高校受験

いとう茂

2024年02月23日 14:33


私学の高校では合格発表が終わっているところもありますが、公立の高校は3月が入試で受験生は一番苦しい時期になっています。
半世紀以上前を振り返ると・・・受験勉強なんてやってたかなぁ・・・。
クラブは夏の大会が最後でしたから、授業が終わると友人たちと歩いて帰り、帰りにお好み焼きを食べに店に寄ったりしていました。
家に帰ると炬燵にもぐりこんで、テレビを見ながらうとうとして夕食・・・、夜になっても試験勉強はせずにいると親から「勉強しなさい」。
それを聞くのが嫌で自室にこもってラジオを聞いていた記憶しかありません。
父親からは小学校の時から「大学に行くなら東大か京大、それ以外は行かさない高校は大商に行け」と言われていました。
できる子どもならサラリーマン、できない子どもは商売、そんな色分けをされていたのだと思います。
選択肢がほぼない状態の中学生が当時は大勢いました。
私学の受験も公立高校のすべり止めがほとんどで、他には受験したことがない同級生ばかりでした。
進路は目の前の高校だけ、その先にどんな人生を歩むかは親が敷いたレールに乗るだけでした。
親が商売をしている同級生も何人かいましたが、高校を出て家業を手伝い、継いだもののほとんどが廃業して転職していきました。
親が敷いたレールを恨んでも、乗ったのは自分ですから天に唾です。
ただ、ほとんど勉強をしなくて入学した高校は、自分にとっては楽しい3年間を過ごせた場所でした。
毎日、毎日クラブで走ってばかりでしたが、大学受験もなく先のことを考えずにクラブに没頭できましたし、友人も気の置けない人間が多く、現在も何人かと交流があることを嬉しく感じています。
毒にも薬にもない友人ばかりですが、それが安心できる大きな要因です。
これから高校受験をする子どもたちは、50年後にどんな人生を送っているのか、人生いたるところに青山ありです。
活躍できる場所も骨を埋める場所も数えきれないくらいあると思います、いい春が来て自分だけの人生を生ききってほしいと願います。