきついのですか、お互いに前期高齢者です、
あまり無理はしない方がいいですよ」
「いえ、仕事がきついのではなくて夜勤に入っている警備員が、
手抜きと言うかズボラと言うのか仕事に対する責任が感じられなくて、
こちらまでモチベーションが上がらずに嫌になっているんです。
仕事そのものには不満がないのですが、もう少しマシな警備員がいないのかと、
そちらの方ですわ」
「そうですか、でも夜勤と日勤ならそれほど長い時間は一緒にならないのですね」
「それはそうなんですが、昼間に夜勤への申し送り事項をノートに
書いておくのですがそれを読んでいなかったり、
詰所の掃除もいい加減でこちらが言わないと掃除もしません。
社員の通用門も私が来る前に閉めることになっているのですが、
それも忘れていて総務の方からクレームが来ていますし、
ほかにもいくつかクレームが来ているんです。
夜勤の警備が出勤する時間には総務は帰っていませんから、
クレームはすべて日勤に来るんです」
「それは大変ですね、警備会社の方に言って再教育とかの方法はとれないんですか」
「言ってはいるんですが全く対応してくれません、
だからここをやめようかと考えているんです。
クレームも右から左に聞き流していればいいんですけどね」
「苦労が絶えないということですね、でも、おやめになったら私は寂しいですわ」
「ありがとうございます、その言葉を支えにもう少し続けてみるか考えてみますわ、
私も伊藤さんとお出会いするのが楽しみですから」
「こちらが励まされてるみたいですね」
その場は二人で大笑いしてお開きでした、次に行った時にはどうなっているのか・・・です。