2014年09月17日

順応と適応

順応の意味を調べると
1 環境や境遇の変化に従って性質や行動がそれに合うように変わること。

2 外界からの刺激に対して、感覚器官が慣れていくこと。「明暗―」

適応はどういう意味か調べると
1 その場の状態・条件などによくあてはまること。「事態に―した処置」

2 生物が環境に応じて形態や生理的な性質、習性などを
  長年月の間に適するように変化させる現象。

3 人間が、外部の環境に適するように行動や意識を変えていくこと。「―障害」「過剰―」

ユーコン川の法則と言うのがあります。
「強者のみが栄え、弱者は必ず滅び、適者のみが生き延びる。」
昔、商店街の役をしていた時によく使った言葉です。
強者は大型店、弱者は零細の商店です。
どうすれば適者になれるか、色々道を探りましたが・・・・・。

多くの仲間が廃業して行きました。
中には多額の借金を残し夜逃げした仲間もいました、
バブルに踊らされて、ついつい気が大きくなり事業を拡大し過ぎて
身動きが取れなくなり、行方不明の仲間もいます。

プラスとマイナスが同じなら損をした者の蔭に、必ず得をした人間が
いるはずですが・・・・・・。

強者になって栄えることは出来なくても、適者として生き延びることはできる。
寝るところがあり日に三度の食事ができるということが適者なのかもしれない。
市役所では60歳の定年後も嘱託や再任用という選択肢がありますし
企業でも再雇用で雇用期間の延長があります。
65歳以降は豊かではなくても年金で生活ができます。

自営業の場合はほとんどが国民年金で月額6万円余り、65歳を過ぎても
借入金が残っていたり年金だけでは生活できないために商売を継続
するしかない人が大勢います、健康寿命を考えるとあと数年しか
動くことができないかもしれません、食うために働いている・・・・・。

生きるために食うのではなく、働くために食っている、食うために働いている、
高齢の商売人の口からよく出る言葉、「辞められる人はいいよ」。

昨日の総務常任委員会で次期総合計画の策定方針の説明がありました。
平成29年度から平成40年度までの12年間の計画です。
市民の意見の反映の中に「子育て世代」「外国人」「若者」「高齢者」は
入っていますが子育てが終わった50代前半から高齢者未満の記述が
ありませんでした、社会的には納税額も多く、責任も重い世代です。
この年代に特にボリュームを持たせるのではなく各年代に公平に意見を聞くよう
要望しました。

団塊の世代の最後の年代が65歳を超えて健康寿命に近づくまであと数年、
50代前半からの世代が定年を迎える10年足らず先、
団塊の世代は75歳に手が届こうとしています。
もうすでに健康寿命の平均は超えています。
そうしたころに起きることは零細商店の崩壊、団塊の世代の商店主たちが
いよいよ働けなくなります。

借入金の返済のために蓄えをはたいたり不動産の売却で収入は国民年金だけ、
これまで僅かでも税金を払っていた側から税金で面倒を見てもらう側に
立場が変わります、そうなると今以上に生活保護の受給者が増えるかもしれません、
それに生活保護制度も変わっているかもしれません。
加えて介護問題、これは零細商店だけでなく、すべての高齢者の問題です。

次期総合計画では「おおつ未来まちづくり学生会議」を開催して
大学生の目線で大津市のまちづくりを考えてもらい計画に反映
するとしていますが、親に子どもを大学にやれるだけの資金があるかどうか不明です、
稼ぎはあっても親の介護、特に団塊の世代を親に持つ30代後半から40代の世代にとって
介護のために夫婦のどちらかが仕事を辞めなくてはならない事態も考えられます。

暗い話になりました。
こんなはずではなかったのです、順応と適応でした。
順応も適応もできない高齢者予備軍と団塊の世代の悲哀になってしまいました。
本当は違う思いがありましたので、それはまたの機会に・・・・・。





Posted by いとう茂 at 12:29│Comments(0)
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