2021年02月28日

人の見る目②

ひきこもり、不登校、問題行動等の相談窓口の
「えこー」を開設してから6月で3年になります。
ボランティアの相談窓口は3年前も今もえこーだけではないかと
思いますが、友人、知人を含めた周囲の人がえこーの活動を
している私を見て様々なことを言ってくれます。
時にはムッとする言葉もありますが、それも「これは励ましの言葉」
素直でない人だからこんな言い方しかできないんだ。
と、プラス思考でやってきました。

知人との会話の続きです、前回は知人が病院に行けばと話した
所まででした。
「病院に行けば診断で障害があるかどうかがわかるんやけど、これが
結構難しいことなんや。
親は自分の子どもに障害があるとは考えたくないし、世間体もあるから
なかなかその方向に行かないよ。
たとえ親が病院と思っても子どもが成人していれば、本人の意思が優先
やからね、本人も自分に障害があるとは考えていないことが多いし、
それに家から出られない子どもがいきなり病院に行くとは
考えられないよ、家で暴れてどうしようもなくて警察が介入したとか
やったら強制的に病院に行くこともあるけど、外に出ない、話さない、
昼夜逆転していてパソコンやスマホでゲームばっかりやってる、
風呂に半年も入らない、着替えもせず夏も冬も同じ服を着てる
それでは強制的に病院に連れていけないしね」
「着替えをせんかったり風呂に入らなかったら臭いやろ」
「臭いんやろうけど案外本人は臭いという感覚はないみたいで、
周囲の人が臭い、臭いって感じみたいやで。
2年とか3年風呂に入っていないという話は聞くことがあるし、
3か月くらいはよくあるわ」

「そんなに風呂に入らへんかったら体や頭がかゆくならへんのかな」
「そのあたりは本人がどう感じてるかやけど、散髪もほとんど行かない
ことが多いし、自分で切る人もいるけど、まだそれはいいほうやと思うよ。」
「食事はどうしてるの、自分で作るのか」
「家族が作る場合がほとんどやけど、一緒に食べるケースは少ないかな、
部屋の前まで運ぶ人もいれば、台所に置いておく人もいるし、まちまちやな」
「冬やったら暖かいものが多くなるやろうけど冷めてしまうやんか」
「冷めることもあるやろうし、麺類やったら伸びてしまうこともあるやろな、
家族が台所にいると食事をしない人が多いかな、家族は気を使って
自分の部屋に入ったり、外出したりしてる場合が多いかな」

「そんなことしてて社会に戻れるのか、親もだんだん年いくし、いつまでも
子どもの世話ができひんやろ」
「親にしてみれば、それが大きな問題やな、貯えがいっぱいあれば
その心配も少なくなるけど、そんな家庭は少ないしね。
ただな、本人もこのままではアカンと思ってる場合が多いのと、何とか
しようと考えてることも事実なんや。
寒い冬の朝に布団から出にくい感覚に近いかも知れんな、いっぱい
迷惑をかけていることも分かってる人も多いようやけど、自分で自分を
コントロールできないんやろな、何とかしょうと決心して動き出すまでに
1年半かかったっていう人もいるしね」
「それでも動き出したんやな、よかったやんか」
「そうやな、ただ一般の人が思うような動きはできないけどね、それでも
ひきこもりから少しずつ抜けようとしてるよ。でもなぁ、何か大きな
衝撃があると、すぐに戻ってしまう場合が多いんやわ、そうならないための
支援は民間では限界があるし、かといって行政にしても対費用効果を
考えるから先の見通しが立ちにくい長期の支援は難しいと思うよ」

まだまだ話は続きました、ひきこもり、不登校への理解は私を含めて
不十分であることを話をしていて痛感しました。
  
Posted by いとう茂 at 15:03Comments(0)

2021年02月27日

出番があるかもしれません

コロナで昨年からイベントがほとんど中止に
なっていますし、今年に入ってもそれが尾を引いています。
所属している団体でも恒例の行事がいくつも中止になっています。
えこーでも1月に予定していた、ひきこもり講座を延期せざるを
得なくなり、参加を心待ちにしていた家族が落胆する姿を見て
こちらも・・・・・しょんぼり。

そんな中で、賛否はあるでしょうが地域のさくらまつりを今年は
開催するという知らせがありました。
膳所公園で開催されますが、内容は変更があり毎年のさくらまつりとは
少し様相が違うようですが、ステージの発表はあるということでした。
もちろん参加は各団体に任せるということですが、子ども達の
和太鼓の発表の場が出来たと喜んでいます。
4年生の5月に入団した子どもは昨年4月のさくらまつりが中止になり
この春で6年生ですし、今年の春のイベントがなくなれば発表を
することなしに来年の3月に卒業です。
どこかで成果を発表する場を作ってやりたいと、家族だけでも
集まってもらい、公園で演奏会をしょうかとも考えていました。

コロナ対策は万全にしたうえで力いっぱい演奏させてやりたいと
考えています。
1週間に1回1時間の練習で、夏休みなどの長期の休みは練習も
休んでいますが、1年で見違えるように変わってくる子どもを
見ていて、改めて何でも吸収しやすい柔軟さを感じます。
ここに来てもう一つ知らせが入りました、それは、これも恒例ですが
昨年は中止になった五社まつりのことです。
まだ開催されるかまでは分かりませんが来月に会合があり、
そこへの出席依頼が来ました。
トラックに乗っての演奏で、ステージでの演奏とは違う楽しさがあるようで
子ども達が一番喜ぶイベントです。
さくらまつりまでは4回練習ができるかどうかです、来週からは通し練習を
繰り返して本番に備えたいと思います。
  
Posted by いとう茂 at 20:52Comments(0)

2021年02月26日

思い出し遍路65

観音寺のビジネスホテルを暗いうちに出て4キロほど先の
70番の本山寺を目指しますが、納経所は7時でないと開きません。
この日は大津に帰る日で高松駅前から高速バスに乗りますが、
時間が読めないので早めにホテルを出て24時間開いている
ファミレスで朝食、腹が減っては歩けません。
雨でしたので歩く速度も落ちます、6時前にファミレスを出て
本山寺には7時前に到着したと思います。
この札所も敷地が広く五重塔がありました、善通寺、志度寺、
竹林寺・・・・他にも五重塔がある札所があったような、なかったような。
51番の石手寺は三重塔でした・・・・・どうでもいいか。

晩秋か初冬だったと思います、雨で寒かったのを覚えています。
納経を終えて休憩所でちょっと休みましたが、すっかり体が冷えて
しまいました。
本山寺の次は本日のゴールの71番の弥谷寺までは3時間ほどの
歩きですが、雨で体が蒸れるのと足腰の痛みで予定以上に時間が
かかりました。
途中で四国ではどこにでもあり、遍路のご用達のマルナカに寄り、
少し早めの昼食を調達、といっても買ったのは弁当ではなく
大きなサツマイモの天ぷらかコロッケで歩きながらの食事でした。

腹ごしらえが終わって一息ついた感じで雨の中でしたが、快調に
歩くことができました・・・・・。
と、ここまでは順調ですが弥谷寺は山の上です、未舗装の道を
車遍路も途中までは上っていきますが、そこからは歩きで階段を
上ります、400段くらいあったでしょうか、疲労からかもしれませんが
かなりこたえたのを記憶しています。
途中で大師堂にお参りして本堂には靴を脱いでお参りですが、
雨でぬれた靴は脱ぎにくく靴下も濡れています。
靴を脱ぐ、靴下を脱ぐ、普段なら何でもないことなのに・・・・・・。
板間を歩いてご本尊の前でしばらく座り込んでいました。

帰りは上ってきた階段を降りなければいけません。
なんでこんなことをしてるのやろう・・・・・またこの疑問が出てきました。
次の遍路はここから始まりますが、次のことよりも、とりあえず
どこかの駅まで行かなくてはいけません。
そのルートは調べていなかったので、弥谷寺の隣にある道の駅から
タクシーに乗り一番近い駅まで行きました。
予定通りに終わったという解放感とは裏腹に、もう歩きたくないという
気持ちもありました。
やっぱり、なんでこんなことをしてるのやろう・・・・・です。
  
Posted by いとう茂 at 15:28Comments(0)

2021年02月25日

人の見る目

ひきこもり、不登校、問題行動等の相談窓口の
「えこー」を開設してから6月で3年になります。
ボランティアの相談窓口は3年前も今もえこーだけではないかと
思いますが、友人、知人を含めた周囲の人がえこーの活動を
している私を見て様々なことを言ってくれます。
時にはムッとする言葉もありますが、それも「これは励ましの言葉」
素直でない人だからこんな言い方しかできないんだ。
と、プラス思考でやってきました。


「それって何をしてるところ」
「ひきこもり、不登校や家庭内暴力なんかの問題行動の相談を
受け付けるところ」
「相談したら解決できるの」
「解決や改善のために支援機関につなぐんですわ」
「つなぐだけ」
「えこーのスタッフも同行して一緒に話を聞いて、えこーでの面談で
振り返りや、これからのことなどをアドバイスしている」
「いくらもらってるの」
「無料だよ」
「ただ、お金にならへんの、交通費も出ないのか」
「そうやな、無料のボランティアだな」
「なんでお金にならないのにそんなことしてるの」
「放っておけない人がいるからだよ」
「例えばどんな人」
「じっとしてられない子どもや人の言ってることを聞けない子ども、
一所懸命やってるけどうまくいかずに困ってる子ども、ほかにも
色々あるかなぁ」
「子どものための相談か」
「子どもだけじゃないよ、大人でも知的障害があって困っている人や
すぐに切れて家族に迷惑をかけてる人の相談とか」
「ふーん、お金にならないのによくやるなぁ」
「そうやな、放っておけない人を見ていられないだけかな」
「知的障害の人って言葉が通じるのか」
「通じにくいけど時間をかけて話はできているし、重度の知的なら
もうどこかの医療機関なんかとつながっているから、えこーには
来ないよ」
「それで不登校やひきこもりがなおるの、知的なんかずっとなおらないんやろ」
「知的は別にして、ひきこもりも不登校も本人と家族の気づきが大切やと
思ってる、誰かが何とかしてくれる、そう思っている親もいるけど、
結局は自分が何とかしないと子どもは立ち直れない。
親が自分自身が変わらなくてはいけない、そんな気づきが出てからやね。
子どもも同じやけどなぁ、気づきがあるからすぐに立ち直れるかと言うと
そうでもないけど、気づきがあれば時間がかかっても動き出す時が
来ると思ってるわ。働くにしても学校に行くにしても1週間に5日行かな
アカンと思うからしんどくなる、まずは半日、これでもいいんや、
今はこれしかできない、そのことを受け入れないと続かないことが
多いようやわ」
「ふーん、まぁそうやわな、発達障害ってあるやんか、あれはどうなん」
「医者と違うから発達障害について詳しい話はできないけど、発達障害にも
色々種類があるし、ひきこもりや不登校との関係もあることは確かやと
思ってるわ、いじめでひきこもるよりも人間関係がうまく築けずに馴染めずに
疲れてひきこもるケースの方が多いのと違うかなぁ。
特に、大人のひきこもりは一回社会に出て会社にも勤めてそこで上司や
同僚との人間関係ができずに疲れてしまい、そこからひきこもるケースも
結構多いようやなぁ」
「そんなんで会社に行けなくなるなんて、これまでの親の育て方が過保護
すぎたり、本人の辛抱が足りないんと違うのか、何をしても親がいて
尻ふきをしてきたんと違うのか、甘えすぎが原因なんと違うのか」
「世間ではその言葉を発する人が多いと思うわ、甘えとか過保護も
あるかも知れんけど、それは面談で詳しく話を聞かないと分からないわ
甘えや過保護もあるかも知れんけど、全部がそうかと言えば違う方が
多いと思ってるんや、何らかの障害があってそれが原因やと思ってるわ」
「それやったら病院に行って診断してもろたらええのと違うのか」

まだまだ話は続きましたが今回はここまでです。
  
Posted by いとう茂 at 12:37Comments(0)

2021年02月24日

煮詰まってきました

来月に年度末を控えて、えこーの事業の中で
助成金を受けている事業については、3月中頃に報告書の提出を
しなければいけません。
赤い羽根の共同募金チャレンジ事業では、冊子の作成を
進めてきました。
ひきこもり、不登校の親子に手紙を書いてもらい、それをまとめて
冊子にするのですが、原稿が出そろい活字に打ち直して冊子の
様式にまとまりました。
次の工程は、原稿と読み合わせで訂正もありますので、これも時間を
要する作業です。

一昨日と昨日の二日間で読み合わせと訂正を終えて、何とか冊子の
様式に落とし込みました。
あとはもう一度、漏れや誤字脱字がないかの確認作業と
冊子のレイアウトや挿絵の位置を整えて印刷になります。
老眼鏡をかけての作業は結構疲れます。
それでも、えこーの思いがぎっしり詰まった冊子ですので、疲れたとは
言ってられません。
出来上がれば各機関に配ったり発送したりの作業が出てきますが、
何人の人が手に取って読んでくれるか、どんな感想を持って新しい動きが
出るか・・・・・・期待と不安の入り混じった時期を迎えます。

冊子については以上ですが、その次はえこーの広報紙の発行が
迫っています・・・・・なのにまだ原稿はありません。
この原稿を書く前に紙面割りを考え、どんな記事を掲載するかの
話し合いもあります。
こうした作業と並行して、えこーの本来の仕事である相談者との
面談がありますし、面談内容のスタッフ会議もあります。
先を見ると気持ちが萎えてしまうこともありますので、見据えつつ
足元の出来ること、しなければいけないことを一つずつ終われせて
いくのが、えこースタイルで・・・・・・。
というよりも、切羽詰まらないと進まない・・・・こちらの方が適切。

滋賀県から滋賀県社会福祉協議会に委託され、大津市社会福祉
協議会が窓口になっている助成金では、えこーのPRのために
クリアファイルを作成します。
マスコットキャラクターの「えこちゃん」はえこーの第1号の相談者の
不登校の子どもが作成してくれました。
これも、一つの社会参加の形です、自分の作ったキャラクターが
役に立っていると感じることで自己肯定感が高くなり、これからの
生活に自信を持ってくれたらと願っています。
難産でしたが、クリアファイルは印刷に回り完成を待つだけです。
かなり令和2年度の事業も煮詰まってきました、焦げ付きが
ないように仕上げたいと思います。
  
Posted by いとう茂 at 15:46Comments(0)