2015年09月24日
もう一度逢いたい!
届かないから懐かしく 滅び行くから美しく、そんな歌詞だったと思います。
藤竜也の夢は夜ひらくの一節ですが、滅び行くものには美学がある、
そんな立派なものではありませんが、滅んでいくのがわかっていましたので、
ついつい、出かけました。
22日は連休中、唯一お休みをもらいました。
12日に42キロを歩いたのですが、22日も歩こうと思いました、
せっかくの休みなのに他にすることがないのか?
そんな自問もありましたが、ボーとしたいのと少し考え事をしたいのと、
相反する思いで歩き出しました、向かうは瀬田の唐橋から南郷洗堰、
そこから瀬田川の東を北上して再び瀬田の唐橋、そこをまだ北上して
近江大橋へ、ここで橋を渡るとおよそ13キロになります。
最初は、まだこの先まで歩いて滅びゆくものに会いに行くことを
考えていました、しかし、滅び行くものに会いに行くには
少し遠くて行っただけ歩いて戻らなくてはなりません。
時間のこともあるし、いつもと違う靴で足の裏に痛みがあって、
ちょっと弱気になっていたのですが、瞬時に気が変わりました。
滅び行くものに会いに行く決心をしたのは、近江大橋の手前でした、
可愛い子どもが「おじいちゃんがんばって!」
ムッ!おじいちゃん?がんばって?
そんなに苦しい顔をして歩いているんだろうかと思いました。
自分でおじいさんという段には気になりませんが、孫以外から
おじいちゃんといわれると・・・・・。
人間同情されたりいたわられる様になったら、年をとった証拠。
言い返されたら対等、いたわられたら老人だと思わないといけない。
同じような意味ですが、これは曽野綾子さんの戒老録に出てくる
言葉だったと思います。
可愛い子どもの言葉が闘争心に火をつけてくれました。
「もう許さねぇ、誰が、おじいちゃんだ!」
出発が遅かったので近江大橋に着いた時点で1時前でした、
それにお茶もペットボトルに半分しかありません、
道中に自販機はありませんので心配でしたがトイレがあるのを
思い出し、飲み水の心配はなくなりました、後は歩いて行って
歩いて戻る、往復で20キロあまり。
まっ、いいか、そんな思いでさらに北上しました。
会いに行きたい滅び行くものは12日に歩いた時に聞いた
ツクツクボウシです、あれから10日、せみの寿命が7日なら
新しい命の声が聞けるはずですし、滅んでいったものたちの
兄弟かもしれません、自分が何を感じるのか予想できませんでしたが
とにかく足が前に向きます。
イオンを右手に見ながら、歩を進めます、橋の下ではバスボートで
釣りをする人がいます、帰帆島に架かる橋を過ぎると次の橋まで
長い直線が続きます、なぎさではバ-ベキューをする若者のグループや
家族連れでにぎわっています、無にはなっても空にはなれない、
山頭火の言葉が頭をよぎります。
北山田の漁港を過ぎたあたりでツクツクボウシの鳴き声が小さく届いてきました。
「まだいたんや、滅びんとがんばってるんや」
そんなことを思いながらしばらく行くと、先ほどとは明らかに違う
ツクツクボウシの合唱が聞こえてきました、しかし9月12日に比べると
数が減っています、自動車の騒音にかき消されそうな鳴き声ですが、
しっかり鳴いています、道端に座りしばらく鳴き声を聞いていました。
セミが1週間の命、重さが10グラムだとして、100グラムのネズミは70日の
寿命?もっと長いよな・・・・。
家にいる小さい犬が3キロとしてセミの300倍、寿命が2100日、これも
もっと長いよな・・・・。
私が70キロ、セミの7000倍、寿命は49000日、これは、ずっと短い、
セミの命が短いことは知っていますが、体重の割でいくと人間の方が・・・・・。
どうでもいいことをボーとしながら考えていました。
とにかく烏丸半島まで歩こう、そう決めて歩き出しましたが、それ以後は
ツクツクボウシの鳴き声はしませんでした。
季節は変わっているんだ、そんなことを実感しました。
烏丸半島には3時前に到着、ここで引き返すか、先に進むか、ここで引き返しても
10キロ以上歩かないといけません、このまま10キロ先まで歩けば琵琶湖大橋を
渡り、雄琴温泉の手前まで、そこから家まで15キロほど、5時間強の行程です。
途中で夕食をとると帰宅は9時を回ります、ここは引き返す方を選択、
その前に草津の道の駅で腹ごしらえ、3時15分に出発し、来た道を引き返しました。
ツクツクボウシの大合唱はすっかり消えて、代わりに秋の虫たちの鳴き声が
迎えてくれました。
滅んで行ったツクツクボウシ、でも、数は少なかったけれどツクツクボウシの
鳴き声を聞けたのは収穫でした、これで今年の夏が終わった、そんな感慨が
ありましたが、帰り道は来た時よりも遠かった、行きは、「やっぱり一人がよろしい雑草」、
帰りは、「やっぱり一人は寂しい枯草」、そんな気持ちで歩いていました。
こんな姿を先ほどの可愛い女の子が見たら、やはり「おじいちゃん、がんばって!」
素直に受け入れましょう。
藤竜也の夢は夜ひらくの一節ですが、滅び行くものには美学がある、
そんな立派なものではありませんが、滅んでいくのがわかっていましたので、
ついつい、出かけました。
22日は連休中、唯一お休みをもらいました。
12日に42キロを歩いたのですが、22日も歩こうと思いました、
せっかくの休みなのに他にすることがないのか?
そんな自問もありましたが、ボーとしたいのと少し考え事をしたいのと、
相反する思いで歩き出しました、向かうは瀬田の唐橋から南郷洗堰、
そこから瀬田川の東を北上して再び瀬田の唐橋、そこをまだ北上して
近江大橋へ、ここで橋を渡るとおよそ13キロになります。
最初は、まだこの先まで歩いて滅びゆくものに会いに行くことを
考えていました、しかし、滅び行くものに会いに行くには
少し遠くて行っただけ歩いて戻らなくてはなりません。
時間のこともあるし、いつもと違う靴で足の裏に痛みがあって、
ちょっと弱気になっていたのですが、瞬時に気が変わりました。
滅び行くものに会いに行く決心をしたのは、近江大橋の手前でした、
可愛い子どもが「おじいちゃんがんばって!」
ムッ!おじいちゃん?がんばって?
そんなに苦しい顔をして歩いているんだろうかと思いました。
自分でおじいさんという段には気になりませんが、孫以外から
おじいちゃんといわれると・・・・・。
人間同情されたりいたわられる様になったら、年をとった証拠。
言い返されたら対等、いたわられたら老人だと思わないといけない。
同じような意味ですが、これは曽野綾子さんの戒老録に出てくる
言葉だったと思います。
可愛い子どもの言葉が闘争心に火をつけてくれました。
「もう許さねぇ、誰が、おじいちゃんだ!」
出発が遅かったので近江大橋に着いた時点で1時前でした、
それにお茶もペットボトルに半分しかありません、
道中に自販機はありませんので心配でしたがトイレがあるのを
思い出し、飲み水の心配はなくなりました、後は歩いて行って
歩いて戻る、往復で20キロあまり。
まっ、いいか、そんな思いでさらに北上しました。
会いに行きたい滅び行くものは12日に歩いた時に聞いた
ツクツクボウシです、あれから10日、せみの寿命が7日なら
新しい命の声が聞けるはずですし、滅んでいったものたちの
兄弟かもしれません、自分が何を感じるのか予想できませんでしたが
とにかく足が前に向きます。
イオンを右手に見ながら、歩を進めます、橋の下ではバスボートで
釣りをする人がいます、帰帆島に架かる橋を過ぎると次の橋まで
長い直線が続きます、なぎさではバ-ベキューをする若者のグループや
家族連れでにぎわっています、無にはなっても空にはなれない、
山頭火の言葉が頭をよぎります。
北山田の漁港を過ぎたあたりでツクツクボウシの鳴き声が小さく届いてきました。
「まだいたんや、滅びんとがんばってるんや」
そんなことを思いながらしばらく行くと、先ほどとは明らかに違う
ツクツクボウシの合唱が聞こえてきました、しかし9月12日に比べると
数が減っています、自動車の騒音にかき消されそうな鳴き声ですが、
しっかり鳴いています、道端に座りしばらく鳴き声を聞いていました。
セミが1週間の命、重さが10グラムだとして、100グラムのネズミは70日の
寿命?もっと長いよな・・・・。
家にいる小さい犬が3キロとしてセミの300倍、寿命が2100日、これも
もっと長いよな・・・・。
私が70キロ、セミの7000倍、寿命は49000日、これは、ずっと短い、
セミの命が短いことは知っていますが、体重の割でいくと人間の方が・・・・・。
どうでもいいことをボーとしながら考えていました。
とにかく烏丸半島まで歩こう、そう決めて歩き出しましたが、それ以後は
ツクツクボウシの鳴き声はしませんでした。
季節は変わっているんだ、そんなことを実感しました。
烏丸半島には3時前に到着、ここで引き返すか、先に進むか、ここで引き返しても
10キロ以上歩かないといけません、このまま10キロ先まで歩けば琵琶湖大橋を
渡り、雄琴温泉の手前まで、そこから家まで15キロほど、5時間強の行程です。
途中で夕食をとると帰宅は9時を回ります、ここは引き返す方を選択、
その前に草津の道の駅で腹ごしらえ、3時15分に出発し、来た道を引き返しました。
ツクツクボウシの大合唱はすっかり消えて、代わりに秋の虫たちの鳴き声が
迎えてくれました。
滅んで行ったツクツクボウシ、でも、数は少なかったけれどツクツクボウシの
鳴き声を聞けたのは収穫でした、これで今年の夏が終わった、そんな感慨が
ありましたが、帰り道は来た時よりも遠かった、行きは、「やっぱり一人がよろしい雑草」、
帰りは、「やっぱり一人は寂しい枯草」、そんな気持ちで歩いていました。
こんな姿を先ほどの可愛い女の子が見たら、やはり「おじいちゃん、がんばって!」
素直に受け入れましょう。
Posted by いとう茂 at 12:46│Comments(1)
この記事へのコメント
あまり無理をしないでください。適度な運動が最適だと思います。
Posted by こんちゃん。 at 2015年09月24日 22:53