2021年09月30日

糸賀一雄語録⑧


【世の中から厄介者だと思われていたのに、最近親や先生や心ある
世間の人たちの間では考えが変わりました。
政治の上でも、ある時期に考えが変わり百八十度の転回を
しようとしています。
それは「そこに重症の子どもがいたから」なのです。
重症の人たちはただ寝ていることによって、
あるいはもがき回っていることによって、この人たちに対する
社会の目を転換させ、新しい社会形成の原理を打ち出してくれました。
つまり生産をしたのであります。
新しいものの見方、人間に対するものの見方の変革を生産したのです。
しかも、その周囲の人々の生き甲斐さえも生産したのではないでしょうか。
そして、それを支える愛の営みを生産しました。】

【重症な子どもたちの療育現場の中で発見されるこの発達の姿は、
実はすべての人間がたどる発達の道行きと、
まったく同じものだということが証明された。
そればかりではない。
人間の精神発達というものは、年月とともに次第に
上へ伸びていくばかりでなく、あらゆる発達段階で豊かな
内容を持つように広がっていくものだということも証明された。
縦軸の発達に対して横軸の発達とでもいえるような
内容的な展開があるということである。】

【縦軸の発達でほとんど絶望的であっても、
横軸の発達は無限と言ってもよい。
この横軸の充実が上への発達を促すのである。
どんなにひまがかかっても、この道行きそのものは、
万人に共通のものである。
無限な横軸の充実、そこにその子どもの人生の充実が期待される。
心身の障害がどんなに重くても、その障害を克服する努力とともに、
今の生活を豊かにするという方向で、無限の発達の可能性に
挑戦するというのがこの子の人生の意義であるとすれば、
それはすべての人々に当てはまる原理ではあるまいか。】
  
Posted by いとう茂 at 12:31Comments(0)

2021年09月29日

もうすぐ講演会ですが・・・。

大津保健所からえこーに講演の依頼がありました。
当初は8月の予定でしたがコロナの関係で10月6日に延期になりました。
9月30日までが緊急事態宣言の範囲ですので、このままだと
予定通りに講演会を開けそうです。
テーマは「えこーってどんなところ」そのままですが、
えこーの概略と事業の中味を話してほしいということで、
こちらもスタッフが資料を作成して準備しています。

この前に保健所でクラスターが発生しましたので、
どれだけの参加者があるのかは明日にならないと確定しません。
保健所でもひきこもりの家族向けに勉強会を年間2・3回実施していますが、
昨年度からはコロナの関係で不定期になっています。
スタッフで役割を決め、私はえこーの概略が担当になりました。
家族向けの勉強会はあっても家族の会はありませんので、
えこーが月に1回開催している「えこステ」の紹介をすれば、
参加者が増えることも考えられます。
溜まっているものを遠慮なく吐き出せる場となっているえこステですが、
毎回4時間では足りないくらい参加者は溜まっているものを吐き出して、
代わりに笑顔を持って帰ります。
最近の参加家族は5~7ですが、これが10家族になれば
1家族が吐き出す時間が減ってしまいます。

現在でも、近況方向の時間は家族によっては30分以上の
話になることもありますので、参加者全員の合意で
1家族10分以内と決めましたが、それでも1時間以上かかります。
これが10家族になれば2時間以上になることも考えられ、
勉強会や和太鼓の体験等のイベントを組むと時間内で
終わらせるのがかなり難しくなり、今以上に時間の管理が必要になります。
とは言っても、1か月に一度遠方からですと東近江や
近江八幡から時間をかけてやってくる参加者もあり・・・・どうしたものか。

それでも保健所の講演会でえこステに関心を持ってほしい、
これはスタッフ全員の願いです。
えこステの参加者が増えるということは、
えこーの面談も増えることになります。
現在でも水・日でほぼ満杯、面談の曜日を増やすか
1日1組を1日2組以上にするか・・・・・。
支援機関につなぐ時間も増えますので面談日を増やすことは
かなり難しく、面談日に相談者の数を増やす方向になると思います。
相談は2時間が目安で、行政の倍の時間をとってじっくり聞いていますが、
聞いているだけでもかなり精神的に疲れます、
この疲労が単純に考えても倍以上になる。

しかし、相談者はそれぞれ別の人です。
えこーに来て荷物が軽くなるなら、それも「よし」としたいと思っています。
果たしてどんな講演会になるのか、講演会後は相談の時間も
設けたいと考えていますので、そちらの対応もしっかりできればと思います。
  
Posted by いとう茂 at 21:33Comments(0)

2021年09月28日

杞憂ならいいのですが・・・・

緊急事態宣言の期限は今月末までで、残りわずかになりました。
ここに来て大都市だけでなく全国的にコロナの患者数が減少しています、
それも劇的と言うか急に減少に転じている現象を見て、
疑り深いのかどうも芯から信用できない日が続きます。
そんな中で、全国的に緊急事態宣言の解除の方向で
段階的に・・・・その言葉はおそらく国民の意識から消えてしまい
一気に気持ちが緩む・・・・・。
確かにワクチン接種も若い年代にも進んでいますが、
それだけでこんなに減少するのか・・・・・。
飲食店をはじめ外食関係者は大きなダメージでしょうが、
外での飲食を控えるだけで感染者が減るものなのか、
大都市圏では毎朝通勤電車は満員でしょうし、テレワークが進んだ
と言っても製造業などどうしても出勤しなくては仕事にならない業種もあります。
感染者数を更新する県もなく、重症者の数も日を追うごとに減少しています。
いいことには違いないのですが・・・・手放しで喜べません。

大間のマグロの一本釣りではありませんが、電気ショックで一時的に
失神しているだけでは・・・・マグロはとどめを刺せば獲物に代わりますが、
コロナはとどめをどうすれば刺せるのか・・・・。
一時的に失神しているだけではないのか・・・・。
大きな鳥は高く飛ぶ前には姿勢を低くして力をためて、大地を蹴ります。
もう一回りも二回りも多い、感染者を出すために力をためている・・・・。
もうすぐ2年になります、国民にまだまだという不安はあっても、
これだけ辛抱したんだからもういいだろうという期待の方が大きくなっていないか。
1杯目のビールは冷たくておいしいものですが、
酔っぱらってしまえば何を飲んでも一緒・・・・・。
1年半前の学校の休校が決まったころの気持ちには戻れない人も
多いのではないかと思います。
ワクチン接種が終わったということが、更に気持ちに拍車がかかり
もう旅行に行ってもいいだろう、来月は孫の1歳の誕生日だから
身内が集まってお祝いをしてもいいだろう、緩んだ気持ちは
緩みだすと四方八方に伝播します。
引き締め役のワル役を買って出るよりも、
やろうやろうとはやし立てる方が誰でもいいに決まっています。

「夜、砂州で休んでいる雁の群れの周囲で人や獣の接近を見張っている雁。
転じて、見張り役。奴雁」、「「奴雁」としたのは、福沢諭吉という説もあります。
浮かれている人たちに意見して気持ちを引き締めるのは
どんな人なのだろう。
赤信号 みんなで渡れば・・・・・になりませんように。
  
Posted by いとう茂 at 15:07Comments(0)

2021年09月27日

第16回えこちやんステーション

日曜日は16回目のえこステでした、欠席者も多かったのですが、
それでも5組の家族が集まりました。
発達障害の勉強会も最終の4回目、無事に終わることができ、
参加者の感想を聞いて次回の広報紙に掲載しようと思います。
来月は今年度2回目の外来魚駆除の釣り大会、
2組の家族に当事者に渡してもらう釣り大会への
お誘いのハガキを手渡しました。
居場所、趣味として釣りが入れば当事者も琵琶湖を眺めて
気分転換ができます。
そうなればと期待を込めて毎回、当事者には
お誘いのハガキを書いています。
手紙だと封筒を開けない・・・・そんな人も結構いますので。

発達障害の勉強会は、もちろん内容について学んでほしいと
思っていますが、「もしかしたらうちの子どもは発達障害かも知れない」
そんな疑問を持って日々の言動を確認して、
親自身がまずは発達障害の子どもかもしれないので
専門医に診断してもらおう、そうした意識が芽生えるためにも開催しました。
えこステのメンバーの中には心療内科での診断も終わり、
年金の受給が決まった人も何人かいます。
それで子どもが一生安泰で暮らせるかと言えば、
金額的には足りませんが、そこに親の貯えを足してやれば
何とかなりそうだし、足りなければ最後は生活保護という
手段もあると考えて、気持ちにゆとりの出た親もいます。

ただ、我が子が発達障害かも知れないという疑問を
否定して受け入れられないで時間が経過するのが現実で、
受け入れても次は当事者が「自分は発達障害だ」
と受け入れるまでに時間がかかります。
それでも心療内科で発達障害の診断が出れば
「それでこれまでこんなに苦しくてつらい思いをしてきたのか、
人間関係がうまくいかなかった原因はこのせいだったんだ」
と原因がわかり落ち着くケースも多くあります。
親にしても「何でうちの子はこれができないんやろと
ずっと悩んできたけど、発達障害やったってわかって腑に落ちた、
でもそれが分らずに子どもにずいぶん無理を言ってきました」
と反省の声もあります。

えこステでも参加者から「自分の子どもは発達障害だと思う」
という声も出ていましたし、年金の受給が決まった親からは、
「ほんとに受け入れるのには時間がかかったわ」という意見もありました。
一つ問題が解決して前に進むと新たな問題が出てきます。
これはひきこもりに限ったことではなく、誰でも日常生活の中でも
起きていることだと思います。
何も考えずに毎日が過ごせたら・・・・それが一番幸せかもしれません。
  
Posted by いとう茂 at 15:09Comments(0)

2021年09月26日

10年

10年ひと昔と言いますが、今はもっとひと昔になるスピードが
速いかもしれません。
10年前と言えば、2011年、平成なら23年です。
この年の一番大きな出来事と言えば、東日本大震災だと思います。
義援金の募金箱を持ってスーパーの店頭に立っていたこともありました。
いつも親子で仲良く買い物に来ているお母さんが、財布から1000円札を
出して妹の渡してこちらを指さしていました。
妹はもじもじしながら1000円札を持って来て「はいこれ」
それだけのことですが、今でもはっきり頭に残っています。
大きな声で「ありがとうございます」今度は母親がもじもじ・・・。
妹も30歳くらいになっているのでしょうか、今見ても
見分けがつかないと思いますが・・・・。ちょっと余談です。
阪神淡路大震災の時は同じ近畿地方ということもあり、
二度神戸まで炊き出しのボランティアに行きましたが、
こちらはもう26年前の平成7年の出来事です。

テレビで見た津波の映像・・・・「あれは凄かったなぁ」と
喉元を過ぎている人も多いかもしれません。
そういえば東日本の震災のあとは、次は東南海地震と
マスコミもしきりに報道していましたが、最近では・・・・。
報道も風化するのでしょうか・・・・・。
私事ですが、10年前の今日からブログを始めました。
「もう10年か」そんな気持ちです、過ぎ去った時は様々な
山や谷をならして起伏の少ない平たんな記憶にしてしまうように思います。
これから10年後・・・・・、喜寿を迎えている自分の姿を想像できませんし、
生死もどうなっているか分かりません。
現在、おじが1人とおばが3人、願っているわけではありませんが、
10年後は・・・・・。
10年前にはおじが4人とおばが6人健在でした。
そういえば小さい犬がうちに来たのも10年前、あっという間の10年でした。
今は元気ですが10年を待たずに辛い別れがやってきます。

1日を365日積み上げて1年、そのブロックが10個で10年です。
3650日と言えば長く感じますが、今や人生100年時代、
今度は3650日のブロックを10個積み上げなくてはいけません。
10年前の記憶でさえおぼつかないのに大変だぁ。
  
Posted by いとう茂 at 12:28Comments(0)