ひきこもりから抜けられなくても

いとう茂

2022年09月06日 15:28

えこーでは現在20件余りの相談を受けています。
限られたスタッフで時間をやりくりしての対応です。
その中で、ひきこもりについての相談が一番多く、一進一退・・・
時には一進三退のこともあり、
家族と当事者の苦しい生活の先に光が見えないことも多くあります。
それでも、何組かに幾筋かの光も見えてきました。
発達障害を家族も当事者も受け入れて精神科などの門を叩いて、
年金受給が決まった当事者もいます。
受給額では生活ができませんが、家族にすれば自分たちが亡くなった後に、
子どもはどうして生きていくのだろうという不安が減り、
少なからず見通しが立つようになり、金銭的な安心感と年金の受給で
公的な支援機関と継続したつながりができた、
という精神的な安心感が生まれました。
家族がそうした話をえこーの家族会で話をして、
それを聞いたほかの相談者も自分の所もと、思うようになったのが大きな収穫です。
もちろん、そこまで行かない当事者も多くいますので、課題は山積です。
この前の面談でも、子どもからお金が底を尽きかけている、
そんな話をしてきたと話題提供がありました。
ほとんど会話のない家族が話すことが出来た。
これはチャンスです、お金のことで家族との会話も増えてきたということですので、
当事者が半分諦めていた支援機関とつながり、
社会資源が活用できるか考えてみましょうということになり、
現在の当事者の状況をもう少し詳しく聞いてもらうのと、
その際には就労のためではなく、これからの生き方について
どんな方法が一番いいかを考えるためだと話して欲しいと助言し、
えこーのスタッフも支援機関に同行するので、
その前にえこーで詳しい話を当事者から聞かせてくれるように、家族にお願いしました。
この当事者は自分欲しいものは買いに行けるのと、
専門の医療機関につながっていますので、
もう一歩踏み出すことができれば社会資源の活用に手が届くと思います。
家族も高齢で当事者もそこそこの年齢ですので、
継続した収入が見込めれば精神的にも安定して、
家庭の中も平穏になると思います。
是非とも公的な支援機関につなげたい・・・えこーの宿題です。
ひきこもりから抜けられなくても、生きていかなければなりません、
親が支えてくれている間は大丈夫ですが、
親亡き後は自分で生きていくことになります、
場合によっては成年後見人や補佐人のお世話になることも考えられます。
そうした時のためにも公的な支援機関とつながっておく必要があります。