2月議会反対討論②

いとう茂

2013年03月21日 13:42


今日は午前中、至福の時間を過ごしてきました。
そのことは、後日報告したいと思います。
19日に閉会を迎えた2月議会ですが、
最終日に教育委員会委員の任命について
反対討論を行いました。

反対を唱えたのは私一人で、多数を以って
議会は同意をしました。

焼却場といい教育委員といい、
いまだに釈然とした気持ちはありますが、数は力です。
そのことは真摯に認めて、前を向いて歩こうと思います。


議案第74号 教育委員会委員の任命について反対の立場から討論を行います。
最初に、桶谷 守氏とは3月11日に執行部同席のもとで
一人会派の議員3名と意見交換を行いました。

その席で、桶谷氏の人格や見識・経歴が教育委員としての
資質に欠けるものではないことは確認いたしました。

私は、桶谷氏の資質について反対討論を行うのではなく、
教育委員の職種・職歴の偏りにより教育委員会の果たすべき
意義が損なわれることと、教育委員に任命しようとされている
桶谷氏が大津市民ではないこと、
及び執行部の発言等について疑問があるために反対の立場から討論を行います。

まず、教育委員の職種・職歴の偏りについてですが、
文部科学省が定める教育委員会制度の意義には
「政治的中立性の確保」等のほかに「地域住民の意向の反映」があります。
これは、教育は地域住民にとって身近で関心の高い行政分野であり、
専門家のみが担うのではなく、
広く地域住民の意向を踏まえて行われることが必要であるということで、
教育委員会の所掌事務として「学校教育の振興」「生涯学習・社会教育の振興」
「芸術文化の振興、文化財の保護」「スポーツの振興」があります。

そうした幅広い、所掌事務がある中、桶谷氏の教育委員就任については、
3人目の教職経験者となり、構成比は5人中3人つまり60%となります。

全国の市町村の教育委員会で教職経験者が占める割合は平均で28,3%であり、
構成比60%という教職経験者に偏った人事は異常ともいえ、
多岐にわたる教育委員会事務が公平・公正・円滑・迅速に遂行されるとは考えられません。

また、桶谷氏が大津市民でないということですが、
文科省は教育委員会の特性について、住民による意思決定について
「住民が専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督し、
専門家の判断のみによらない、
広く地域住民の意思を反映した教育行政を実現する」と定義しています。

さらに、越市長も「市民が何を求めているか考えない」と
大津市在住の教育委員および教育委員会の課題について発言されています。

地域住民の意思を反映した教育行政とは
大津市民の意思を反映した教育行政と同義語でその点でも、
京都市民の桶谷氏は大津市の教育委員としてはふさわしくないと言わざるを得ません。

このことについて「一人くらい問題ないと考えている」
という執行部からの意見がありましたが、
ただ今申しましたことと整合性が取れるものではなく、
私は選任の理由にはならないと考えます。

さらに、越市長は現行の教育委員会制度の課題として
「市民の意見を直接反映しにくく、非常勤のため責任ある体制をとれない」と
指摘されていますが、平成25年度の予算では
教育委員の報酬は1,000万円余り措置されており、
平成24年度と予算ベースで比較すると2倍以上になっていますが、
24年度の実績ベースでは先週末までの教育委員の報酬は
約700万円が執行されています。

当然、例年よりも多くの回数、教育委員が出席して
会議が開催されていることになるわけですが、
その状況でも責任ある体制が取れないと市長は指摘されているのですから、
責任ある体制をとるためには、より常勤に近い形で職務遂行をしていただけるよう
措置されるのが、越市長の申された課題解決への道でもあると考えます。

最後に、もう一つ執行部の発言で
疑問に思う部分がありましたので反対理由として申し上げます。

桶谷氏の教育委員就任について
「富田教育長にアドバイスをお願いしたいと思っている」と申されました。
これは、富田教育長が望まれたことであるなら
教育長としての資質を問われることであり、そうでないのなら政治の介入であります。
さらに教育委員会制度の合議制。
つまり、多様な属性を持った複数の委員による合議により、
様々な意見や立場を集約した中立的な意思決定を行うことを根底から覆すことでありますし、
文科省が定める、教育委員会制度の特性を否定することであります。

結びにあたり、天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず 
この言葉を添え惻隠の情を持って反対討論といたします。


結びの、天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず
ですが、物事を成功させるには天の時、地の利、人の和の
3つが揃わないといけないが、天の時、タイミングよりも
地の利、自分にとって有利な条件の方が大切で
地の利より人の和が大切だという孟子の教えです。