2013年04月02日

桜に思う

琵琶湖ホテルで会合があり市役所に来るのに
疏水沿いの道を走ってきました。
三井寺を眺めると桜が咲いています、
疏水の両側にも桜が咲き小雨の降る中、
何人か散策している人の姿がありました。

いつもではないのですが、桜を見ると思いだす
歌があります、靖国神社の遊就館にも額が
掲げられていますが、本居宣長の歌で、
「敷島の 大和心を 人問はば 朝日に匂う 山桜花」

なぜこの歌を知ったかと言いますと、特攻隊員の遺書を読んでいて、
所属部隊が敷島隊、大和隊、朝日隊、山桜隊といった部隊名が
記されていて不思議に思い調べたらこの歌に出会いました。

この部隊名は海軍の特攻隊にしか使われておらず、
陸軍では振武隊が圧倒的でした。
大正10年から12年生まれの学徒出陣で特攻隊に志願した
方たちの出身は全国47都道府県全域にまたがります。

敷島とは天皇が都をおいた国名であることも知りました。

東シナ海に戦艦大和が沈んだのは4月7日です。
ちょうど桜が満開の頃だったのでしょう。
知覧や鹿屋の特攻基地から出撃していった隊員の方も
桜を眺めていたと思います。

「来週まで花が持つかなぁ、この雨で散ってしまうんやろか」
花見やイベント関係者でなくてもこういった会話を交わします。

死地に向かう人の気持ちはどのようなものだったのか。
今、見る桜や風景がこの世で見る最後の景色です。

胸が締め付けられます。

桜の下でお酒を酌み交わし歓談する季節ですが、
過去の出来事を思う時、やはり、今を生きさせていただけることへの
感謝を忘れてはいけない。
そう思います。

戦争を肯定するものでも讃美するものでもありません。

虫けら同然のように散っていった尊い命の積み重ねの上で
安穏と暮らしている私たちに課せられた使命を改めて考えるよう
迫り責めるように桜は咲いているのかと・・・・・。



Posted by いとう茂 at 14:52│Comments(0)
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