秋の音色

いとう茂

2013年09月06日 14:56


8月の終わりごろから夜になると庭で虫が鳴き出しました。
最初は1匹でした、コオロギが鳴いている。
そう思っていました。

月が替わると1匹が3匹くらいになり、あちこちから聞こえだし、
一昨日あたりから新顔のキリギリスも登場しました。
そういえばゆっくり虫の声も聞いていなかったことに気が付きました。
時々通る自動車の音が子守唄替わりで、寝つきが悪い夜は
新聞配達のバイクが早く寝なさいと言っているようでした。

子どもの頃は虫の声に加えてカエルの大合唱。
それを当たり前だと感じていましたし、カエルの声がより一層
大きくなると雨が近いことも知りました。

歳月人を待たずと言いますが、時間はどんどん過ぎているのに
人間はいつまでも何かにしがみついている、
きっとこんな意味ではないと思いますが、幼い人間を揶揄している
意味かと、ふっと思った次第です。

時間が流れていくように人間も変わるのが自然の法則だとすれば
風貌、容姿だけならすぐに理解ができます。

考え方や生き方についてはどうなのかと考えた時、
やはり長い時間の経過の中で少しずつ変わっていきます。

私たちは生きている間に何度も四季を経験しますし、カレンダーは
新しい日や月を教えてくれます。

何度もそういう経験をして変わることを学びなさいと、自然が
メッセージを発してくれているとしたら、四季のある日本に生まれたことに
感謝しないといけないし、変わっていく時間を大切に味わわなければ
いけないと思います。

そのことから生き様や考え方をすぐに変えるまでには至りませんが、
今しがみついているものが果たしてしがみついている価値があるものなのか、
その検証はしておかないといけないし、発想に柔軟性も持たせないといけません。

確証とかこだわりとか言ってしがみついているのは、もしかして、変わることを認めることが
怖いとか不安とかいう気持からではないのか、それはただ保身のためかもしれない。

あとひと月で58歳を生き切ることになります。
58歳死亡説が壊れることになるのか、それも時間が答えを出してくれる。