2015年02月03日

四国遍路③

愛染院の小さな山門の横に痩せた老犬がつながれていました。
鎖を長くしてあるので動ける範囲は思いのほか広く、
おにぎりを食べている足もとまでやってきます。
尻尾を振りながら、じっとこちらを見ています。

「そうか、そうか、お腹が空いているのか」
そう呟きながらおにぎりを少し御接待です。
パクッと一口で食べ、またこちらを見ています。
結局、3個買ったおにぎりの1個余りを御接待しました。

ここ愛染院は、3番金泉寺の奥の院で
唯一「刷毛」で納経していただけます、他の札所や
奥の院、別格は筆での納経ですが、ここだけは違います。
納経が終わり出発の準備をしていると例の広島から来た
青年がやってきました、少し言葉を交わして先に進みます。

ここから4番大日寺までは2キロほど、30分余りの行程ですが
途中から遍路道はアスファルトから田んぼのあぜ道に変わります。
細いあぜ道は民家の裏と隣接していて洗濯物が干してあったり
生活の匂いがします、都会なら、こんなところを知らない人が
通ることは、まず許されないでしょう。

あぜ道が終わると細い道を歩きます、左手の上方に太い道路が
通っており自動車での遍路はこちらを通ります。
歩いている細い道もやがてこの太い道路と合流し、
ゆるやかに上る道を大日寺に向けて進みます。
札所の前は広い駐車場になっていて観光バスが何台も駐車
できるスペースがあります。
左手の土手では地元の農産品を売っています、安いのか
高いのか見当がつきませんが、歩きは極力荷物を
減らしていますので、ここで買うわけにはいきません。

山門をくぐり手と口を清めて本堂へ、本堂から大師堂は
廊下でつながっており西国33カ所のご本尊が祀られています。
大師堂でもお参りを済ませ納経所によって、前のベンチで
しばし休憩、団体の遍路は先達に引率されてお経も
リズム良く進みます、ここまで札所は4つ、般若心経は
本堂と大師堂の計8回、まだまだ、たどたどしいお経ですし、
声も小さく周囲に人がいると恥ずかしくて声も小さくか細いものです。

大日寺の山門を出て次は5番の地蔵寺に向かいます。
来るときは緩やかな上りでしたので今度は緩やかな下り坂です、
途中までは同じ道を戻る打戻です、距離は2キロ、30分余りです。

地蔵寺には裏手にある五百羅漢の方から入って行きます、
五百羅漢の中には自分に似た羅漢さんがいると言われていますが、
まだ行ったことがありません、66番の雲辺寺にも多くの羅漢像がありますが
そちらは比較的新しいものだと思います。

地蔵寺には大きなイチョウがあったと思います。
黄葉の時には美しいのでしょうが、その時期には行けませんでした。
黄葉と言えば54番の大宝寺の黄葉も美しいと思います。
思いますと言うのは写真で見たからで参道いっぱいに黄色い葉を敷き詰めた
ような写真が印象的でした。

さあ、次は6番安楽寺、でも足が少々悲鳴を上げています。
靴のせいです、ウォーキングシューズを選択したのが失敗でした。
豆もいくつかできているようで、この後、靴の選択で迷うことが
何度も起こります。

遍路道と言っても全体の8割以上がアスファルトの道です。
硬い道を歩くのに登山靴やトレッキングシューズがいいのか
それとも陸上のトレーニングシューズがいいのか、どちらも試しましたが
どちらも豆ができました。
靴がどちらでもいいのなら次は中敷です、硬い底にソフトな中敷、
硬さが足首やひざにダイレクトに響いていたのが中敷で吸収され
かなり楽です、トレーニングシューズの軟らかい底に少し硬めの
中敷、これも足首がしっかりして歩きやすさが向上しました。

硬い底の靴で1日に歩いた最高距離は35キロ、軟らかい方は43キロ、
どちらがいいかコースの状況や天候によって使い分けています。
雨の日のトレーニングシューズは最悪です、濡れて足がぐしょぐしょ、
ふやけて足の裏は豆だらけになります。

時々、地下足袋で遍路を続けている人に出会います。
昔の人は草鞋でした、足首、ヒザ、腰への負担は相当なものがあったはずです。
今は、靴の選択肢もたくさんあります、少しでも楽に歩きたい、
遍路を行だと考えるのなら、こうした考え方が正しいのか・・・・。
そんなことを取り留めもなく考えるのも四国ならではです。

今日は午前、午後と2月通常会議に上程される議案の説明が
あります、午前中は総務部等から条例の制定委員会の設置についての
説明がありました。
明日は政策検討会議と市民病院の視察がありますし
来週は議運、27年度の予算の説明が二日間ありますし、一般質問も
仕上げなければいけません。
「じっくり考えることは時間の節約になる」そんな言葉があります。
焦ることなく予定をしっかり組んで時間を有効に活かします。






Posted by いとう茂 at 12:31│Comments(0)
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