2023年06月16日

欲があるのは一つのことだけ

先日、ふすまが新しくなった相談者のお宅に、出前えこーをしたことをアップしました。
その相談者の話です。
20年ほど前にご主人が亡くなり、
それからは母親一人でひきこもり当事者と暮らしています。
祖父が立て替えた築60年ほどの広い屋敷に二人暮らしで、
田舎の在所の付き合いも、母親が役を務めて今日まで来ています。
子どもが成人していますので、
在所の中で回ってくる役を子どもに代わってもらいたいと考えていますが、
人とうまく話せないので子どもは県外で仕事をしていることになっています。
こうした話はこの相談者に限らず、他にも同じケースがいくつかあります。
隣近所にも子どもがひきこもっていることを隠して、生活しなければいけない。
これも親に共通する生きづらさです。
ひきこもり、不登校への市民の理解がもっと進めば、
こうした生きづらさから解放されるのですが、まだまだ啓発不足なのが現状です。
この相談者のお宅に二度お邪魔していますが、
家財道具や調度品を誰かにもらってもらった、業者にただで持って帰ってもらった。
それだけではなく田んぼも2反もらってくださいとお願いして、
こちらも無料で譲っています。
この前も、ご主人の碁盤がたくさんあるので、
どこかのクラブに寄付できないかと相談されたり、
座敷にある立派な紫檀の机も誰か貰い手がないかと話をしていました。
欲があるのは子どもの行く末だけで、執念と言えるかもしれません。
考えて行動する出発点が子どもで、ゴールも子どもです。
これまで3年半、色々な話をしてきましたが、
親にこれだけ思ってもらって幸せな子どもなぁ、と感じています。
ひきこもっている子どもが中心の家庭は他にもあります、
中には親に迷惑と苦労をかけていると自覚している子どももいますが、
動けない現実とのはざまで苦しんでいます。
そんな親子に何かできないか、少しでも楽になる方法はないか、
これはえこーが抱えている課題です。

Posted by いとう茂 at 15:33│Comments(0)
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