いとう茂　惻隠だより

ここ何年か好きなものと大切なものについて考えています。
例えばメロンが好きなものだとして、何人の人がメロンを
大切だと思うだろうか。
好きなものだけをしていて大切なものも、その中に全部
含まれるのだろうか。
好きじゃないけど楽しくないけど、大切なものがあるのでは
ないだろうか。
そんなことを考えていました。

私の場合もいくつかそんなものがあります、例えば好きな
ものの代表のお酒、お酒は好きなものだが大切なものか、
飲みたい気持ちが勝っていると、人間関係を円滑にするには
大切だ、そう結論付けるとお酒は大切なものに変わります。
飲みすぎて二日酔いになると大切なものが忌まわしく
なってきます。
人間関係を円滑にするにはお酒の力は効果があるでしょうが、
それだけで円滑にいくとは限りません。

一度やめてみよう、そう決めたのが昨年の11月でした。
やめてみると飲みたい気持ちもそんなに出てきません、
それで、お酒が嫌いになったのかと言えばそんなことはなく、
夜が来ると飲まないといけない、そんな感覚がなくなり、次は
いつ飲もうかと飲める日が来るのが待ち遠しく感じられ、
体に染み渡るおいしさが新鮮で、さらにお酒を好きになる、
この段階で、私の中ではお酒は好きなものから大切なものに
昇格したのかもしれません。

今でも酒席で飲まないで通していると、なぜ飲まないんだ、
体が悪いのか、そんな問いを発する人がいます。
決まって笑顔でどこも悪くないです、そう答えますが、
じゃ、飲め。いいえ、結構です。
1度で終わる人もいれば数度に押し問答の時もありますが、
私が引くことはありません。
ここで、お酒が人間関係を円滑にする力が消えています。

苦いお酒、楽しいお酒、悲しいお酒、おいしいお酒、
いろんなお酒がありますが先日から2度嬉しいお酒を味わいました。
その程度でいいのかもしれません、私にもお酒より
もっと大切なものがありますから・・・・・。