2014年10月03日
埃をかぶった本棚から③
今回は本ではなくコラムからです。
人恋しくなる秋にちなんで、十数年前のコラムを
紹介したいと思います。
「冬の停車場で・・・」
ある年の春、鴨の私は渡りをやめアヒルのあなたとこの小さな
池で暮らし始めました。
傍目にはアヒルと鴨が並んで水面に遊ぶ姿は異様に映ったかもしれません。
外見は繊細そうなあなたは意外に図太く、
傲慢でわがままでした。
それでもお互いを思いやり夏場は静かに暮らせたように思います。
冬になり仲間の鴨たちが帰ってくると肩身の狭い日々が続きました。
あなたは”気にするな”と言いながら、
他の鴨たちには”あんなカモ知らん”みたいな顔をしていました。
でも二羽になると”お前が一番”とすり寄ってきた。
いいかげんなアヒルだと思いながらずっとこの池に住むアヒルと
新住人の鴨とでは価値観も生き方も違って
当たり前なのだと思うこともありました。
もう一度空を羽ばたいて北に帰りたいと何度も思いましたが、
飛び立つ勇気と体力も気力も失せて、
ただ静かに、そっと暮らしたいと思っていました。
ですが、それだけではありません。
いつの間にか二羽でいることが自然で居心地の良い場所になっていました。
喜びや悲しみ、絶望や淋しさに沈んだ時、
どのシーンにもあなたは私の隣にいました。
何が善くて何が悪いのか私にもわかりません。
”他人の顔は自分を映す鏡”とか聞いたことがあります。
あなたは私なのかもしれません。
昨日は雪が降りました。
私たちの住む池の葦原にも付近の田んぼにも
綿毛のように積もりました。
心の燻りを一掃するように冷気が通り抜けていくのを感じました。
隣のあなたが何を感じていたのかはわかりません。
ただ、二羽ならんで雪化粧した山を眺めていました。
生きることが
旅・・・なら・・・
雲のように
ゆっくり流れていたい
9月通常会議も昨日の決算分科会で峠を越えた感があります。
6日の全体会議と9日の本会議を残すだけになりました。
39日間の長丁場が終わろうとしていますが、すぐに11月がやってきて
通常会議になりそうな気がします。
人恋しくなる秋にちなんで、十数年前のコラムを
紹介したいと思います。
「冬の停車場で・・・」
ある年の春、鴨の私は渡りをやめアヒルのあなたとこの小さな
池で暮らし始めました。
傍目にはアヒルと鴨が並んで水面に遊ぶ姿は異様に映ったかもしれません。
外見は繊細そうなあなたは意外に図太く、
傲慢でわがままでした。
それでもお互いを思いやり夏場は静かに暮らせたように思います。
冬になり仲間の鴨たちが帰ってくると肩身の狭い日々が続きました。
あなたは”気にするな”と言いながら、
他の鴨たちには”あんなカモ知らん”みたいな顔をしていました。
でも二羽になると”お前が一番”とすり寄ってきた。
いいかげんなアヒルだと思いながらずっとこの池に住むアヒルと
新住人の鴨とでは価値観も生き方も違って
当たり前なのだと思うこともありました。
もう一度空を羽ばたいて北に帰りたいと何度も思いましたが、
飛び立つ勇気と体力も気力も失せて、
ただ静かに、そっと暮らしたいと思っていました。
ですが、それだけではありません。
いつの間にか二羽でいることが自然で居心地の良い場所になっていました。
喜びや悲しみ、絶望や淋しさに沈んだ時、
どのシーンにもあなたは私の隣にいました。
何が善くて何が悪いのか私にもわかりません。
”他人の顔は自分を映す鏡”とか聞いたことがあります。
あなたは私なのかもしれません。
昨日は雪が降りました。
私たちの住む池の葦原にも付近の田んぼにも
綿毛のように積もりました。
心の燻りを一掃するように冷気が通り抜けていくのを感じました。
隣のあなたが何を感じていたのかはわかりません。
ただ、二羽ならんで雪化粧した山を眺めていました。
生きることが
旅・・・なら・・・
雲のように
ゆっくり流れていたい
9月通常会議も昨日の決算分科会で峠を越えた感があります。
6日の全体会議と9日の本会議を残すだけになりました。
39日間の長丁場が終わろうとしていますが、すぐに11月がやってきて
通常会議になりそうな気がします。
Posted by いとう茂 at 13:40│Comments(0)