2015年07月13日

明日の大津を考える会⑤

7月4日に開催された第1回明日の大津を考える会の
パネルディスカッションの続きです。

コーディネーター
潜在的な文化遺産がたくさんあるにもかかわらず、
住んでいる者がそれに気付くこともなく、また、うまく
利用することもないところに心を致したらどうかと言う
指摘だったと思います。
よそ者、若者、変わり者が集う町にしなければいけないし、
コンセンサスを得て、それを中心に据えるような覚悟も必要、
ということでしたが、若い人がまちを闊歩するのは活気もあるが
そのためには大学、大学関係者の方が、先ほどのアメリカの例でも
説明がありましたように、主役としてその舞台づくりをしていくことも
重要ではないかと、言うご示唆でした。
その観点の切り口について若吉先生よろしくお願いします。

若吉
山田さんの方から若者、よそ者、変わり者が集うまちということで、
若者、学生ですね、学生をどのように生かすかということが、
まちづくりには大切だと思っています。
大津市には6つの大学があります、学生数を合わせますと
1万3千人、教職員が2千人と言うことで、関係者が1万5千人。
学部を見ますと10学部になります、大津市内の大学を
全部あわせると総合大学ということになります。

一方、草津市ですが、立命館大学の学生は2万人、大津市の人口から
すると学生数1万3千人は残念な数字だと思います。
大学をどうすれば生かせるかということで、大津市の真ん中、
大津京のところに第2キャンパスを設置する、その第2キャンパスも
ある程度大津市が方向性を示した上で、学生を生かす、若者を生かす、
変わり者を生かす、よそ者を生かす仕組みを作っていくべきだと思っています。

問題なのは、ただ単にスペース、大津駅前にもサテライトキャンパスが
あるのですが、はい、スペースがあります、ハイ、各大学がんばってください、
と言うことではなく、行政の方が主導権をとって、各大学の知の拠点として
力を発揮していくのがいいと思っています。
大津市の議会でも龍谷大学と一緒になって、大学との連携による
議会からの政策提案ということで、議会グランプリ受賞、大津市の議員の方たちは
大学との連携で、すでにこうした成果を生んでいるわけです。
ですから産・官・学みんなが力を合わせていけば、若者、よそ者、変わり者を
しっかり生かせて、それをまちづくりに生かすことができると思っています。

優秀な若者を生かすために、1万3千人の学生のうち、40%が下宿生です、
4・5千人が県外から来た学生が住んでいます。
その学生たちに大津市の魅力を伝えるためにも、地元の人と学生が連携しながら
大津の魅力を理解していくことで、大津の町に学生が定着してくれる可能性が
増えていくと思います。

学生人材バンクを作ったらどうかと思います。
草津市でもしっかり取り組んでいこうと行われていますが、
大津市に1万3千人の学生がいるのなら、その10%、5%でも、その若者の力を
生かすこと、それが学生人材バンクで可能になると思います。
ですから大学を生かすためにも大津市民大学、サテライトキャンパス的なものを
作るということと、若者が定着していく仕組みを作っていく、そして、学生人材
バンクの設置の3つを提案させていただきたいと思います。

コーディネーター
もう少し深くお聞きします。
今、産・官・学が、おのおのの役割を果たすという話でしたが、
三つのことをもう少し具体的に、たとえば産業界ならどのようなこと、
学校ならどのようなことと、もう少し深いお話をお願いします。

若吉
小学校、中学校の先生が教材を開発しようとした時に、
滋賀大の教養学部の学生が協力すれば素晴らしい教材ができるでしょう、
さらに、成安造形大学の学生が芸術的に絡む、龍谷大学の理工系の
学生が絡むと、小、中学生の授業の質、教材開発、いいものができると
思いますし、今現在、琵琶湖スポーツ大学ではキッズプログラムということで
大津市の全幼稚園に学生が運動指導に回っているんですね、
これも学と行政の連携、学官連携ということになりますし、
また、スポーツ少年団との連携についても十分大学との連携が
できてくるかと思っています。
ですので、企業と大学なら物づくり、東レさんとうちとで高速水着の開発、
研究をした実績もありますし、奈良県の靴下メーカーと東レのオペロンテックス、
ゴムですね、それを使った靴下の開発、そうした連携、それも学生と
一緒にやっているのですが、十分、そうしたニーズもシーズもあると思いますので、
それを、どのように生かしていくかというためにも、サテライトキャンパスの
設置というのが大変有効だと思っています。

コーディネーター
最初の山田さんのお話で、10代の転入者は多いけれども、学校を出てしまえば、
転出してしまうということで、定着するような産業、施策が必要だというご指摘が
ありましたが、今、先生からご提案いただいたように学生時代から地元と
コラボレーションできるような立場で、キャンパスの中だけにとどまらず、
広く一般の産業なり文化人との接触を重ねることによって、
外から来た学生も、このまちで自分の人生を立ててみようという思いも
でてくるのかと思います。

若吉
残念なのは大津市の中心に若者が集まる仕組みがないのですね、
これは何か手を打たないと若者のエネルギー、よそ者の面白い
アイディアそういうものを、しっかり地元に生かすために拠点を
作るべきだと思います。
千葉県の柏市には、アーバンデザインセンターというのがあります。
まちをデザインするセンター、ここは東京大学、千葉大学、千葉県と
連携して柏市が運営しているのですが、凄く力が発揮されて、
まちが活性化している事例があります。
大津市の真ん中に若者が集まる仕組みを作るべきだと思っています。



Posted by いとう茂 at 16:37│Comments(0)
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