2013年04月06日

花に嵐

満開の桜を散らす雨と風。
せっかく寒い冬を耐えて咲いた桜が散ります。
山あり谷ありの人生、何事も計算通りには
進まない事を知っているはずなのに、
ついつい、人生を足し算で考えてしまうのは何故でしょう。

ハナニアラシノタトエモアルゾ
サヨナラダケガジンセイダ

井伏鱒二が訳した漢詩だったと思いますが
4行詩でお酒をなみなみと注いでほしいとか、そんな言葉が
前にあった気がします。

一期一会のはかなさみたいなものを詠んだ詩でした。

月に群雲 花に雨 だったかそんな言葉もありました。

親鸞も、これもうろ覚えですが
明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは

「せっかく」その言葉を使うのは期待していたことが
実現しなかった時でしょう。

山頭火は、これも記憶がいい加減かも知れませんが、
人々がどんなに祈ろうが、雨は降るだけは降る

みんな当たり前のことを言っているのですが、
どこか心にしみるものがあり、やるせない気持ちになります。

先ほどまで中部の保護司総会に出ていました。
大津市全体の保護司総会は24日にあるのですが、
その前に3支部で総会があります。

更生。
多くの方は罪を犯した人に対して偏見というか身構える
所があると思います、保護司になる前までは自分にもそういう部分が
あったのは事実です。

罪を犯して刑期の半ばで保護観察処分で施設を出所して
保護司がついて社会復帰を目指す人と、
刑を満期まで務めた人とでは再犯率は保護観察処分で保護司がついた
人の方がずっと低いというデータがあります。

実際に刑期を満期まで務めた人は3倍の再犯率で、社会復帰が
かないません。

自分の頼りない人生経験と知識でも誰かを救えることがある。
立ち直ってくれる、その姿勢が見えた時は本当にうれしいものです。

最初はどの人も口が重く、心を開いてくれません。
何度か面接を繰り返し、つまらない話をしながら
じわじわ心を開いてくれるのが実感できます。

人の世のことは人でしか解決できない気がします。
結局、最後は人間関係です。

いつ散るかわからない桜の花のような人生です。
罪を犯したからと言って咲いてはいけないとは
誰も言うことができません。

更生して社会復帰を果たして、一人でも多くの人が
自分だけの花を咲かせてくれたら・・・・・。

ささやかでも、たった一輪でも・・・・・。




Posted by いとう茂 at 15:23│Comments(0)
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