2019年06月30日

市民センター機能等のあり方実施案学区説明会

昨日、膳所市民センターで表記の説明会がありました。
参加者は100名ほどだったでしょうか、公民館の利用者団体や
各種団体にも呼び掛けていたために、自治会関係者だけでなく
多くの参加者がありました。
説明後は活発に意見や質問が行われましたが、総体に反対
意見が多く、白紙撤回の意見も多くありました。
この問題は議員に在職時から出ていたもので、議会で今後も
激しい議論がされるものと思います。

議会では丁寧な説明という言葉が何度も出てきましたが、
執行部では、この丁寧な説明の意味を取り違えている、
そんな感を強く受けて、説明会の途中で席を立ちました。
なぜ、市民センターの機能に差を持たせた市民センターを
作らないといけないのか、公民館を民間に委託して指定管理者
制度に移行しなければいけないのか、そうした質問が
出ましたが、執行部からは今後、高齢化、少子化で税収が
減少する、福祉にかける費用が一般予算のほぼ半分に達して
いるので、そんな答弁でした。
質問者からはさらに、現在人口が減っているのか、福祉予算が
増えるというのは高齢者に早く死ねという事かと、重ねて質問が
ありましたが、明確な納得できる答弁はありませんでした。

ある種、言葉尻をとらえる質問だと個人的には感じました、福祉は
高齢者だけでなく、保育園やひきこもり対策、障害者への支援、
それに生活保護等にも関連しています、それを高齢者に限定した
質問者もそのことは承知しての事だったかもしれません。
人口の減少は大津市の場合は、まだ緩やかですが人口の年代構成が
変化しています、いわゆる現役世代、生産年齢人口が減少して
いるのは事実で、このことは説明時に資料を提示することは
可能ですし、1年に公共施設の維持にかかる費用と、今後の予測は
提示可能のはずです。

ただ、学校・園、市営住宅、市民センターと大きな維持費がかかる
施設のうち、市民センターから手を付けようとしたのかは分かりません、
そうした理由を明確にするのと、今後の人口構成、税収の予測、
公共施設の年間維持予算、そうしたものを事前に説明して現状を
知ってもらうことが抜けていると感じましたので、議員時代も丁寧な
説明と言ってきたつもりです。
反対する人には、全体像が見えないので不安や疑問から反対する
人と、不便になるから反対の人、公的機関のサービス維持の観点から
反対する人と様々だと思います。
反対意見を賛成に変えるには具体的な資料の提示が不可欠ですが、
そこが抜け落ちていますので、統合や廃止、縮小、民営化ありきのごとく
受け取られても仕方がないような説明会でした、これはうまくいくはず
ないと思いましたので・・・・・・退席です。
まだまだ時間はかかると思います、次に説明会がある時は、もう少し
全体の市政運営が見える説明をお願いしたいと思います。
  
Posted by いとう茂 at 20:17Comments(0)

2019年06月29日

独楽吟②

『橘曙覧(たちばなあけみ)遺稿志濃夫廼舎歌集』の続きです。
正岡子規が絶賛したといわれる和歌ですが、貧しい暮らしの
中で、見つけたささやかな楽しみ、今の人の心にどれだけ
響くか分かりませんが、謙虚になるには学びや気づきが
多くあると感じます。

・たのしみは 尋常(よのつね)ならぬ書(ふみ)に画(ゑ)に
うちひろげつゝ見もてゆく時
    ※尋常ならぬ=並みのものではない,桁外れに非凡な

・たのしみは 常に見なれぬ鳥の來て軒遠からぬ樹に鳴きしとき
    ※常に見なれぬ鳥=ふだん見たことのない鳥

・たのしみは あき米櫃に米いでき今一月はよしといふとき
    ※あき米櫃=空の米櫃

・たのしみは 物識人(ものしりびと)に稀にあひて古しへ
今を語りあふとき
    ※物識人=物事をよく識り,自らのものにして
生かしているような人 ※稀にあひて=滅多にあえないような
人に出会って ※古へ今を=「昔はこうだったが,今はああだ」
とかいったような話

・たのしみは 門(かど)賣りありく魚買て烹(に)る鐺(なべ)の香を
鼻に嗅ぐ時
    ※門賣りありく魚=昔は魚屋は天秤棒などに担いだ
桶に魚を入れて売りに来た。
    ※烹る=烹るは味付けの調理をして”にる”ことをいい、
煮るは味付けをしないで”にる”のである。
この場合,味付けによって,烹ている魚の香りを鼻で嗅いでいる。

・たのしみは まれに魚烹て兒等(こら)皆が,うましうましといひて食ふ時
    ※滅多に買えない魚だが,大奮発をしたので・・・・・

・たのしみは そゞろ讀みゆく書(ふみ)の中に我とひとしき人をみし時
    ※そゞろ讀みゆく=漫然と読んでいて 
※我とひとしき=自分が思っているのと同じ思いの

・たのしみは 雪ふるよさり酒の糟あぶりて食ひて火にあたる時
    ※よさり=夜に

・たのしみは 書よみ倦(うめ)るをりしもあれ聲知る人の門たゝく時
    ※書よみ倦(うめ)る=本を読み飽きる ※をりしも=ちょうどその時

・たのしみは 世に解きがたくする書の心をひとりさとり得し時
    ※むづかしくて難解な本は閉口するのは誰しもであるが、
ひとり(独力)で解ったときの喜び

・たのしみは 錢なくなりてわびをるに人の來たりて錢くれし時
    ※わびをるに=つらい気持ちでいる時に・・・・・ 
ここでは決して卑屈にならずちょっぴりソフトなユーモアを読み取りたい。
「そりゃ,だれでもそうさなぁ」と言う風に

・たのしみは 炭さしすてゝおきし火の紅(あか)くなりきて湯の煮ゆる時
    ※炭さしすてゝおきし=炉,火鉢などに炭を継ぎたして
そのままにしておいたことを言っている。
木炭は油断をしていると消えてしまったり,火力が落ちていったりして、
意外と管理には気をつかうものである。
鉄瓶などは,火が消えて気付かないで冷えてしまうと、
水にさびが浮いて,内部に赤錆が覆って傷んでしまい、
使いものにならなくなってしまう。
うっかりしていたのに,「火の紅くなりきて湯の煮ゆる}を喜んでいる。

・たのしみは 心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき
     ※腹をよる=おかしさで腹がねじれる

・たのしみは 晝寝せしまに庭ぬらしふりたる雨をさめてしる時
     ※晝寝せしまに=昼寝をしている間に





  
Posted by いとう茂 at 09:30Comments(0)

2019年06月28日

独楽吟

独楽吟(どくらくぎん) 『橘曙覧(たちばなあけみ)
遺稿志濃夫廼舎歌集』より引用です。 
橘曙覧の「独楽吟」とは「たのしみは」で始まって
「・・・とき」で終わる形式でよんだ和歌のことです。
曙覧の生活や家族の幸せ、学問への態度などが
よみ込まれています。
城山三郎の小説に、「粗にして野だが卑ではない」
という作品がありますが、橘という人間にも、この言葉が
似合うように思います。
全首で52首あります、いくつかずつ紹介していきます。

・たのしみは 艸のいほりの筵(むしろ)敷きひとりこゝろを
靜めをるとき
  ※艸=「草」の古字 草の庵は粗末な草葺きのいおりをさす 
※筵=むしろ,莚はガマやワラなどで編んだ敷物で,
筵は竹製である。

・たのしみは すびつのもとにうち倒れゆすり起すも知らで寝し時
  ※すびつ=炭櫃(すみびつ)がつづまったもの。
大きな角火鉢のこと ※うち倒れ=いつのまにか正体もなく
寝てしまったようす。
こたつのそばで居眠りをしてしまうと,妻がそっと何かを
掛けてくれるが,気付かず居眠りを続けている。

・たのしみは 珍しき書(ふみ)人にかり始め一ひらひろげたる時
   ※珍しき書=貴重でなかなか手に入らない書籍 
始め一ひら=一頁目のこと

・たのしみは 紙をひろげてとる筆の思ひの外に能くかけし時
   ※私達も手紙などの文を書こうとするとなかなか上手に
書けないので困ることが多いが,それが,思いの外上手く書けた時。

・たのしみは 百日(ももか)ひねれど成らぬ歌のふとおもしろく
出(いで)きぬる時
   ※百日=幾日も,幾日も ※ひねる=俳句などをよむこと

・たのしみは 妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時
   ※妻子=妻や子ども,家族中での意

・たのしみは 物をかゝせて善き價(あたい)惜しみげもなく人のくれし時
   ※物をかゝせて善き價=書を書いて高い礼金を人がくれた・・・
高く評価してくれた時。

・たのしみは 空暖かにうち晴し春秋の日に出でありく時
   ※うち晴し=「うち」は強調 ※出でありく=ぶらぶら散歩する

・たのしみは 朝おきいでゝ昨日まで無りし花の咲ける見る時
   ※無かりし花の=咲いていなかった花の、
例えば朝顔やハスの花など 

・たのしみは 心にうかぶはかなごと思ひつゞけて煙艸すふとき
   ※はかなごと=「果無事」と漢字で書く。取るに足りない
些細なこと。 ※煙艸=煙草

・たのしみは 意(こころ)にかなふ山水のあたりしづかに見てありくとき
    ※意にかなふ=気に入ること ※山水=自然の風景
  
Posted by いとう茂 at 20:57Comments(0)

2019年06月27日

役員会

先週の土曜日に和太鼓の会の役員会を開催しました。
立ち上げからのメンバーは私だけになりましたが、25年ほど
一緒に活動している者が役員になっており、昨年の10月に
もう一人立ち上げからともに活動をしてきた男性が亡くなって
以来の役員会でした。
大人も子どももそれぞれ15名以上にメンバーが増えて、
練習時間の事や練習方法、個別の指導が必要な人達、
現状では無理が出始めていますので、より有効な練習が
できるように意見を出し合いました。

ともに汗を流してきたメンバーですので気心も知れています。
知らない人が聞いたら「エッ、ケンカしてるの」そんなふうに
聞こえるかもしれません。
並行した意見も多かったのですが、着地点を探して時間をかけ、
それぞれが満足する結果が出ました。
遠慮なく話すことでわだかまりができることもありますが、この
メンバーなら後に尾を引くようなことはありません。
それが信頼というのかチームワークというのか分かりませんが、
自分の都合だけで話をすることはほとんどありませんし、
それが見えると、誰かがそのことを指摘して、全体のことを
考えるように促します。

和太鼓とは無縁の人間がほとんどで、ここまで叩き続けられると
思っていなかった人間ばかりが残っているように思います。
夏場は演奏会に出かける機会も増えますので、メンバー選びも
しなくてはいけませんし、演奏時間によって曲目も考えないと
いけません。
練習の質とコミュニケーションをどうとるか、子どもは小学3年生から
6年生までですのでそれほど気を使いませんが、それでも、誰と誰が
仲良しか、この子どもと誰を同じ太鼓で叩かせれば、上達が早いか、
この組み合わせは、遊ぶ子どもが出てくる・・・・・それも問題です。

大人の方は、誰が中心になって指導するか、スピーカーが何人も
いると、指導される方が混乱します。
個人の技術の向上と全体のバランス、特別うまい人が一人いても
演奏は満足できるものにはなりませんし、スピードが遅れたり
速くなったときに、すぐに対応できるようになるには修正する能力が
必要になります。
昼過ぎから日付が変わるまでの長丁場の役員会でしたが、それで
しばらくは、スムーズに練習ができることを考えれば・・・・・・。
かなり疲れましたけど・・・・まぁ、いいか。
  
Posted by いとう茂 at 22:29Comments(0)

2019年06月26日

大津市子ども・若者支援地域協議会

今日は、フリールームえこ~の相談日でしたが、
明日都浜大津の方で、協議会の代表者・実務者会議があり、
そちらの方に出席してきました。
えこ~の方も相談がなくうまい具合に時間が空きました。
有識者、医療・保健、福祉、教育、矯正・更生保護、雇用、
いじめ対策、地域・支援団体と子ども・若者に関する機関が
集まる会議で、今年度から私が実務者として出席することに
なりました。

6つのグループに5・6名ずつ分かれて、グループで話し合いを
しました、同じテーブルには保健所、少年センター、福祉政策課、
働き・暮らし応援センターからの専門職の人が参加されており、
私は保護司会からの出向になります。
大津市の方で、子ども・若者プランを作成されるときに、議会で
更生保護の観点も入れてほしいと質問したのがきっかけで、
保護観察所、少年鑑別所と保護司会が会議の構成員に
なりましたので、それなりに思い入れのある会議です。

グループでは人間関係の構築が苦手な人は好きな仕事に
ついてもやめるケースが多いが、人間関係がうまくいくと
好きな仕事でなくても継続する場合が多い、管轄の教育委員会が
市と県に分かれるので、中学生と高校生の壁がある、などの
話が出ました。
会長の方からはひきこもりの要因として主なものは、、4つに
分けることができるとして、①つながりの学習機会が与えられなかった
②生活の中に仕事が組み込まれていない③発達障害④いじめ等の
今いる状況を変える力がない、という話があり、思い当たる点が
いくつかあり、意を強くした次第です。

うまく人間関係が構築できない人にとっては、休憩の時間が
かなり辛いものだという話もあり、適正とは仕事だけではなく、
人的な環境も適性の要素だという事にも気づきました。
今年度の予定としては、実務者会議が研修会と意見交換会で
4回と講演会が2回の予定で、自戒は7月30日に意見交換会が
開催される予定です。

ひきこもりについては推計でしかカウントできませんが、大津市の場合は、
近所のコンビニなどには出かけるから自室からほとんど出ないという
ひきこもりと、用事がある時は外出するという準ひきこもりで1623名、
外に出ない人の気持ちがわかる、嫌なことがあると外出したくないなどの
ひきこもり親和群の人たちが7038名、合計で8661名がひきこもりや
ひきこもり予備軍と推計されています。
この前、国の機関の元事務次官が自分の息子を刺殺するという事件の
直後に滋賀県社協、大津市社協と、高島市と甲賀市の各機関が
一斉電話相談会を実施していますが、総数で55件だという事でした。
この数を多いと考えるのか少ないと考えるのかでも、対応が変わって
来るように思います。
8050問題の50代のひきこもりについては、現在はここという相談窓口が
なく、えこ~でもようやく月に1回程度の手紙のやり取りが可能になった
人の相談も受けています。
こちらは80歳に近くなった親からの相談がきっかけで、まだまだ
本人との面会までは時間が必要だと思います。
住みたいまち、住み続けたいまちを目指すにはひきこもりの人を
作らない施策も必要です。
原因もそれぞれ違うのでしょうが、自分の部屋から出られない人が、
私の周りにも皆さんの周りにも確実においでになるという現実を
理解いただけたらと思います。
  
Posted by いとう茂 at 22:44Comments(0)