2024年10月06日

消える命 生まれる命

知り合いの夫婦の話です、夫婦には90歳前後の親がいます。
お爺さん一人とお婆さん二人ですが、ここに来ておじいさんとおばあさんが入院、どちらも体調が悪く認知症も出てきました。
もう一人のおばあさんも入院はしていませんが、定期的にヘルパーが来て介助が必要で、買い物などの外出はできません。
ご主人は一人っ子で、奥さんは姉妹がいますが遠方に嫁いでいて、ほぼ夫婦で親を看なければいけません。
少子化の未来図を見ているようです、しかも親とは別居ですので入院している方の見舞いや買い物、それに家に荷物を取りに行くにも時間を必要とします。
幸い親は今日明日に亡くなるということはありませんが、5年も10年もと言うわけではなく、容体が悪化すれば近い将来には命が消えていきます。
私も経験しましたが、親が認知症になると正常な会話ができませんし、見舞いに行っても手ごたえがない状態でした。
この夫婦の親もそうした状態ですが、せっせと見舞いに行っています。
夫婦はたがいに仕事もありますので、時間の調整が大変なようですが、親孝行で入院している両親をもう一度自宅に連れて帰りたいと話しています。
親孝行したい時には親はなし・・・です。
ただそのことも認知症の親には分からないのです。
そんな夫婦の息子に子どもが生まれました。
片方は気持ちが沈む親の介助と看病、もう一方は気持ちが晴れる孫の世話、消えていく命があれば生まれてくる命もあります。
世の中そうして命のバトンの受け渡しでずっと昔からつながってきました。
その人が生きた内容は人それぞれですが、ともかくバトンを受けて我々は生きています、そしていつか誰かにバトンを引き継いで人生を終わります。
中にはバトンを受けて引き継ぐ人がいない人もあるでしょうが、受けたバトンを精一杯生き切ることが、渡してくれた人に報いることだと考えています。

Posted by いとう茂 at 14:49│Comments(0)
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