イソップ物語より⑲
「イノシシとキツネ」
ある春の晴れた日の昼下がり、イノシシが
木の側でキバを研いでいました。
それを見たキツネはイノシシにこう言いました。
「イノシシ君。キミはこんな穏やかな日に
どうしてキバなんか研いでいるんだい?
この辺には、猟師もいなければ、キミを襲おうと
する危険な敵だっていやしない。
日向ぼっこでもして、のんびり過ごしたらどうなんだい?」
するとイノシシはキツネに次のように返答したのでした。
「危険にさらされたときにキバを研いでいるようじゃ、
遅いんだよ。
普段から準備をして危険に備えることも大切なのさ」
アリとキリギリス、イソップではアリとセミですが、
夏場にせっせと餌を集めるアリをバカにして
遊んでいて冬になった時に困るキリギリスの話ですが、
備えあれば憂いなし。
この手の話は切り口を変えてどこでもあります。
どこにでもあるということは、それだけ事例が多いとも
解釈できますし、わかっていてもできない自分がいるのも事実です。
こういう話に背中を押されるたびに、そうだ!と思うのですが
喉元過ぎれば、何とかで・・・・・。
戒めのためにもう一話。
「イヌの家」
ある冬の日、イヌが体を丸め、
ちぢこまって寒さに耐えていました。そこでイヌは
「こう寒くてはかなわない。北風や雪を防ぐために、
自分で家を作ろう」
と考えました。しかし、家を作るには設計図を作成したり、
材料を集めねばならず、大変な苦労なので、
延ばし延ばしにしながら寒さに耐え忍んでいました。
そのうち春が訪れ、ポカポカした陽気になると、
イヌは昼寝をしながら、
「外はだいぶ暖かくなった。いや、かえって暑いくらいだ。
もう家なんか必要ないな。
やっぱり家作りなんて、大変すぎるよ」
と、考え方をがらりと変えてしまったのです。
もうすぐ議会です。
議員にも執行部にも緊張感が走る時期です。
議会のために議員がいるのでもなければ、
執行部があるわけでもありません。
方向性や物事の決定、確認をする場であり、
議会が終わるとそれまでということはありません。
一つの通過点であり、新たな出発点です。
議員になり7度目の定例会、ほぼ半ばです、
慣れたころに事故は起こる。
車の運転と同じで気を引き締めてかかりたいと思います。
この次の議会に向けて質問を考えているところに
Nさんから提案をいただきました。
ご指摘いただいた観光の課題について、
ほぼ同じ内容ですので、12月議会での質問を考えています。