2013年04月23日
控室の本より②
荘子の言葉に
直木先伐 甘井先渇
直木はまず伐られ 甘井は先ず渇く
真っ直ぐな木は加工がしやすいので先に
伐採され、おいしい水が湧く井戸には人が集まるので
早くに干上がってしまう。
荘子は性悪説を主張した人ですので、直木や甘井を
否定します。
生き延びるには直木や甘井ではだめだということです。
職場や団体でも役に立つ人から登用されることが多く
出世も早いかもしれませんが、荘子は無難に生き延びるには、
目立たないように自己主張しないように生きることが一番だと
説いているのです。
そうすることで同僚や先輩に恨まれないし、
足を引っ張られることもないといっているのです。
多くの親が子育てをする中で、このようなことを
子どもに言い聞かせて子育てする親は少ないと思います。
たいていの親は世の中の役に立つようにとか、
いい会社に入って出世するようにとか、
そういう場合が多いのではないでしょうか。
中国の歴史は内戦の歴史でもあります。
そうした内戦の世で命を守る手段として、荘子はこのような
発想に至ったのでしょうが、同時に内戦で命を落とすことに
何の意味もないと言っているようで、痛烈な国への批判でもあります。
さらに荘子は
尾を塗中に曳く ともいっています。
これは泥水の中を動き回る亀の姿だそうです。
ある時、荘子が釣りをしていると国から使者が来て、
国王が大臣に迎えたいという言葉を伝えます。
荘子にはそんな望みがあるわけもなく、
はっきり断ればよかったのですが、比喩で断ります。
その国には代々丁重に伝えられている亀の甲羅がありました。
それを例えに出して、死んでから甲羅を拝まれるのと
泥水の中を尾を引きずってでも生きているのとどちらがいいと
訊ねると、使者は生きている方と答えます。
それを聞いて、早々におかえりいただきたいと告げたと言います。
これも前者の格言に通じるものがあります。
人間の価値は位ではないということでしょうか。
責任が重くなり収入が増えても、人間にはそれより大切な
ものがあるということかもしれません。
どちらを選択するかは別として、立身出世だけが人生の
目的ではないということを知っておいて損はないでしょう。
だからこそ、そんな人間だから周囲は登用したがるのかもしれません。
やりたい奴よりさせたい奴、そんな格言もあったような・・・・・。
直木先伐 甘井先渇
直木はまず伐られ 甘井は先ず渇く
真っ直ぐな木は加工がしやすいので先に
伐採され、おいしい水が湧く井戸には人が集まるので
早くに干上がってしまう。
荘子は性悪説を主張した人ですので、直木や甘井を
否定します。
生き延びるには直木や甘井ではだめだということです。
職場や団体でも役に立つ人から登用されることが多く
出世も早いかもしれませんが、荘子は無難に生き延びるには、
目立たないように自己主張しないように生きることが一番だと
説いているのです。
そうすることで同僚や先輩に恨まれないし、
足を引っ張られることもないといっているのです。
多くの親が子育てをする中で、このようなことを
子どもに言い聞かせて子育てする親は少ないと思います。
たいていの親は世の中の役に立つようにとか、
いい会社に入って出世するようにとか、
そういう場合が多いのではないでしょうか。
中国の歴史は内戦の歴史でもあります。
そうした内戦の世で命を守る手段として、荘子はこのような
発想に至ったのでしょうが、同時に内戦で命を落とすことに
何の意味もないと言っているようで、痛烈な国への批判でもあります。
さらに荘子は
尾を塗中に曳く ともいっています。
これは泥水の中を動き回る亀の姿だそうです。
ある時、荘子が釣りをしていると国から使者が来て、
国王が大臣に迎えたいという言葉を伝えます。
荘子にはそんな望みがあるわけもなく、
はっきり断ればよかったのですが、比喩で断ります。
その国には代々丁重に伝えられている亀の甲羅がありました。
それを例えに出して、死んでから甲羅を拝まれるのと
泥水の中を尾を引きずってでも生きているのとどちらがいいと
訊ねると、使者は生きている方と答えます。
それを聞いて、早々におかえりいただきたいと告げたと言います。
これも前者の格言に通じるものがあります。
人間の価値は位ではないということでしょうか。
責任が重くなり収入が増えても、人間にはそれより大切な
ものがあるということかもしれません。
どちらを選択するかは別として、立身出世だけが人生の
目的ではないということを知っておいて損はないでしょう。
だからこそ、そんな人間だから周囲は登用したがるのかもしれません。
やりたい奴よりさせたい奴、そんな格言もあったような・・・・・。
Posted by いとう茂 at 16:30│Comments(0)