2019年11月18日

将来への提言

昨年の11月から1か月に1度のペースで、
私が住んでいる学区にある更生保護施設の在り方について、
検討委員会を立ち上げて、議論をしてきました。
検討内容は、経営面、入居者の処遇、地域対策、そして
老朽化が進んでいる施設の建て替えと多岐にわたり、
ほぼ全角度から検討をしました。
そして、来月には最終答申をまとめる予定で、ここに来て
答申の素案が出され、現在は各委員が検討漏れはないか、
記載漏れがないか等について各自で最終チェックに入っています。

30ページ余りの答申案を3・4回読み直して、自分なりに修正を加えて
事務局と意見を交換してきました。
ここで予想外に時間がかかり、次の予定はパスしましたが、
自分で納得がいく答申案にしたかったので、これはこれで満足
していますが、最終委員会での決定ですので・・・・・・。

更生保護施設と言っても一般の方には分かりづらいと思いますが、
刑務所を仮出所する際に、身元を引き受けてくれる人がない
場合に、6か月程度寝る場所と食事を提供して社会に出る
準備をする施設、簡単に言えばそんなところです。
入所中も保護観察期間が残っていますので、定期的に保護司と
面談を行ったり生活上の悩みなどの相談にも対応してもらい
入所中にお金を貯めるのと仕事先を確保しますが、実際は
多少のお金はたまるようですが、6か月たって退所してからの
行先については、しっかり把握できていない場合も多く、
フォローアップも課題になっています。
全国に100余りの更生保護施設がありますが、地域との接点が
少ない施設が多く、身近なところにあっても知らない住民も多いかも
知れません。
こうした地域との接点も今後の課題で、アプローチの方法を
どうするかも、明確な指針が見えていません。

100余りの更生保護施設では、1年間におよそ8000人を
受け入れていますが、そのうち約8割が刑務所出所者で、
全仮出所者の3割程度を一時保護しています、言い換えると3人に
1人程度は身元を引き受けてもらえないという事になります。
再犯以上の犯罪者が増加傾向にあり、家族にすれば「またか」
「もう知らん」そうした意識から、身元引受人になる比率は今後
ますます低下していくと考えられます。

法務省の方針は、刑務所である程度規則正しい生活を身につけて、
その後の更生は社会でという流れがあるようで、前科が2犯、3犯と
言った人だけでなく8犯とか10犯と言った人も仮出所して社会での
更生を目指すという事になっているようです。
更生保護施設の維持存続のために、今後は入所者の取り合いが
起きる可能性も大きく、現在でもその兆候はあるようです。
しっかり教育できる施設、そのためには処遇の内容と処遇を
実施する職員のスキルアップが必須です。
そのための提言書がいよいよ完成です。

Posted by いとう茂 at 21:10│Comments(0)
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