イソップ物語から⑬
さぁ、今日から2日間、そして10月が始まります。
教育厚生の委員会は、決算額も多く、委員からも
質問が多いと思います。
長い2日間になりそうですが、実りの多い2日間に
なるよう、コツコツ・・・・です。
イソップ物語から⑫
「ずるいキツネ」
にひきのネコが、ごちそうのとりあいをしています。
「これ、わたしがみつけたから わたしのよ」
「ちがうわ。わたしのほうがさきにみつけたの。わたしがたべるのよ。」
「いや、わたしのほうがさきよ。こっちにちょうだい。」
「やるもんですか。」
にひきのネコはにらみあいっこ。
ごちそうをつかんだまま はなしません。
とおりかかった きつね が、あしをとめました。
きつねは、ねこのあいだにわりこみました。
「きみたち、なにをさわいでいるんだね」
「あのね、きつねさん。この こ ったら、
わたしがみつけたごちそうを よこどりしようとするんだよ」
「ちがうよ。これは、わたしがさきにみつけたんだ。」
「わかった、わかった。ぼくがきちんとはんぶんにわけて
あげよう。もう けんかはやめて、はかりをもってきなさい。」
きつねは、ごちそうを ふたつにして、はかりにかけました。
「あれ、みぎのほうがおもいぞ。」
みぎのほうを すこし ちぎってたべました。
「こんどは、ひだりがおもいや」
ひだりのほうも、すこし ちぎって たべました。
「なんだ、みぎが おもく なったぞ。」
みぎをちぎって たべました。
「これじゃ、みぎがかるすぎる。」
ひだりをちぎってたべました。
きつねは、はかりに かけながら、みぎとひだりのごちそうを、
かわりばんこに ちぎって たべました。
にひきの ねこは、めを まるくして、みていましたが、
はかりのうえの ごちそうは、まめつぶほどに なりました。
「これじゃ、しようが ないね。ぼくが、かたづけてあげよう。」
きつねは、ごちそうを きれいにたいらげて、
「あぁ、うまかった。」と いってしまいました。
なんて ずるい きつねでしょう。
「わたしたち、けんかなんか しないで、なかよくわけて たべれば よかったね。」
にひきの ねこは、こっくりしました。
けんかは、もう こりごりでした。
誰とは特定しませんが、こんな人間は時々いるような・・・・。
「狼と鶴」
一ぴきの狼が、つかまえたうさぎをモリモリたべているうちに、
ひょいと骨をのどに、ひっかけてしまいました。
狼はくるしがって、森中をかけまわりながら、
「この骨をぬいてくれた者には、うんとたくさんのおれいをする。」
と、申しました。 すると一羽の鶴が、おれいをもらいたかったので、
「では私がぬいてあげましょう。」 と、云って、そのながいくちばしを、
狼の口のなかへつっこんで、うまく骨をぬきとってやりました。
そこで鶴は、 「さあ狼さん、やくそくのおれいを下さい。」 と、
申しますと、やれやれとのどをさすっていた狼は、急に目をむいて、
「何だと、もう一度云ってみろ、この欲ばりめ、
きさまはおれの口の中から、無事にそのくちばしをあげられたことを、
この上もないおれいだ、とおもわないのか、
さっさとにげないと、かみころすぞ。」 と、おどしつけました。
これは、怖いと知りながらお礼につられた鶴が悪いのか、
わらをもつかむ思いで、口から出まかせを言った狼が悪いのか。
これが日本なら、鶴ではなくサギだったのでしょうか・・・・