2024年08月25日

お遍路さんが来ました③

いよいよ夫婦にとって高知最後の遍路になります。
「大月を出てまずは宿毛を目指しました、足取りは重かったのですが、前日に比べると歩けました。宿毛まで8キロほどですね、2時間ちょっと出歩いて朝食抜きでしたので開いている食堂で食事をしました。ここのご主人が親切な人で、延光寺に行って戻って来るのなら荷物を預かると言ってくれて、身軽に延光寺にお参りができ体の負担も軽くなりました。延光寺に近くの草むらには青大将が5・6匹いて驚きました。嫁は足がすくんで歩けませんでしたよ」
「歩いていて右手の空き地みたいな原っぱと違いますか」
「その通りです、伊藤さんも見たのですか」
「時期は忘れましたが、草むらをカサカサ音を立てる青大将を見ましたわ」
「ここが高知最後の札所かと思うと感慨深いものがありました、途中で年配の女性がお接待だと言ってスポーツドリンクをくれたのも初めてのお接待だったので、嬉しかったです」
「お接待は四国だけの文化ですね。一緒に歩いているお大師さんへの気持ちかも知れませんが、それでもありがたい気持ちには感謝、感謝でしたわ」
「宿毛に戻って食堂のご主人にお礼を言って、帰りの電車でまずは高知、歩いている時は高知のひろめ市場は諦めようと言っていたのですが、高知に着く前に気が変わりましてね、出費は増えますが、もう1泊高知ですることにしてホテル荷物を預けて3時過ぎにひろめ市場で遅い昼食とビール、ホテルに入ってシャワーでさっぱりしたら元気が出てきましてね、夜は少し遅らせて高知で一番大きな帯屋町商店街の居酒屋で、塩たたきと地酒を堪能しました。そして最終日は高知から坂出まで出て、そこからマリンライナーで岡山、岡山からは鈍行を乗り継いで帰ってきました」
「鈍行ですか、これも魅力がありますね、始発駅で駅弁とビール、ただ鈍行にはトイレが少ないので、ここだけは押さえておかなあきませんけどね」
「伊藤さんはよく知ってますね、座れたと思って調子に乗ってビールを飲んでいたら、トイレは3つくらい先の車両で大変でしたわ」
「とにかく修行の道場の高知が打ち終わりましたね」
「行も行、苦行続きでしたけど何とか終わりました」
「もう次の予定も考えてるのと違いますか」
「その通りです、また予定ができたら持ってきますのでお願いします」
「お安い御用ですよ」

Posted by いとう茂 at 20:08│Comments(0)
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