2016年11月17日

滋賀県中学生広場「私の思い2016」⑤

今回は、マキノ中学校1年生の女性との作文を
紹介します。
半年前には、まだ小学校6年生の作品かと驚いてしまいました。
今回の中学生広場は障害をテーマにしたものが多くありました。
障害者差別解消法ができた影響かも知れませんが、身近なところで
障害のある人が多いことの表れでもあります、法の概要は下記の通りです。
【障害者差別解消法】
《「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の通称》
障害者基本法の基本理念に沿って、障害を理由とする差別を
解消するための措置について定めた法律。障害のある人に対する
不当な差別的取扱いを禁止し、行政機関に対して
合理的配慮の提供を義務づけている。

「個性」

みなさんの前に車いすの方がいます。
みなさんはどうしますか。
ほとんどの方がじろじろと見てしまうのではないでしょうか。
ですが、車いすの方は何もしていないのにじろじろ見ないで
ほしいのです。
車いすを見慣れていないと気になるかもしれませんが、
できるだけ自然に接する方がよいと思います。

私がこのように考えるのには理由があります。
それは障害者への差別があるからです。
そしてそのような方を見て笑ったり、さけたりする人が
いるからです。
私はいつもおかしいと思っています。
もちろん、ほかにも差別はあります。
このことについて、同じ人間なのにと思います。
これは私の考えなのですが、皆さんには一人ひとり個性があります。
障害も同じように個性だと思うのです。
ただその人がたまたま歩けなかったり話せなかったり
するだけで、他の人と何も変わりはありません。
それだけで差別するのはおかしいのではないでしょうか。

私には、とても後悔したことがあります。
それは劇の発表の練習をしていた時でした。
ある障害をもった子がセリフを言いました。
ただ、自分のセリフを言っただけなのに、周りからはクスクスと
笑い声が聞こえてきました。
私は何がおかしいのか分かりませんでした。
そして、練習が終わった後も、その子の真似をして笑っていました。
その時、私は何も言えずにただ聞いていることしかできませんでした。
他にもそのようなことがあっても止められませんでした。
どうしてもみんなに言う勇気がなかったのです。
だから私は言葉にできない分、みんながその子とやりたがって
いないときに、一緒に活動をして何とかしていました。
ですが、今でも後悔しています。
どうして言えなかったのだろう。
「止めなよ」の、たった四文字を。
だから、これからは少しずつでも自分の想いを言葉に出せるように
していきたいです。

ある時、母が言いました。
「あなたはあんなお兄ちゃんをもってはずかしくない?」と。
私の兄は障害をもっています。
そして私は母に「別に気にしてないし、はずかしくもないよ」
と言いました。
すると母は笑顔になりました。
私は障害をもった兄のことをどうしてはずかしいと考えるのか
分かりません。
兄は一人の人間であり、私の大切な兄でもあります。
私はこれからもずっと兄のことをずっと支えていきたいと思います。
きっと家族にこのような人がいたら、みなさんも考えは変わっていた
かもしれません。
もし、友達が障害をもっていてもはずかしいと思わないはずです。

今もこの世には差別があり、悲しんでいる方がたくさんいます。
ただ肌が黒かっただけで自分とは違うとみられるのです。
そのようなことは、人それぞれの個性だと思います。
個性は一人一人にあり、それをバカにする権利は誰にも
ありません。
あったらおかしいです。
誰に対しても優しい心で接してほしいです。
ですが、中には苦手な人もいるかもしれません。
そのときは、誰かがその人にとっての大切な人になればいいのです。
自分にとって大切な人は様々です。
家族や友達。
そしてその人たちの個性を受け止めて接してください。

最後にもう一度聞きます。
皆さんの前に障害という個性を持った人がいます。
皆さんはどうしますか。
接する方法は人それぞれだと思いますが、私の話を聞いて、
少しでも考えを理解してもらえたらうれしいです。
あなたの個性は何ですか。
また考えてみてください。

Posted by いとう茂 at 12:50│Comments(0)
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