ちょっと見えてきました
今年は10月になっても暑い日が続き、
毎年紅葉して落葉の時期を迎えるケヤキが、
もしかすると常緑樹かと勘違いするほど、緑の葉を茂らせていました。
10月が過ぎて11月になっても紅に染まらずにいたのが、
急に寒くなり十分紅葉しないまま散りかけました。
帳尻を合わせているなと見ていると、
ここ1週間ほどで半分以上枝が見えてきました。
私が好きな裸木の季節です、てっぺんの細い枝が見えるようになり、
これから下に向かって葉がなくなっていきます。
コンビニの駐車場で、裸木を眺めながらぼんやりする季節が、
もうすぐやって来ます。
ここには3本のケヤキがあり、樹形もそれぞれ異なりますので、
見ていても飽きることがありません。
難点は木が高いのと建物の裏にあることで、近づいてみることができないことです。
それでも桜とは違う趣きがあり、裸木は桜よりもケヤキに軍配が上がります。
このケヤキに勝る木はモミジです、ケヤキよりももっと細い枝で、
爪楊枝の半分以下の太さしかありませんが、私の中ではNO1の裸木です。
よくもまあ、あれだけ細い枝に多くの葉をつけて折れないものだと感心します。
人生を青春、朱夏、白秋、玄冬、と分けることがありますが、
1年のサイクルですと裸木は玄冬に当たるのでしょう。
枝ぶりや樹木の太さはそれぞれ違いますが、裸木には木の個性があります。
人間も玄冬を迎えた時に、それぞれが生きてきた道や成果は違っても、
精一杯生きてきたと胸を張れるような裸木であるなら、
自分の人生を生き切ったことになると考えます。