2015年09月02日

和歌山刑務所研修

8月26日に和歌山刑務所に研修に行ってきました。
刑務所は全国に67箇所、少年院は53箇所あります、
その両方に女子専用の施設があります。
和歌山刑務所も女子刑務所です、もともとは、男子刑務所で
明治時代は和歌山監獄と呼ばれていました、他の刑務所も
監獄という呼び方がされていましたが大正時代に刑務所と
呼ばれるようになった・・・・と記憶しています。

昭和21年に女子受刑者の刑務所として独立しました。
定員は500名ですが現在は566名を収容していて過剰収容の
状態です、これは全国に10箇所ある女子刑務所でも同様の
ところが多く深刻な問題です。
独居房は三畳の広さですが、そこに布団を二枚敷いて
二人が入っています、当然布団は重なり合いますし
ゆっくり眠ることはできない状態です、8畳の雑居房は6人の
定員に8人が入っています。

住環境の改善を、という声がありますが、罪を犯し償うのだから
劣悪な環境でも我慢すべきという声もあります。
あんなひどいところには二度と戻りたくないという気持ちを
植えつけるべきだという意見です。
そうした状態でも最多入所は16回目、最高齢は91歳、
平均で48歳あまり、これは平成19年から5歳以上上がって
います、70歳以上の入所者は19年が4,6%だったのに対して
26年度は11,4%と倍増以上です。

刑期の平均は4,8年、無期懲役は17名います、入所者の
平均年齢48歳に対して職員の平均年齢は35歳、子どもや
孫の年の職員という受刑者も多くいます。
過剰収容と高齢化が刑務所の大きな課題です。

施設の中も見学しました、扉にはすべて鍵がかけられ、開けた扉に
鍵をかけないと次の扉は開けられません。
房の中は布団が決められた順に整然と積まれています、
私物を入れる揃いのトランクもきれいに並べられ、女子ということで
鏡台も備えられています、夏場はワンピースの着用も
認められていますので何着かつられていました。

鍵がなく自由に出入りできる房もあれば、部屋の中にトイレが
あり、鍵がかかり出入りができない房もありますし、二人ではなく
一人だけが入っている房もあります。

ここの特徴は刑務所の中に美容院があり、中では受刑者が
働いていて、地域の人がカットやパーマにやってきます、
人気があるということですが利用は女性専用ということでした。

受刑者一人にかかる費用は年間300万円という説もあります。
税金ですべて賄うわけですが、税金を使う立場から、出所後に
就労して税金を払う立場になれば上下大きな違いが出ます。
国が力を入れている事業が保護観察対象者を含めた就労支援と
居場所、住環境の整備です。
民間の企業に協力を求め、刑務所、少年院の出所者や
保護観察対象者を雇用する協力雇用主の拡大も行われています。

県と大津市の定例会議で県議と私が、同時期にそれぞれ同様の質問を行い
県、市の総合評価の入札制度の優遇策として、従来からの
びわ湖一斉清掃への協力、地元消防団員の雇用、防災協定の締結の
3条件に加え、協力雇用主が優遇策に盛り込まれました。
その結果業種は建設業ですが、協力雇用主の登録件数が
増加しています、今後は就労の手前の就労体験を実施していただける
企業のネットワークの構築を目指し、自分の適性を知ることで、
犯罪予備軍だけでなく引きこもりやニートの減少を図れればと考えています。



Posted by いとう茂 at 12:42│Comments(0)
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