2022年06月18日

今頃どうしているだろう

石鹿太鼓を作ったのが平成3年、発足当時のメンバーも一人抜け、
二人抜けと減っていき、現在、残っているのは私だけになりました。
25年以上一緒に叩いてきたメンバーも3名になっています。
その他は長いメンバーで7年くらい、後は5年前後の人たちばかりです。
去っていった大人よりも気になるのが、子どもの太鼓のメンバーです。
長い子どもで小学3年生から6年生までの4年間、
毎週1回1時間ですが顔を合わせてきました。
そんな子どもの中で特に気になる子どもがいます。
気になると言っても何年も出会っていないので、今はどうしているか不明です。
もう20年近くなるのでしょうか、小学校を卒業してからも
子どもの太鼓の練習の手伝いに時々来てくれていました。
練習では同じ学年のメンバーの輪からはじかれたように見えていましたが、
本人はそのことには気づいていないようで、はしゃいでいました。
もう一人の指導者とよくその子の話をしたのを覚えています。

確か6年生の卒業前に引っ越す話をしていたと思います。
ひとり親家庭で母親が再婚するということが理由でした、
親の都合で子どもの人生も左右されるのかも知れません。
毎年6年生が卒業すると、卒団式を下級生も含めて全員でやってきました。
最近はコロナで開催できていませんが、いつもは焼肉の食べ放題です。
その年も卒団式をやる予定で集合場所の市民センターで待っていると、
卒業生も下級生もニコニコしてやってきました。
集合時間になっても、その子どもだけが来ていません。
「連絡してくれたな、休むと言ってたのか」
卒業生に問いただすと・・・「伝えていない」
案の定つまはじきにされて、卒団式の日を伝えてもらっていませんでした。
「すぐ呼んで来い」
「え~いやや」
「そしたら卒団式は中止、今日は解散」
そう言うと渋々2・3人がその子を呼びに行きました。
呼びに行った卒業生は渋面でしたが、その子は嬉々として走ってきました。
子どもは残酷な生き物、改めてその時に実感しました。
焼き肉が始まると、それまでの重い空気が吹き飛んで、
子どもは無邪気なものに変わりましたが、忘れられない出来事です。
社会に出て順調にやっていてくれているか、新しい父親とうまくいっているか、
確かめる術はありませんが、時々その子の顔が浮かびます。

Posted by いとう茂 at 19:18│Comments(0)
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