2020年08月29日

思い出し遍路㉕

20番の鶴林寺と21番の太龍寺、徳島の遍路では
12番の焼山寺に次いで厳しい遍路道だと言われています。
この道から逃げた自分が嫌で3巡目は焼山寺も5時間30分、
決して早くはないのですが、1巡目の8時間30分よりは断然
早く上りましたし、20番、21番も改めて遍路道を上ろうと決め
前日に徳島入りをして、朝1番のバスで鶴林寺がある勝浦町へ
行き鶴林寺を目指して遍路道に入りました。
歩き遍路の地図では車道は15,1キロ遍路道は13,1キロと
なっており、1巡目は2キロの差なら車道を行こうと考えましたが、
実際に歩くと・・・・車道の距離が正しいのなら遍路道の距離は
圧倒的に短い・・・・逆かもしれませんが。
標高は500mほどでふもとは30mですので、それだけ上りますが、
早朝ということもあったのでしょうが、焼山寺の亡霊に怯えるほど
きつい上りではなく、気が付くと鶴林寺の駐車場といった感じでした。
歩いても歩いてもカーブが続いて鶴林寺の入り口が遠かった
車道よりも楽だったかも知れません。

2巡目は今から12年前に車で別格も含めて108の札所を逆に
回っていますが、車だと歩きほど時間がかからず物足りない感じで
3巡目になっていました。
3巡目は歩きだけにこだわらず、JR、バス、車、タクシーと様々な
乗り物と歩きを組み合わせて回りました。
現在は4巡目ですが、時間が取れないのかお大師さんに
まだ来なくていいと言われているのか3分の2ほど回って
そこから進んでいません。

この日は徳島市内で37度を記録した日で鶴林寺に上るのも
かなり汗をかいていました、大師堂にお参りをして納経を
お願いしていると、お寺の奥さんだと思いますが、お接待と
言ってクッキーを二つ出してくださいました。
ありがたくいただき細い階段を下りて21番の太龍寺へ向かいました。
途中までは1巡目と同じ道で・・・・そういえばこんなところ・・・・
見た覚えがあります。
今回は細い橋を渡り上りの遍路道を行きますが、自販機でお茶を
1本買って上り始めました。
歩き遍路は荷物は極力少なくが大原則ですので、4キロ余りの
遍路道なら1本で足りるだろうと考えた次第ですが・・・・・。

相変わらず汗は出ます、異変に気付いたのは上り始めて1時間は
経っていたと思います。
お茶を飲むのですが、飲んだらすぐに汗で出る感じ、これは
1巡目の焼山寺でも経験したことで、熱中症の前兆だと思います。
体内の塩分などが汗で出てしまい、そこに塩分などが入っていない
お茶を補給しても体が体液が薄くなるので拒否して、すぐに排出
していまいます。
塩分のタブレットや塩飴など・・・・・持っていません。
前後に人はおらず、戻るよりは進む方が近い、その状況ですが
今、自分がどこを歩いているのかまでは地図では分かりません。
ペットボトルのお茶は残り一口ほど、飲み干せばもう水分は
ありません、もちろん山中に自販機もありません。

それまでの自然に近い遍路道から、人の手が入った材木を使った
階段まで来ました、あれっ、近いのかな・・・・・。
そう思いましたが確証はなく、ここで残り一口を飲んでしまって
いいのか・・・・・。
迷いました、とにかく休もう、まだ昼過ぎなのに周りが暗く感じ
られます、明らかに異変が起きています。
どれくらい休んだか・・・・それでも誰も来ない。
足腰は大丈夫ですが体に力が入らない、コンビニで買ったおにぎりは
鶴林寺で食べてしまい食べるものがない・・・・・・ここで・・・・・、
鶴林寺でもらったクッキーを思い出しました。
なるようにしかならない、お茶も飲んでしまおう、そう決めてクッキーと
お茶も飲み、もう少し休もうと決めて・・・・というよりも動けません。
というところで次回に続きます。


Posted by いとう茂 at 12:26│Comments(0)
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