2024年12月14日

薮入り

今年も残すところ半月余りになりました、子どもの頃は夏休みと並んで正月は楽しい時でした。
もちろん一番の目当てはお年玉でしたが、普段食べられないすき焼きやご馳走のオンパレードで、遅くまで起きていても叱られない子どもの天国でした。
そんな正月の2日には母親の実家に薮入りでした。
60歳以下の人には分からない言葉だと思います、今は帰省と表現されている言葉です。
何も考えずに今でも使いますが・・・なんで薮入りって言うんやろ。
調べると、語源はあまりはっきりしていないようで、それこそ「藪の中」ですが、嫁や奉公人が実家に帰ることの出来る休みということで、1月16日と7月16日が薮入りの日と決まっていたようです。
それは1月15日は小正月、7月16日はお盆にあたり、それぞれ行事がありますのでそれを終えての休みということでした。
子どもの頃はお盆に魚釣りに行くと、「お盆やから殺生したらあかん」と叱られました。
「地獄の窯が開くから殺生したら、引っ張り込まれる」とも言われた記憶があります。
そう言えばお盆は彼岸から此岸へ仏さまが帰って来ると言って、母親の実家では仏壇の前に野菜や果物など多くのお供えがありました。
「おしょらいさん」といって祖母が仏壇に手を合わせている光景を覚えています。
関西のお盆は8月ですから、何日かするとおしょらいさんを送って来ると言って、浜で何かを燃やして野菜や果物を琵琶湖に流していました。
天台宗では今でもこうした風習があるのだと思います。
薮入り中は母親の天国だったと思います、3人娘ですので3家族が薮入りで、子どもを入れると10名をはるかに超えます。
祖母は食事の用意や洗濯に大忙しだったと思います。
その祖母と祖父の役を今やっている自分がいます。

Posted by いとう茂 at 11:08│Comments(0)
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