2015年10月22日

不揃い

少し前、と言っても春から夏に移るころだったと思いますが、
ラジオから京野菜の話題が流れていました、オクラの栽培を
している報告で市場に京野菜として出荷できる規格があるそうで
確か長さが25センチ、それ以下だと規格外ということで価値が
ぐっと下がります、種も農家が勝手に採取するのではなく
センターから購入しなければいけないということでした。

京野菜というブランドを守るために厳しい規格を設けているのでしょう。
九条ネギ、聖護院カブラ、堀川ゴボウ、加茂ナス、壬生菜、万願寺トウガラシ・・・・・・、
ほかにも色々とあるのでしょう、その歴史は知りませんが都があり寺院も多い
京都では精進料理などで需要があり京都のそれぞれの地名が付く土地で
特産品として栽培された名残だと思いますが、昔から長さなどの規格が
あったとは考えられず、最近になって均一の大きさや長さなどの規格が生まれた
そう考えるのが自然だと思います。

曲がったキュウリ、形の悪いナス、大きさが違うトマトなども市場では
価値が下がりますが、自然界に存在するもののほとんどは不揃い
のような気がします、市役所の前に植えられたケヤキも大きさや枝振りが
違いますし、我々人間もみんな不揃いですし、猫や犬も顔や体の色も
不揃いです。

真っ直ぐ伸びる道、一糸乱れぬ演技、端正な顔立ち、碁盤の目に整えられた
区画整理・・・・・・、ともすると揃っていることを善とし不揃いを悪とする、
そんな意識もあります。
工業製品のように均一の規格でないと日常生活に支障をきたす
ものもありますが、目を凝らして世の中を見渡すと、
世の中には不揃いのものの方が多いことに気づきます。

大津市には穴太積みという石の積み方がありますが、不揃いの
石を向きや大きさを考えて積んでいき石垣を作る。
お亡くなりになりましたが奈良の宮大工の西岡常一さんは
木にも真っ直ぐなものや曲がったものがある、それらの特性を
殺してしまうと立派な建物は作れない、そんな意味のことを
おっしゃっています。

曲がったきゅりを食べてやってください、形の悪いナスも
食べてやってください、みんな精一杯生きて今の姿になりました。
人間だって欠点もあればいい所もあります、困った所も
見方を変えれば心の中に屈折したものがあり、その虫が
動き出すと困ったことが口をついて出てくる、今までの人生で
自分も周囲も好きにさせてくれた、自分の意のままにならないと
困った動きをする、ある意味正直者です。
人間は食べるわけにいきません、曲がった人間、形の悪い人間も
愛すべき人間だと思うのは自分の心次第です。

私も曲がった人間、不揃いの構成員、大切なあなたも心に影を持つ
不揃いの構成員。
同じ河原の枯れすすき・・・・、こんな私に親切にしてくれてありがとう、
こちらこそ大事に思ってくれてありがとう、不揃いにだって感謝の心は
あります、きっと真っ直ぐに育ってきた人よりは大きくて暖かい
心があると思います、不揃いバンザイ!

真っ直ぐくそくらえ!ちょっと言い過ぎです。

Posted by いとう茂 at 12:37│Comments(1)
この記事へのコメント
こんばんは。
あの…25cmの規格品はオクラでしたか?
25cmのオクラは
おばけオクラだと思います。
計ったことはありませんが
オクラはだいたい5〜6cmくらいだと
思います。
何かとお間違えではないでしょうか。
それとも種も購入指定があるなら
オクラの苗の高さが25cmでしょうか?
規格だと2.5cm?とも思いましたが
それではあまりにも小さいですし…。
悩みつつ、書いています。

わたしも曲がったきゅうりや茄子、
少しくらい傷のある果物など、
お安く買うようにしています。
刻んだり炊いたりしたら
お味は一緒だと思うのです。
わたし自身は
ちょっと真っ直ぐな感じで
子どもに煙たがれますが
それはそれで良い時もあるかと??
たぶん、こうですから
オクラの規格にも疑問を
持ったのだと思います。
Posted by ぷーちゃん*ぷーちゃん* at 2015年10月22日 23:05
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