2014年10月14日

空振り

8月の台風もそうでしたが10月の台風も休日になると
日本に接近して被害を出します。

子どもの頃は台風が接近すると親父が雨戸を閉め、
板を打ち付けて飛ばされないよう補強していたのを思い出します。
部屋の中は真っ暗で畳を上げて積み上げ、その上に
ローソクが一本、唯一の明かりでした。

よく停電したことも覚えています。
風で家が揺れるのが当たり前でした。
台風が通過すると道路には木の葉や枝、瓦もたくさん落ちていました。
そして決まって台風一過はまぶしいほどの好天気でした。

家屋の事情もよくなったのに最近では台風の後は決まって
被害が報じられます、川の護岸工事も進んでいますし
下水道の整備も昔とは比べ物になりません。
都市部に人口が集中し、川沿いや山手の開発が進み
被害が出ていることもあります、昔も被害はあったのでしょうが
室戸、伊勢湾、第二室戸・・・・・何年かに一度の大きな
台風しか覚えていません。

ここのところ毎年台風の被害が報じられていますし、
大津市でも被害が出ています。
ニュースで聞く「大型で非常に強い台風」という言葉にも
慣らされてしまったような気がします。

昨日は警報が出ましたので膳所市民センターの支所長も
休日出勤でした、様子を伺いに夕方訪れましたが最接近は
まだ先でしたので世間話をして夜にもう一度伺いました。
消防団の方も参集されており、南消防署も巡回をして
被害の予防に当たっていました。

岸和田に上陸したのが8時30分ごろでしたので、9時過ぎに
相模川の様子を見て市民センターに寄ったのですが、
心配していた被害もなくやれやれでした。

御岳山の噴火以来「空振り」という言葉をよく耳にするようになりました。
災害に備えて機材や非常食、耐震工事、避難経路の確認など
各地で様々な取り組みがされています。
阪神淡路大震災、東日本大震災、そのほか近年連続して
日本を襲った台風、御岳山の噴火など何かあると緊張感を
持てますが時間が経つと元に戻ってしまいます。

災害に備えてソフト、ハードの整備は重要なことですが、
行政は早め早めの警報や避難勧告、疑わしきは発令といった
方向が望ましいと思いますし、国民には慣れない心、
「また警報か、どうせ大丈夫、また空振りだろう」という
安易な自己判断ではなく、緊張感と臨場感を持って対応することが
必要な気がします、もちろん言うは易し行うは難しということは
十分理解していますが、大きな地震も台風も過去から何度も経験してきた
学習能力を活かすことが求められているのではないでしょうか。

行政はオオカミ少年になるのを恐れ、国民は空振りに憤る、
これでもし先の地震のような大災害や豪雨による被害が
自らの地域を直撃したら「なぜ早く警報を出さなかった」と悔やんでも
取り返しがつくはずもなく、行政も国民も自業自得と言われても
仕方ないように思います、備えあれば憂いなし。

備えは物ではなく心です。






Posted by いとう茂 at 13:50│Comments(0)
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