2017年11月04日
その人を笑えますか㊳
盗みをする子どもと母親
ある子どもが、学校で友だちの本を盗んで来て母親に見せました。
すると母親は、叱りもせずに、
「良かったね」
と、褒めました。
次の日、子どもは誰かの服を盗んで来て、母親に見せました。
母親は前よりも、もっと褒めました。
こうして、この子どもは大きくなるにつれて、ますます大きな盗みを
するようになりました。
けれども、とうとうある日、盗みをしている所を見つかって警察に捕まりました。
そして両手を背中で縛り上げられて、首切り役人の所に
引き立てられて行きました。
母親は胸を掻きむしって悲しみながら、息子に付き添って行きました。
途中で、息子が、
「お母さん、ちょっと。内緒の話しがあるから、耳を貸して下さい」
と、言いました。
母親が息子の口に耳を近づけた途端、息子は耳たぶをくわえて、
ガブリと噛み切ってしまいました。
「この親不孝者! 泥棒ばかりして、さんざん心配させた上に、
お母さんの耳を食いちぎるとは何事ですか!」
母親が叱りつけると、息子が言いました。
「初めて本を盗んだ時に、お母さんはぼくを褒めてくれた。
あの時ぼくを叱っていたら、こんな事にならずにすんだのに」
このお話しは、悪い事は初めのうちに懲らしめないと、
そのうちだんだんひどくなって、手におえなくなる事を教えています。
家庭でのしつけの大切さを物語っているように思います、
しかし、最近では勉強もしつけも学校で・・・・・、親がそう望むのか
子どものいじめや学力の向上を考えると、そうせざるを得ないのか。
ライオンとオオカミとキツネ
ライオンが年を取って病気になり、洞穴に寝ていました。
動物たちはみんな、王さまライオンのお見舞いに来ましたが、
キツネだけは来ません。
そこでオオカミは、ここぞとばかりライオンにキツネの悪口を言いました。
「あいつは元々と、王さまをうやまう気持ちが全然ないのです。
だからこの通り、お見舞いにも来ないのですよ」
ちょうどその時、キツネがやって来ました。
ライオンはキツネを見ると、
「ウォーッ!」
と、怒りの吠え声を上げました。
しかしキツネは、
「ちょっとお待ち下さい。遅くなったわけを説明しますから」
と、落ち着き払って、
「さて、ここに大勢の動物が集まっていますが、この中で、
わたしほど王さまの為に尽くした者がいるでしょうか?
何しろ、わたしはあっちこっちの医者を訪ねて、
王さまを治す薬はないかと聞いて回ったのですよ。
そして、ちゃんと見つけてきましたからね」
ライオンはニッコリ笑うと、
「そうか、そうか。それはすまなかった。では、今すぐその薬を教えてくれ」
と、頼みました。
「それは、生きたオオカミの皮をひんむいて、温かいうちに
それで体をくるむ事です。特に、人の悪口を言うオオカミが良いそうです」
キツネがこう言ったので、たちまちオオカミは殺されてしまいました。
このお話しは、人をおとしいれようとたくらめば、
自分がワナにはまってしまうものだと教えています。
策士策に溺れる、というものです、世の中全てが因果応報と
いうわけにはいかないこともあります、ではこう考えたら・・・・・・
現世では時間が足りずに自分には返らなかったが、
来世では自分の子や孫に倍以上になって返ってくる。
ヘルメスと彫刻家
商売の神ヘルメスは、あると時、自分が人間たちの間で、
どのくらい尊敬されているかを知る為に、人間の姿になって
一人の彫刻家のアトリエヘやって来ました。
見ると、神々の中で一番偉いゼウスの像があります。
「これは、いくらで売るのかね?」
と、ヘルメスは尋ねました。
「1ドラクマです」
ヘルメスは、にやりと笑って、
「じゃあ、そっちにあるヘラ(→ゼウスのおくさん)の像はいくらだ?」
「こっちの方が高いですよ」
ヘルメスは、自分をかたどった像もあるのに気がつきました。
何しろ自分は商売の神さまだし、ゼウスの神のお使い役も
務めるくらいだから、きっと特別に人間からあがめられているだろうと思って、
「このヘルメスは、いくらだ?」
と、尋ねました。
すると彫刻家は、
「そうですねえ。ゼウスとヘラと二つとも買ってくれたら、
これはおまけとして、ただであげますよ」
「・・・・・・」
このお話しは、誰からも尊敬されていないのに自分だけが
偉い様な顔をしている、うぬぼれ屋に聞かせるお話しです。
自分に一番甘いのは自分ですし、自分の言動をすべて
知っているのも自分です。
それでも自分に高得点をつけたがるのも自分です。
ある子どもが、学校で友だちの本を盗んで来て母親に見せました。
すると母親は、叱りもせずに、
「良かったね」
と、褒めました。
次の日、子どもは誰かの服を盗んで来て、母親に見せました。
母親は前よりも、もっと褒めました。
こうして、この子どもは大きくなるにつれて、ますます大きな盗みを
するようになりました。
けれども、とうとうある日、盗みをしている所を見つかって警察に捕まりました。
そして両手を背中で縛り上げられて、首切り役人の所に
引き立てられて行きました。
母親は胸を掻きむしって悲しみながら、息子に付き添って行きました。
途中で、息子が、
「お母さん、ちょっと。内緒の話しがあるから、耳を貸して下さい」
と、言いました。
母親が息子の口に耳を近づけた途端、息子は耳たぶをくわえて、
ガブリと噛み切ってしまいました。
「この親不孝者! 泥棒ばかりして、さんざん心配させた上に、
お母さんの耳を食いちぎるとは何事ですか!」
母親が叱りつけると、息子が言いました。
「初めて本を盗んだ時に、お母さんはぼくを褒めてくれた。
あの時ぼくを叱っていたら、こんな事にならずにすんだのに」
このお話しは、悪い事は初めのうちに懲らしめないと、
そのうちだんだんひどくなって、手におえなくなる事を教えています。
家庭でのしつけの大切さを物語っているように思います、
しかし、最近では勉強もしつけも学校で・・・・・、親がそう望むのか
子どものいじめや学力の向上を考えると、そうせざるを得ないのか。
ライオンとオオカミとキツネ
ライオンが年を取って病気になり、洞穴に寝ていました。
動物たちはみんな、王さまライオンのお見舞いに来ましたが、
キツネだけは来ません。
そこでオオカミは、ここぞとばかりライオンにキツネの悪口を言いました。
「あいつは元々と、王さまをうやまう気持ちが全然ないのです。
だからこの通り、お見舞いにも来ないのですよ」
ちょうどその時、キツネがやって来ました。
ライオンはキツネを見ると、
「ウォーッ!」
と、怒りの吠え声を上げました。
しかしキツネは、
「ちょっとお待ち下さい。遅くなったわけを説明しますから」
と、落ち着き払って、
「さて、ここに大勢の動物が集まっていますが、この中で、
わたしほど王さまの為に尽くした者がいるでしょうか?
何しろ、わたしはあっちこっちの医者を訪ねて、
王さまを治す薬はないかと聞いて回ったのですよ。
そして、ちゃんと見つけてきましたからね」
ライオンはニッコリ笑うと、
「そうか、そうか。それはすまなかった。では、今すぐその薬を教えてくれ」
と、頼みました。
「それは、生きたオオカミの皮をひんむいて、温かいうちに
それで体をくるむ事です。特に、人の悪口を言うオオカミが良いそうです」
キツネがこう言ったので、たちまちオオカミは殺されてしまいました。
このお話しは、人をおとしいれようとたくらめば、
自分がワナにはまってしまうものだと教えています。
策士策に溺れる、というものです、世の中全てが因果応報と
いうわけにはいかないこともあります、ではこう考えたら・・・・・・
現世では時間が足りずに自分には返らなかったが、
来世では自分の子や孫に倍以上になって返ってくる。
ヘルメスと彫刻家
商売の神ヘルメスは、あると時、自分が人間たちの間で、
どのくらい尊敬されているかを知る為に、人間の姿になって
一人の彫刻家のアトリエヘやって来ました。
見ると、神々の中で一番偉いゼウスの像があります。
「これは、いくらで売るのかね?」
と、ヘルメスは尋ねました。
「1ドラクマです」
ヘルメスは、にやりと笑って、
「じゃあ、そっちにあるヘラ(→ゼウスのおくさん)の像はいくらだ?」
「こっちの方が高いですよ」
ヘルメスは、自分をかたどった像もあるのに気がつきました。
何しろ自分は商売の神さまだし、ゼウスの神のお使い役も
務めるくらいだから、きっと特別に人間からあがめられているだろうと思って、
「このヘルメスは、いくらだ?」
と、尋ねました。
すると彫刻家は、
「そうですねえ。ゼウスとヘラと二つとも買ってくれたら、
これはおまけとして、ただであげますよ」
「・・・・・・」
このお話しは、誰からも尊敬されていないのに自分だけが
偉い様な顔をしている、うぬぼれ屋に聞かせるお話しです。
自分に一番甘いのは自分ですし、自分の言動をすべて
知っているのも自分です。
それでも自分に高得点をつけたがるのも自分です。
Posted by いとう茂 at 20:24│Comments(0)