2016年02月05日

分からいでか!

最近、こんなことがありました。
近い人からメールをいただきました、ごく普通の時候の挨拶や
近況報告でしたので、当たり障りのない返信をしました。
しばらくたって、いただいたメールのことが気になり改めて読み直し
ましたが、何の変哲もない文章でした、それでも、何が、どこがか
分かりませんが、自分の中で引っかかるものがあり、後日確認すると、
家族が急病で病院に行ったということでした。

その人は、私に言ったところでどうにもならないし、事後報告でいいかと
思っていたということでした。
その人の言を借りますと「よくわかったなぁ、何でわかった」と、言うことでしたが、
近い分気になったとしか言いようがありませんでした。

人間の気づきのアンテナには二通りあるように思います、身近だからわからない、
疎遠だからわからない、これが一つと、身近だからわかる、疎遠だからわかる、
この二つのアンテナで様々なことを感じたり考えたりして、生きているのでは
ないかと思います。
メールの件は身近だからわかることですが、身近で分からないことの最たるものは、
自分のことだと思います、親戚の子どもや遠くにいる友人の子どもが就職だ
結婚だという話を聞いた時に「もう、そんな年になっていたのか」その後に続くのが
「そらそうやわな、こっちも年取るはずや」と、改めて、しみじみ自分のことを
振り返り実感することが多くあります。

「よくわかったなぁ、何でわかった」と言った人に返したかった言葉は
「わからいでか」でしたが、ヤマ勘が当たっただけでしたので、それは言わずにおきました。
人からや自分でも、誰かを見て「どうしたの元気ないやん」そんな言葉を
挨拶代わりに使うことがあります、こちらが落胆しているときや問題を抱えているときに
この言葉を聞くと、自分のことを心配してくれている、そのことが嬉しく感謝の念が
湧いてきます。
相手に同じ言葉を使って気遣いを表してもすぐに本音が出ないことがありますが、
おかしいと思えば次に会う時も注意深く接して、同じように心配の言葉を口にすると、
「実は・・・・・」と言うこともよくあります。

「わからいでか」親しくしている人からそう言われたら、心の中で「ありがとう」です。
相手には口に出さなくても、身近だから分かることだと思います。
年を重ねると知らず知らずに、プライドや面子といったほこりが溜まり、感謝の言葉を
口に出しづらくなりますし、相手にも思いやる心、惻隠の情で言わずもがなの部分を
埋める度量が備わっている、そんな親しい人が周囲にいる私は幸せ者だと思います。

Posted by いとう茂 at 20:03│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。