4月のえこステより

いとう茂

2024年05月01日 16:13


4月のえこステは7名の参加でした。
ひきこもり当事者の状態はそれぞれ違います、親との会話がないだけでなく顔も会わさない当事者から、少しずつ社会参加が進んでいる当事者までいます。
家庭内での暴力もあれば暴言や大声を出す当事者もいますし、昼夜逆転の当事者もかなりいます。
多種多様なのは当事者だけでなく親もそうです。
何とか就労してほしいと思っている親もいますし、週に何回か作業所に通所して、人と接する機会と子どもの居場所を求めている親もいます。
そんな親の中で子どもと根競べをした親の話です。
暴力や暴言はありませんが、思うようにならないと家庭内の物に当たる当事者はたくさんいます。
暴言と物に当たる行為はそれほど差がないように考えています、親に言えないから物に当たることが多い気がします。
根競べの親の家庭は、子どもが炊飯器のコードを切ってしまいご飯が炊けない状態で、オーブントースターも叩いて壊してしまいました。
ご飯が炊けないので弁当か冷凍のご飯を買ってきてレンジで温め、パンは焼かずにそのままマーガリンを塗って食べる生活が、半年は続いたと思います。
炊飯器もオーブントースターも使えませんが、捨てずにそのまま台所に置いてあったようです。
子どもが目にして反省をしてくれたら、そんな願いがあったのかも知れません。
先月に子どもからローンで払うから炊飯器を買い替えて欲しいと申し入れがありました。
子どもには毎月定額の小遣いをあげていますので、そこから炊飯器のローン分を差し引いて渡しているということでした。
時間はかかりますが、子どもも自分が使うものは壊してはいけないことに気づいたのでしょう。
成人していて知的な問題は無い子どもですが、むしゃくしゃする気持ちを目の前にあるものにぶつけてしまう。
何かに当たることはこれからもあるでしょうが、生活に必要な物に当たることは減ると思います。
ちなみに壁はボコボコだそうですが、冬場に風が入って来て寒くてたまらなくなれば、親にローンの申し入れがあるかも知れません。
それにしても黙って親もよく辛抱したと思います、えこステの参加者からも拍手でした。