2017年03月22日

その人を笑えますか⑮


「ネズミとカエル」

陸に住むネズミが、カエルと仲良しになりましたが、これが運のつきでした。
と、いうもの、カエルには悪巧みがあったからです。
カエルはネズミの足と自分の足を、ヒモで結びつけました。
そして、初めは仲良く一緒に畑のムギを食べに行きました。
それから、沼の岸に近づきました。
沼まで来ると、カエルはネズミを水の底に引きずり込んで、
「ケロ、ケロ、ケ、ケ、ケ」
と、歓声をあげながら水遊びをしました。
可愛そうなネズミは、さんざん水を飲んでおぼれ死んでしまいました。
でも、足がカエルの足に結びつけられているので、
カエルと一緒に浮いたり沈んだりしていました。
それを1羽のトンビが見つけて、このネズミをさらっていきました。
当然、ヒモで足がつながっているカエルも一緒にトンビのえじきになりました。

悪い事をすると、自分もそのむくいを受ける事になるというお話しです。
悪いことをした報いは神様か仏様の気まぐれで個人差が
あるようです、でも天網恢恢疎にして漏らさず。
そのうち順番が回ってきますから・・・・・・・。

「水を叩く漁師」

漁師が川で、魚を捕っていました。
こちらの岸から向こうの岸まで、川の流れをせき止める形にアミを張っておいて、
ヒモの先に小石をくくりつけた物で、水をバシャバシャと叩くのです。
すると、驚いた魚は逃げようとして、アミに引っかかるのです。
近所に住んでいる人がそれを見て、
「そんな事をすれば、川の水がにごってしまう。
あなたはわたしたちに、にごった水を飲ませるつもりか」
と、怒りました。
それに対して漁師は、
「だけど、この川の水をにごさない様にしていれば、
わたしたちが飢え死にしてしまうじゃないか」

こちらが得をすれば、あちらが損をし、あちらが得をすれば、こちらが損をする。
人生には、こんな状況はよくあります。
何にでも例外があるようにも思います、こちらもあちらも損をしたり、
ずっとこちらが損をしたり・・・・・・・。
ただ、折衷案が一番高くつくことだけは覚えておきましょう。


「ライオンとロバとキツネ」

ライオンとロバとキツネが仲間になって、一緒に狩りに行きました。
たくさんの獲物が捕れた時、ライオンはロバに獲物を分けてくれと頼みました。
ロバは全体を3等分して、
「ライオンさんから、どうぞ1つお取りなさい」
と、言いました。
ライオンは腹を立てて、ロバに飛びかかって食い殺してしまいました。
そして今度は、キツネに分けてくれと頼みました。
キツネは、くずの様な切れ端を、少し自分に取っただけで、
全部をひと山にしてライオンに、「どうぞ、お取りなさい」
と、進めました。
ライオンが、「こう言う分け方を、誰から教わったのかね」
と、聞きますと、キツネは、
「ロバくんの、不幸な死に方です」

人は身近な人の不幸を見る事によって利口になるものだと、
このお話しは教えています。
人の失敗を見て笑うのではなく、自分ならどうするかを考えるのです。
そういえば世の中は人事異動の季節です。

「子ヒツジを食べるヒツジ飼い」

ヒツジ飼いがテントの中で子ヒツジを食べているのを見たオオカミが、
そばへ寄って来てこう言いました。
「もしわたしがそんな事をしたら、あなたがたはどんなにさわぐことでしょう」

自分は平気でしているのに、他人が同じ事をするとすぐに文句を言う人に
聞かせるお話しです。
そんな人は身近にいませんか、


「船旅をする人たち」

人々が船に乗って、海に出ました。
ずっと沖へ出た時、激しい嵐がおこって、船は今にも沈みそうになりました。
船に乗っていた客たちは、
「神さま、お助け下さい。船を沈めないで下さい。助けて下さったら、
いくらでも感謝のお供えをします」
と、大声で祈りました。
ところが嵐が静まると、みんなはごちそうを食べたり、踊ったり、
飛び跳ねたりしました。
もう、安心だと思ったのです。
しかし船長は考え深い人でしたから、うかれているお客たちに言いました。
「みなさん、楽しむのは結構です。ただし、いつまた嵐が
来るかもしれない事をお忘れなく」

うまくいったからといって、安心してはいけません。
災難は、また来るかもしれませんよ。
喉元過ぎれば・・・・・人のうわさも七十五日。
誰かがずーっと覚えているものです、あなたの苦手な人がね。

Posted by いとう茂 at 21:49│Comments(0)
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