2014年10月03日

時計の逆回し・・・・・②

石鹿太鼓の続きです。

4月の生涯学習センター竣工式での演奏が好評だったのに
気をよくした私たちは、さらに練習に励むことになります。
何とかもおだてりゃ木に登る、というやつです。
人は8割から9割はおだてるというか褒める方が伸びしろが
多いように思います、残りの1・2割がビシビシとスパルタで
本人の負けん気と自覚を促し伸ばす方法ではないかと思います。

持ち曲が1曲だったので新しい曲に取り組みますが、覚えるのに
個人差がありますし、自分のパートだけ覚えて全体を覚える
ことができない人もいます、まずは自分のパートですが、
全体の流れを覚えないと誰かが休んだときに、そのパートを
埋めることができませんので全体を覚える必要があります。

器用、不器用がはっきり出るのも面白く、左右の手を変えて叩く
練習もして体にリズムを刻んでいきました。
5年が経つころには持ち曲も4曲になり40分程度のステージなら
カバーできるようになりました、まだ30代が中心でしたので
体力もありみんな元気でしたが私を含め40に手が届いたり
それ以上のメンバーは、そろそろ限界が見えだします。

5年目を記念してプロとのジョイントコンサートを開催しました。
胸を借りるというより「負けへん」という気負いもありました。
ステージの最後はプロと合同で新しい曲の披露があります、
自分たちはうまく叩いているつもりですが、周囲の音を
気にせず力いっぱい叩いているので、ずれてしまいます。

そこを指摘されると、青菜に塩状態で自信喪失・・・・。
それでも観客にはそんなことは伝わらなかったようで、
大きな拍手をいただきました。
その頃になると膳所学区だけでなく市外からも入会希望者が
あり一気にメンバーが増えますが技術に差があるので
練習の効率も落ち加えて仕事の都合で元からいたメンバーが
抜けると言う事態も起こりました。

そんな中でも演奏の依頼は増え続けました。
市内のホテルでの演奏もあれば行政からの依頼もありました。
いっぱしの「太鼓打ち」を気取っていた気もします。
多い月では4・5回少ない月でも2・3回の出演がありました。
出演は緊張感も伴います、練習では味わえない集中があり、
そのことが演奏のレベルを上げ、出演がいい練習になりました。

途中で入ったメンバーもそれなりに育ち、十分とはいえないながら
人前で叩くまでのレベルになり持ち曲も6曲になって厚みが出だしました。
平成10年の大津市制100周年には大津市代表として尾道市まで
太鼓の演奏にも行きました。

この頃には40半ばになっていましたし、私より年長のメンバーも
いました、会議所や地域の役で多忙になり練習に顔を出す
機会が減ってきました、そうなると体力も急降下で、余計太鼓
から足が遠のきます、その悪循環で平成12年に商工会議所
青年部の会長拝命を機に体育会系から文科系にシフトを
変更して太鼓を卒業しました。

卒業は私だけでなくその後5年ほどで元からのメンバー全員が
会を離れました、その後の会の状況はほとんど知りません、
私だけでなく抜けたほかのメンバーも同様でしたが、何とか
継続してくれていたようです。

歴史は繰り返すと言いますが、平成20年を過ぎた頃に
抜けたメンバー何人かが集まったときに太鼓の話題になり
「もう一度」ということになったようで、OB会の設立が決まります。
何度か誘われたのですがタイミングが合わず練習に顔を出せませんでしたが
あるとき練習に行きました、10年以上のブランクで体力も記憶も
昔とは違いました、なんとなく覚えている部分もあれば、すっかり
忘れている部分も多くありました。

負けん気が強いのか、何とかの冷や水か、手元にあるバチは
ほとんど人のバチでしっくりきません、本当はそうではないのでしょうが
どうも、形から入るタイプで・・・・・。
新しいバチを購入して、いざ!
これが4年ほど前のことでした。
5名のメンバーで3曲は何とか叩けるようになり、今年の
膳所夏まつりでは、本会の前座を務めました。

自分では本会よりうまいと思っていますが、後は体力だけです。
再開当時は練習の後はひじや足が痛かったのですが、それも
最近ではなくなり思い切り叩くことができます、ただ、ただ、
基礎体力の衰えはカバー・・・・・できない。

そんな中である出来事が・・・・・・。
現役のメンバーが9月末で全員退会しました。
どんな理由があったのかはわかりません、
時は流れていきます、我々だけがここで立ち止まっていられません。

まちに新しい風を、そんな思いで始めた会です。
一度は自分から離れていった会ですが、人はいつも何かの役を
演じています、めぐる役はご縁のおかげだと思います。
時計が逆に回りましたが、来年の火まつり、桜まつりに向けて
与えられた役を演じきるしかありません。

今できることを今いる場所で精一杯する。
それが役を演じきることであり生かされている者の使命だと信じ
肩肘張らずにボチボチ・・・・・ですわ。

Posted by いとう茂 at 13:15│Comments(0)
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