2014年08月09日

大津の花火大会

台風11号の接近で開催が心配された花火大会でしたが、
途中何度も雨脚が強まったものの何とか開催されました。
降りしきる雨で開催前にずぶぬれになって帰路に着く人も多く、
例年では見られない光景でした。

所属している会の人が知っている経理事務所の駐車場を
お借りして毎年模擬店を出店しています。
昨日は模擬店の準備段階から売り上げは期待していませんでした、
屋外のイベントは晴天だと半分以上成功、雨だと失敗、
天候に左右される部分はかなりあります。

間口3間、奥行き2間ほどの小さいスペースでカキ氷、綿菓子、
フランクフルトなどの販売ですが、氷のケースが場所をとりますし
そのほかにも物を置くので窮屈な売り場です。
もう5年ほど出店していますが、主に綿菓子の担当をしています。

綿菓子は作るのに時間がかかりますので作りながら並んでいる
人との会話が楽しめます。
10人のお客さんに「大きいのがいい」と尋ねるとほぼ全員が
「大きいの!」と返事をします。
実際大きい綿菓子を作るので、歓声が驚嘆の声に変わります。

お金をもらうときにカップルなら「来年も二人でおいでや、おっちゃん待ってるで」
二人はにっこりして「うん」と答えてくれます。
小さい子供なら「虫歯に気をつけや」、たわいもない会話ですが
みんな「ありがとう」といってうれしそうに去っていきます。

ここ2年ほどは「今年も来たで」と何人か寄ってくれる様になりました。
面白いのはほとんどの男女は女のこの方がリードしています、
「去年と同じ男の子?」「えへへ、今年は違うねん」
その会話を男の子はバツの悪い顔で聞いていますが、女の子は
けろっとして、綿菓子の代金は男の子の財布から出てきます。

人生のステージにはいろんな役をする人がいます。
そして、役割はそのつど変わる人もいればいつも同じ役の人もいます。
1万発の花火が打ち上げられましたが、自分の花火はどれだったのか、
みんながスターマインのような大輪の花火ではないでしょう、
スターマインを目指してもその前に会場を盛り上げる連発の花火かも
しれません「私は連発花火はいやだ」とは言いませんが人間は
時々「そんな役はいやだ、こっちがいい」と言い出し周囲を
困らせる場面に出会います。

実力のないスターマインは大きく夜空に咲きません、
連発の小さな花火でも実力があれば迫力のあるものになり
脇役が主役以上に喝采を浴びることもあるでしょう。
そのうち抜擢されてスターマインの役が回ってくるかもしれません。

人生のステージは1回限りの公演ですが、何幕もありますし、
セリフや場面の設定はそれぞれ違います。
同じスターマインでも晴天の夜空で咲くのと、昨夜のように
雨空に咲くのでは気分が違うのだろうと考えるのは人間だけかも
知れません、花火は持ち場を存分に演じきるだけ、人間もこうありたい、
どんな状況でも与えられた役割をしっかり演ずる。

晴れの日も雨の日も日向でも日陰でも、富めるときも貧しいときも
健やかなときも病めるときも演じきるだけの実力を備えなければ
雨の中の花火を見上げながら、そんなことを考えていました。4


Posted by いとう茂 at 14:20│Comments(0)
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